Column/コラム

消費税の正解は非課税なしの単一税率

消費税の正解は非課税なしの単一税率

消費税の正解は非課税なしの単一税率

おはようございます!
税理士の松嶋と申します。

本メルマガは、皆様が怖い怖い
とおっしゃる税務調査に対し、
勇気をもって戦えるノウハウを
解説しております。

私のパートは【毎週木曜日】です。

税務調査について分かりやすく
解説していきます。

それでは、第四百五回目。

テーマは、

「消費税の正解は非課税なしの単一税率」です。

近年、海外のネット事業者に対する
課税方式の改正や軽減税率制度や
インボイス制度の創設、
そして消費税の金還付スキームを
否認する改正など、消費税法の大改正が
毎年のように行われています。

このような大きな改正が行われるのは、
現状の日本の消費税制が欠陥だらけだからです。

消費税の導入の際、付加価値税を
初めて日本に導入することになるため、
納税者の不満を押さえるように、
本来の消費税の考え方からは矛盾する制度を
いろいろと入れてしまったことに対する
ツケが顕在化していると言えます。

特に矛盾した制度と言われるのは、
消費税の非課税という制度です。

これは、
住宅の家賃や社会保険診療などについて、
消費税を課税しないという制度です。
これらは生活必需品ですから、
消費税を課税すると国民の負担が
大きくなってしまうことを踏まえて
課税しないとしたのですが、
反面不動産投資家や病院には大きな負担を
生じさせることになります。

というのも、
非課税の収入に対応する経費については、
消費税の控除が原則として
認められないことになるからです。

医師会などが毎年、
税制改正要望であげていますが、
社会保険診療が非課税のため、
医療に必要な高額な機器を購入しても、
その機器に対する消費税については
自腹を切る必要があり、
病院の経営を圧迫していると言われます。

実質的に消費税を負担する一般消費者からすれば
非課税はありがたいですが、
実際の納税義務者である事業者については
このような致命的な問題を生じますので、
医師会などが主張するように、
本来これは廃止すべきということになるでしょう。

この非課税にも関連することですが、
現状の日本の消費税の問題として、
軽減税率があります。

軽減税率の問題は、
周知の通り、線引きが難しいことです。

同じ調味料なのに、
みりんだけは軽減税率にならないと言われても
全く意味が分かりませんが、
この線引きの問題は実は非課税も同様です。

例えば、社会福祉法人が行うような、
一定の介護サービスは消費税の非課税と
なりますが、税理士や国税職員は
社会福祉法などの専門家ではありませんので、
実務上どこまで非課税になるか、
常に頭を悩ませています。

こういう訳で、
消費税を簡単な制度にするためには、
非課税と軽減税率を廃止する必要が
あると考えています。

これらがなくなれば、
少なくとも消費税法の解釈で
混乱することはありませんので、
税理士がいなくとも申告ができる位に
消費税は簡単になります。

加えて、
現状医師会が主張するような非課税の問題や、
軽減税率がもたらしているイートイン脱税と
いった無意味な問題もなくなりますので、
税の目的である適正公平な課税の実現
という点からも、歓迎することが出来ます。