Column/コラム

現物配当の会計処理

現物配当の会計処理

現物配当の会計処理

おはようございます。

金曜日を担当していますセブンセンスグルー
プ(SSG)公認会計士の髙橋です。

金曜担当の私からは、会計、経営、財務、税
務、監査、内部統制関連の基礎・Tips・ニ
ュース等をお伝えします。

144回目の今回は現物配当の会計処理につい
てお伝えします。

現物配当(現物分配とも言います)という用
語はあまり聞きなれていないという方もいら
っしゃるかもしれません。

企業運営等に携わっていたり、会社法等を勉
強したことがある方であれば、

似たような用語で現物出資という用語を知っ
ている方もいらっしゃるでしょう。

会社を設立する際や増資をする際に金銭では
なく物を出資することにより株式を取得する
方法が現物出資となります。

現物配当は現物出資の配当版で、配当を金銭
ではなく物で行うものとなります。

では、現物配当にはどのようなメリットがあ
るのでしょうか。メリットとしては以下のよ
うなものがあります。

①孫会社を子会社にする際に金銭の授受をす
る必要がない

②要件が揃っていれば孫会社を子会社にする
際に資産や負債を簿価で引き継ぐことが出来
る(適格現物配当)

③適格現物配当の場合には源泉徴収も不要で
スムーズに取引が出来る

対して、デメリットとしては株主総会の特別
決議が必要となるなど、その決定には一定の
ハードルが存在します。

現物配当が利用されるケースとしては、メリ
ットで挙げた孫会社を子会社とする場合が多
くなると言えます。

例えば、子会社が100%保有している孫会社の
株式を全て親会社に配当として分配するケー
スです。

通常、配当は金銭の分配により行われますが、
金銭の代わりに孫会社の株式を親会社に譲渡
することにより、

グループ間で金銭の授受を行うことなく、親
会社は孫会社の株式を保有することとなりま
す。

親、子、孫の関係であった3社が、親、子、
子の、親会社と子会社二つの関係へとグルー
プを再編することが出来ます。

このようなケースで現物配当を行った場合に
は以下のような会計処理がなされます。

-親会社の会計上の処理-
旧孫会社株式 XX / 子会社株式 XX

通常の金銭の配当では借方は金銭等の増加、
貸方は受取配当金等となりますが、

現物配当の場合には借方が配当として受け取
った現物(上記のケースでは旧孫会社の株
式)となり、

貸方は親会社が元々保有していた子会社株式
を減額する処理となります。

金銭の配当の場合に貸方を受取配当金とする
のは投資の成果として金銭を受け取ったため
となりますが、

孫会社の子会社化のような場合には投資の成
果ではないため、親会社の子会社への投資の
払い戻しと同様の性格と考え、親会社株式の
減額という処理になるのです。

なお、上記の会計処理はあくまで会計上の処
理となるため、税務上の処理とは異なる点に
留意が必要です。