Column/コラム

中古資産のリースの節税は使えない

中古資産のリースの節税は使えない

おはようございます!
税理士の松嶋と申します。

本メルマガは、皆様が怖い怖い
とおっしゃる税務調査に対し、
勇気をもって戦えるノウハウを
解説しております。

私のパートは【毎週木曜日】です。

税務調査について分かりやすく
解説していきます。

それでは、第四百三十五回目。

テーマは、

「中古資産のリースの節税は使えない」

です。

令和4年度改正においては、主要な節税商品であっ
たドローンリースなどを封じ込める改正がなされま
した。

具体的には、一括又は3年で経費とできる少額の減
価償却資産の特例について、貸付けの用に供する減
価償却資産については、原則として対象としないこととされました。

このため、今までは買ったタイミングで全額経費と
して節税をしてきたドローンリースについては、今
後は買った値段に関係なく原則として耐用年数(5
年)で経費とする必要があります。

こういう訳で、今後は節税がますます難しくなる訳
ですが、早くも新しい節税商品が提案されています。

それは、中古資産を活用したもので、中古資産をリ
ースするというスキームです。

中古のベンツを購入すると節税になると言われます
通り、中古資産は、今まで使用した年数を考慮する
などして、相当短い年数で経費にできます。

すなわち、先の少額の減価償却資産に変えて、中古
資産をリースして節税するというスキームです。

このようなスキームが合法か質問を受けますが、結
論から申し上げますと合法とは言えません。

と言いますのも、中古資産の耐用年数は、本来は合
理的に見積もられる使用可能期間とされているから
です。

この使用可能期間は通常は分からないので、特例的
な計算方法で耐用年数を算定しています。

この年数は非常に短く計算されるため、短期間で経
費にできる訳です。

しかし、使用可能期間を合理的に算定できるのであ
れば、その使用可能期間を耐用年数とし、特例的な
計算方法を使うことはできないと法令に明記されて
います。

節税商品となるリースについては、投資の回収期間
も考慮しますので、予めリース期間を決めた上でリ
ースすることが通例です。

となると、中古資産をリースする場合、そのリース
期間中は確実に使用ができることになりますから、
リース期間を使用可能期間と解釈するのが妥当と考
えられます。

そうなると、特例的に短い期間で経費にはできませ
ん。そもそも論ですが、リースが節税になるのは、
リース料収入がリース期間中に数年に分けて入金さ
れるのに、経費はそれよりはるかに短い期間で計上
されることにあります。

このため、リース期間と耐用年数が一致すれば、そ
もそも節税商品とは言えません。

それにとどまらず、そのスキームの提案書を見ると、
滑稽なことが書いてありました。「中古と言いつつ、
新品であるかのように修繕をしている」という点で
す。

「中古なら借手が付かないため投資するのは難しい」
と投資家が判断しないように、わざわざ書いたので
しょうが、「新品」のような中古資産であれば、新品
が使える期間で経費にするのが妥当、といった判断
がなされる可能性があります。

この期間はまさに法律で決まった耐用年数ですので、
中古資産の使用可能期間よりも長くなる可能性もあ
ります。

いずれにせよ、このようなスキームに対しては、慎
重な対応が必要なことは間違いありません。

追伸、

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