Column/コラム

未上場の新興企業の株式購入権の発行容易に

未上場の新興企業の株式購入権の発行容易に

おはようございます。

金曜日を担当していますセブンセンスグルー
プ(SSG)公認会計士の高橋です。

金曜担当の私からは、会計、経営、財務、税
務、監査、内部統制関連の基礎・Tips・ニ
ュース等をお伝えします。

第192回の今回は、「未上場の新興企業にお
けるストックオプションの発行手続き簡素
化」についてご紹介します。

 

今週、以下のような記事がありました。
<未上場の新興企業、株式購入権の発行容易に 取締役会議決だけで>
https://nnp.y-ml.com/cs/Daily/11656/5114
2024年2月5日 日経電子版

引用、要約すると・・・、

・政府は未上場のスタートアップ企業のスト
ックオプション発行手続きを簡素化すること
を計画している

発行枠が株主総会で決定されれば、権利行使
価格や取得可能な期間を株主総会を経ずに取
締役会の議決だけで決められるようになる

・これまでの制度では、ストックオプション
の権利行使価格や取得可能な期間の決定に株
主総会の承認が必要だった

これは、株主による企業経営への参加と監視
を確保し、経営陣の決定が株主の利益に沿っ
たものであることを保証するため

・政府はこの改正案を今国会に提出する予定
であり、産業競争力強化法の改正案として位
置づけている

・森・濱田松本法律事務所の2023年の調査に
よると、スタートアップ企業の8割以上が過
去にストックオプションを発行しており、そ
の大多数が未上場で資金面での制約がある小
規模企業だった

・ストックオプションは役員や社員にとって、
企業の成長に伴う株価の上昇から利益を得る
有力な手段であり、特に高額な給与の支払い
が難しい新興企業にとって重要な人材獲得の
手段だ

というもの。

未上場の新興企業では、資金調達の選択肢が
限られており、特に初期段階では投資を受け
ることが難しいことがあります。

このような状況下で、ストックオプション
(SO)は、現金ではなく会社の将来の成長に
賭ける形で、優秀な人材を引き付け、留める
ための重要な手段となります。

SOを提供することで、企業は現金を直接支払
うことなく、従業員に会社の成功に伴う利益
の一部を享受する権利を与えることができま
す。

これにより、資金が不足している状況でも、
企業は成長に必要な人材を確保し、モチベー
ションを高めることが可能になります。

 

また、権利行使価格の設定において、株主価
値の希薄化を避けるためには、市場価格に基
づいた公正な評価が必要です。

権利行使価格を市場価格よりも大幅に低く設
定すると、新たな株式が発行される際に既存
株主の持ち株比率が減少し、その結果、株主
の資産価値が希薄化します。

このため、公正かつ透明な評価が必要であり、
これにより既存株主と新規株式取得者間の公
平性が保たれるのです。

 

今回は「未上場の新興企業におけるストック
オプションの発行手続き簡素化」についてお
伝えしました。

それでは、今日はこの辺で。
良い週末をお過ごしください。