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セブンセンスグループの入力工程の秘密 ~クラウドワーカー編~ ペーパーレス事務所の “舞台裏” 第4回
2023.10.13
ペーパーレス

セブンセンスグループの入力工程の秘密 ~クラウドワーカー編~ ペーパーレス事務所の “舞台裏” 第4回

セブンセンスグループの入力工程の秘密 ~クラウドワーカー編~ ペーパーレス事務所の “舞台裏” 第4回

皆さん、こんにちは! 紙無 和也です!
皆さんの事務所は電子帳簿保存法に関連して、顧問先への情報提供などは行っていますか?

義務化された電子取引データの電子保存に関しては、対応できない「相当の理由」がある場合は猶予が認められるとは言え、各企業の対応が徐々に進んできていますよね。
電子インボイスの導入も直近に控えていますから、今後は電子的な資料回収に関しても、対応を進めていかなければならなそうです。
会計事務所でもこれまで以上に「業務のペーパーレス化」を進める事務所が増えていきそうですね。

さて、今回のレポートのテーマですが「入力工程」をお伝えしていきます。
セブンセンスの入力工程は

  • クラウドワーカー入力
  • STREAMED
  • 現預金のExcel入力
  • 社内入力

という、大きく4つの入力プロセスが存在します。

今回は、その中でも「クラウドワーカー入力」について詳細をレポートしていきます!

1. クラウドワーカー入力とは?

現在セブンセンスでは、10名前後のクラウドワーカーさんに記帳を依頼しています。
クラウドワーカーさんは、クラウドソーシングサービスを介して契約をしています。

基本的には一切出勤をすることなく、業務請負の形で依頼をし、成果に応じて報酬をお支払いしています。
時期によって人数は変わりますが、常時このようなクラウドワーカーさんへ業務を依頼できる体制を作っています。

クラウドワーカーさんとのコミュニケーションはチャットが中心です。
セブンセンスではChatworkを使用して、業務の依頼・完了報告などを行っています。

業務環境ですが、Windowsのリモートデスクトップサービスを使用した環境で、業務を行ってもらっています。
クラウドワーカーさんのPC自体には、お客様の情報が一切残らないようになっているので、情報漏洩などのセキュリティ面からも安心して業務をしていただける環境となっています。
(もちろん、クラウドワーカーさん自身の本人確認や秘密保持契約、データ漏洩を自動チェックする仕組みなども組み合わせて厳重なセキュリティ対策を行っています。)

クラウドワーカーさんはリモートデスクトップサーバーにアクセスして業務を行うので、アクセスを行うPCには一切データは残りません

2. クラウドワーカー入力の流れ

それでは、実際にどのように業務を行っているのかを見てみましょう。
前回のレポートでご紹介した、資料振分の工程が終わると、進捗管理表上では「入力振分」という状態になります。
セブンセンスでは、現在の職員の業務の状況や入力のレベル感などを考慮して、マネージャーが入力を行う担当者を決定します。

マネージャーが当該入力を行う担当者にクラウドワーカーさんを選ぶ場合、kintoneで作成された「クラウドソーシング委託業務管理」という管理アプリにレコードを登録します。
このレコード登録を行うと、クラウドワーカーさんとのやり取りを行う専任のマネージャーが、適任のクラウドワーカーさんをアサインします。
また、この時点で、入力に必要な資料の電子データを、当該入力を行うクラウドワーカーさん専用のフォルダにコピーします。

どの顧問先の入力を、どのクラウドワーカーさんに依頼したかを管理しています

クラウドワーカーさんは、チャットで業務の依頼があったことを確認すると、リモートデスクトップサーバーにアクセスして業務を開始します。
クラウドワーカーさんは、前述したご自身の専用フォルダにしかアクセスすることができませんので、他のお客様の情報を閲覧したり、入力に必要が無い資料などを参照することはできません。

入力作業に関しては、チェックリストシステムのアニーの中にすべての手順が入っているため、基本的にはアニーを参照しながら作業することで、誰が入力しても同じ入力結果となるようになっています。
入力作業は税務判断を一切求めない内容となっていて、税務判断はあくまで社内で行っています。

なお、クラウドワーカーさんが入力した内容は、税務監査の前に入力チェックの工程を通ります。
入力チェックでは、財務維新でのチェックや、試算表や現金関連資料の目視チェックなど、所定の項目に対してのチェックを行います。

3. クラウドワーカー入力の課題と今後の取り組み

一般の職員による入力とは異なり、顔の見えないクラウドワーカーさんへのアウトソーシング。
現在はどのような点に課題を抱えているのでしょうか?
入力振分を担当されているBPO課の村上マネージャーにお話を伺いました。


ワーカーさんによっては依頼した業務を放棄してしまう方などもいるそうで、スキルやパーソナリティーなどを考慮した確認の方法を確立していきたいとのこと。


現在の体制を維持するには、一定数のクラウドワーカーさんと常時契約をしている必要があり、そのためにはクラウドワーカーさんにとっても働きやすい体制づくりをしていかなければならないそうです。
人財確保が難しくなってきている現在、場所を選ばずに業務を行っていただけるクラウドワーカーさんは、セブンセンスの貴重な戦力となっています。