Column/コラム

大企業が続々と資本金1億円以下にする理由!?

大企業が続々と資本金1億円以下にする理由!?

大企業が続々と資本金1億円以下にする理由!?

おはようございます!
セブンセンスグループ(SSG)の徐です。 

資本金1億円以下であれば、中小企業として
税制上のメリットがたくさんあります。

例えば・・・

①法人税率の軽減税率が適用になる
②交際費が経費(損金)になる
③欠損金の繰越控除制限がなくなる
④欠損金の繰戻し還付が適用可能になる
⑤均等割りが減額される
⑥外形標準課税が適用されなくなる
などなど…。

例えば⑥外形標準課税は「たとえ赤字で
あっても大法人には広く税負担を求める」
という趣旨のものです。

が、趣旨に反していたとしても、法律に
違反していなければ課税はできません。

資本金1億円以下にすれば外形標準課税は
適用されないのですから、企業がそのよう
な選択をすることは止められません。

これは適用基準を資本金1億円と定めた
当初から想定されていた適用回避策です。

法律違反の恐れは皆無。
怖いのは世間の目だけ…。

だから、資本金の額を決める時に、普通
の会社であれば当然にこの1億円という
ハードル意識します。当たり前です。

思い起こせば7年前、当時経営再建中だった
シャープが、税制上の優遇措置を狙って
1億円への減資を実施しようとしました。

ところが、ふざけるな~!という官民から
の批判が殺到し、結局は大企業とみなされる
資本金5億円ギリギリへの減資にとどめた、
といった事件がありました。

https://www.sankei.com/article/20150513-LT73G75UIJPHZA4HYUQ37PNNYU/

が、その後にコロナ禍が始まったころ、
世の大企業は続々と中小企業化しました。

スカイマークが資本金90億円を1億円へ。
毎日新聞は41億5000万円から1億円に減資。
JTBは23億400万円から1億円に減資。

スカイマーク:
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO66395170Y0A111C2916M00/
毎日新聞:
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODZ198YH0Z10C21A1000000/
JTB:
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODZ230T70T20C21A2000000/

シャープはメチャメチャ怒られたけど、
コロナ禍ならオールOK!

もはやコロナを理由にすれば大企業が
中小企業になることは誰も怒りません。

毎日新聞、スカイマーク、JTB、吉本興業、
カッパクリエイト、チムニー、などなど、
ここ数年(最近)は大企業が続々と中小企業
への転身を図りました…。

さて、ハウステンボス売却で話題のHISが
遅ればせながら減資合戦へ参入。
資本金247億円を1億円へと減少させます。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC290TJ0Z20C22A8000000/

さてこの狙いは…? 
欠損金の活用です。

HISは2020年及び2021年10月期の2期累計で
750億円の赤字。単体繰越欠損金は280億円で
2022年度も赤字が見込まれています。

ハウステンボスの売却額は1000億円で、HIS
はこの内646億円を特別利益に計上予定です。

大企業だと税負担が重いから中小企業へ…

例えば、利益100億円で繰越欠損金が100億円
という会社があったとします。

中小企業なら利益と繰越欠損金を全て相殺して
税金ゼロになりますが、大企業の場合は半分の
50億円しか相殺できません。

だったら資本金を1億円以下にすればいいのさ!
繰越欠損金は100%使えるし事業税も払わない!

シャープは怒られたけどHISは誰も怒らない。

大企業と中小企業との違いを資本金の多寡だけ
で判断できるわけがありません。

ん?世間の批判??
コロナ禍で苦しいのはみな一緒でしょう!
え?もうコロナもそろそろ終わり?

そんなん知ったこっちゃないよ!
こっちはシリに火がついてんだ~!!

世の大企業が皆ケツまくって減資したら日本
の財政はどうなってしまうのでしょうね…。

給付金・補助金・助成金と今でもコロナ対策
として財政出動(バラマキ)が続いています。

そこへ物価高やら円安やら株安やら…

さて、ニホンの未来はどうなっているやら…。

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税務・労務・法務はもちろん、相続や贈与、
遺言に関するプロが多数在籍しています。

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