カーブアウト、スピンアウト、スピンオフ、パーシャルスピンオフ
おはようございます。
金曜日を担当していますセブンセンスグルー
プ(SSG)公認会計士の髙橋です。
金曜担当の私からは、会計、経営、財務、税
務、監査、内部統制関連の基礎・Tips・ニ
ュース等をお伝えします。
161回目の今回はカーブアウト、スピンアウ
ト、スピンオフ、パーシャルスピンオフにつ
いてお伝えします。
M&Aが盛んになってきた昨今、企業のスピン
オフという言葉を良く聞くようになったかと
思います。
また、カーブアウトやスピンアウトという言
葉も聞くことがあります。
では、これらの言葉はどのように異なるので
しょうか。
結論から申し上げますと、スピンアウトもス
ピンオフもカーブアウトの一種となります。
そもそも、カーブアウトとは英語の”carve o
ut(区分けする、分割する)”という言葉が
企業分割・結合の用語となったものであり、
読んで字のごとく、企業がその一部を切り出
すことを意味します。
カーブアウトの中でも、スピンオフとスピン
アウトの違いはどのようなものなのでしょう
か。
スピンオフとは、企業の事業の一部や一部の
子会社を切り離し別会社とする際に、その別
会社と資本関係を維持したまま分離する事を
言います。
スピンオフの有名な例としては、無印良品ブ
ランドで有名な良品計画があります。
もともとスーパーで有名な西友のプライベー
トブランドでしたが、その後に西友の100%子
会社として設立された会社です。
(なお、現在は上場しており、西友の100%子
会社ではありません)
一方で、スピンアウトとは分離する際に当該
別会社との資本関係を継続せずに分離するこ
とを言います。
例えば、社内で独自の技術や専門性、ビジネ
スアイデアを持つ社員が会社を退職し、別会
社を設立して独立するケースや、
企業から不採算事業を分離するためにスピン
アウトによって独立させた後に、第三者に売
却する場合等があります。
スピンオフの事例として上述した良品計画も
現在は資本関係が無いため、長期的に見れば
スピンアウトと呼べるかもしれません。
また、最近はパーシャルスピンオフという言
葉も聞くようになりました。
一般的にスピンオフとスピンアウトは上記で
ご説明したような違いがありますが、やや混
同して使用される場合も多いのが実情です。
2017年税制改正で注目されたスピンオフ税制
や会計上の分割型分割は実態はスピンアウト
ですがスピンオフと呼ばれています。
その流れの中で、パーシャルスピンオフは分
割型分割の際に、新設分割会社の株式を親会
社の株主だけではなく親会社自身も一部保有
する形態の呼称となっており、
実態は親会社との資本関係は継続しているた
め、スピンオフ(またはパーシャルスピンア
ウト?)と呼ばれるべきものと考えられます。