Column/コラム

『世界の相続税 』 マリリンモンローの遺言書 –

『世界の相続税 』 マリリンモンローの遺言書 –

『世界の相続税 』 マリリンモンローの遺言書 –

News Room《“International Taxation” News》
(2023.6.26)

海外資産にかかる税務は少しずつ身近な出来事になってきています
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海外税務に関するさまざまな情報を発信しております
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Topic『世界の相続税 』 マリリンモンローの遺言書 –
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さて、生前の方のご意思は、遺言書という形で次の世代に残されることが多いですね。
しかし、世界では相続が起きたときに、各国の法務や税金の計算方法が違ってくるので、
Last will(遺言書)がないと相続手続きが面倒になってくる国々がございます。

たとえば、米国は≪遺産税方式≫、ドイツは≪遺産取得税方式
で計算されますが、willがないと遺産清算手続きが滞り
期限内での申告納税すら厳しくなる状況になります。
世界ではLast willを残すことはとても大切になります。

◆ さて、それぞれの国で、歴史を残した人物たちのLast will(遺言書)とは?
そしてその遺産は何年かかってどのように分配されたのでしょうか・・。

■1■. マリリン・モンローのLast will
(米国は、“遺産税方式”)

(写真:Wikipediaより)

透き通るような豊かな金髪が美しいマリリン・モンロー・・。
心を惹きつけてやまないその人気は、時代を超えて、
世界中の男女から根強い人気がありますね。

ロスアンゼルス生まれのマリリン・モンローは、幼少から36歳(1962年逝去)
でなくなるまで、ずっと映画の主人公のような人生でした。

マリリン・モンローの遺産は、Last willがあったにもかかわらず、
彼女の死後は詳細がわからず非常に複雑な状況となり、
法的争いの的となりました。

最終的な財産分配は争いが続き、長期にわたって解決されなかったのです。
遺産分配に関しては、具体的な完了時期は明らかにされていませんが、
一部が慈善団体に寄付され、一部は彼女の親族、知人に相続されています。

マリリン・モンローの遺産
一般的に知られている範囲での彼女の財産には以下のようなものがあったようです。

*不動産:
マリリン・モンローはカリフォルニア州にいくつかの不動産を所有しており、
最も有名なものは、彼女が最期の日々を過ごしたブレントウッドの邸宅
*映画関連の資産:
マリリン・モンローは映画女優としての成功によるさまざまな無形資産
(映画意匠権、映画のロイヤリティなど)
*衣装と宝飾品:
数々の有名な衣装やジュエリー
彼女が映画や公の場で着用したドレスやアクセサリーは、高額な評価額
となっています。
*財産権:
彼女の肖像権や著作権を含む知的財産権。
これらの権利は、いまでも商業目的で使用されています。

(※マリリン・モンローの遺産の詳細や正確な財産の価値については、
非公開とされているものが多く、遺産分配の複雑な状況により、
正確な情報は入手困難となっています)

マリリン・モンローの遺言に基づく遺産分配
*異父姉バーニース・ベイカー・ミラクル、秘書のメイ・レイスにそれぞれ数千ドル
*友人の詩人ノーマン・ロステンに彼の娘のの養育費として数千ドル
*母グラディスとマイケル・チェーホフの未亡人の終身介護のための基金として10万ドルずつ
*残りの遺産については、25%が精神科医マリアンヌ・クリスへ
*友人同僚などリー・ストラスバーグ達には、
モンローの遺品や不動産・肖像権を含む75%
ただし、手続きに時間がかかったことから、
これらの人々が遺産を実際に受け取ったのは1971年になってから10年近く要したのです。

医師のクリスは指示通り遺産をアンナ・フロイト・センターに寄付したのですが、
友人ストラスバーグは指示を守らず遺産を独占し、
彼の死後に遺産を相続した妻のアンナが遺産管理会社「マリリン・モンローLLC」を設立し、
パブリシテイ権収入や遺品・不動産の売却で荒稼ぎし、
パブリシティ権だけで2008年までに約3000万ドル(約30億円)の利益を得たと言われています。
(参照「en:Death of Marilyn Monroe」、Wikipedia )

■2■. アインシュタインのLast will
(ドイツは、“遺産取得者課税方式”)

(写真:Wikipediaより)

アルバート・アインシュタインは20世紀の物理学者であり
平和主義者としても知られています。
アインシュタインはどのようなことを遺言していたのでしょうか・・。

アインシュタインの遺言書
眠ったまま息を引き取ったと言われるアインシュタインですが、
財産の処分方法と葬儀に関する遺言書を残しています。
生前には、原稿・著作権・版権・印税・印税協定や
あらゆる文芸上の財産や権利については信託を設定していました。

アインシュタインは2回結婚をし、
2回目の最愛の妻が亡くなった後本人が亡くなるまでの20年間は
秘書ヘレス・デユカスに献身的に世話をしてもらっていたようです。
そして遺書には、

*バイオリン以外の衣類、身の回りの品はすべて秘書ヘレス・デユカスに譲る、
*信託の収益は、秘書ヘレス・デユカスと彼女の死後は、
亡くなった妻の連れ子に支払う…としています。
*両者ともなくなった後は、その遺産はイスラエルのヘブライ大学に贈り、
当大学は大学にとって最善と思われる形で、
その遺産を保持または処分してもよい…としています。

お気に入りのバイオリンは弾いてもらうために孫に贈っています。
そしてその他の相続人たちには、いくらかの金銭を遺贈したに過ぎませんでした。
アインシュタインの葬儀は12名ほどでしめやかに行われ、
遺灰はデラウエア川に流され遺言通り墓石は残さなかったのです。
ただ、脳は先に摘出されたとの記録が残っていますが、
誰がこの標本を相続したかは不明です。

アインシュタイの遺言では、遺産の残余部分は義理の娘マーゴットに、
と記されているので、もしかしたら、
“天才の脳” はマーゴットのもとで保存(生き続けている⁈)されているかもしれませんね。

■3■. 相続対策 のひとつとしての”信託“
マリリン・モンローの国籍である米国の他に、
シンガポール・香港・英国などの国々(※1)では
被相続人が納税義務者となる ≪遺産税方式≫(※1)のため、
遺産整理の前のプロベートという裁判手続きを行わなくてはならなくなります。
(※1)現在、シンガポールと香港は相続税はないため、納税義務は発生しません。
ただし、プロベ―トだけはございます。プロベ―ト対策としての信託は有用でございます。

このプロベ―ト手続きがはじまると、連邦税務局や州税務局が、
納付された税金を最終的に判定して承認し、
「終結」または「これ以上の課税なし」という証明が遺言執行者に発行されたあと、
クレーム期間が終了するまで財産は凍結されて分割は行えないことになります。

このような国に財産をもっている方が、相続対策のひとつの手法として、
よく行われているのがアインシュタインが設定した信託の方法になります。

たとえば、アインシュタインが生まれたドイツや、
日本では相続財産がそのまま個別に相続できるので、
財産の分割にはそれほど労力はかかりません。
(ドイツ大使館/ https://japan.diplo.de/ja-ja/service/-/2097590)

遺言書のもとで作られる信託は、
信託法で定められた規程に従い、
指定された管財人に管理されるので、
信託に入れた財産から生じる収益全体を、
遺言書で相続人を指定して分配することができます。

ほかにもメリットは多くありますが、
逆に国よって課税関係が異なるデメリットもあります。
日本は原則的にH19年度改正で”受益者課税”になりました。
受託者課税の国や、信託そのものに課税する国もあり少し複雑です。

~人は亡くなるとEstateに変化する?~
さて、Last Will(遺言書)では、
依頼者のすべての財産を遺言することはできないのかもしれません。
たとえば、ウオルト・デイズニーは遺言書の中で埋葬方法の条項を分けていましたが、
自分の埋葬場所を選ばなかったことから、
本人の希望どおり冷凍保存されているのではないかとの憶測があります。
ウオルト・デイズニーは、こんな風にして、
いつまでも彼が作り出した数えきれないキャラクターとともに
人々に無形の夢を遺産として残してくれているようですね。

日本の事が大好きだったアインシュタインは1922年11月に日本に1.5か月間訪問をし、
12月17日には長男のハンスに次のような手紙を遺しています。
「日本人のことをお父さんは、今まで知り合ったどの民族より気に入っています。
思いやりと責任感があり(略)・・」と。
こんな風に、アインシュタインが残してくれた一言は、
多くの日本人への励ましとして遺され、
評価のできない遺言書になっているように思えますね。

★★
暑い夜は、ビール飲みながら、
衛星放送(※)で、ハリウッド映画をみるのはいかがでしょうか?
こんな日の夜はよい夢をみれそうです^^

(※)アインシュタインの相対性理論は、私たちの生活の中で
GPSや位置情報をおくる測位衛星、電波時計などに役立っています!

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