Column/コラム

時価算定基準 その1 ~インプットのレベル~

時価算定基準 その1 ~インプットのレベル~

時価算定基準 その1 ~インプットのレベル~

おはようございます。

金曜日を担当していますセブンセンスグルー
プ(SSG)公認会計士の髙橋です。

金曜担当の私からは、会計・財務、税務、監
査、内部統制関連の基礎・Tips等をお伝えし
ます。

109回目の今回は、2021年4月1日以降に始ま
る事業年度において適用される時価の算定に
関する会計基準についてお伝えします。

2021年4月1日以降に始まる事業年度から適用
されるため、2022年3月末に期末となる企業
のほとんどが当てはまることとなります。

もちろん、この会計基準は上場会社や、会社
法監査が必要な大会社に適用される会計基準
となります。

では、この時価の算定に関する会計基準(以
下、「時価算定基準」とします)とはどのよ
うな基準なのでしょうか。

この基準による影響について、簡潔に要点の
みを挙げますと、以下の事項となります。

①時価にレベル1からレベル3までの概念が
導入され、どのレベルの時価を使用したのか
を開示することが必要となった

②その他有価証券の期末前1か月平均価格を
時価として使用できなくなった

③「時価を把握することが極めて困難」とい
う概念が想定されなくなった

以下、上記の点について簡単に解説します。

そもそも、日本の金融商品会計基準等におい
て、時価(公正な評価額)の算定が求められ
ていますが、

これまで算定方法に関する詳細なガイダンス
は定められていませんでした。

そのため、主に金融商品の時価に関するガイ
ダンスの国際的な会計基準との整合性を図る
ことを目的として、時価算定基準が作成され
ました。

すなわち、金融商品を時価評価する際や、注
記として時価を注記する場合の時価の算定方
法についてのガイダンスとなります。

では、上述の①から見ていきましょう。

①時価にレベル1からレベル3までの概念が
導入され、どのレベルの時価を使用したのか
を開示することが必要となった

こちら、今までは有価証券を取引所の市場価
格を使用して時価評価したり、

注記における借入金の時価として、将来キャ
ッシュフローの割引現在価値を時価とするな
ど、

各種の時価の算定方法が存在してきました。

当該時価については、金融商品の時価等の注
記において、どのように算定したかを記載は
していましたが、

今回の時価算定基準のようなレベルについて
の言及はこれまでありませんでした。

それが、今回の時価算定基準においては、

レベル1:時価の算定日において、企業が入手
出来る活発な市場における同一の資産または
負債に関する相場価格であり、調整されてい
ないもの

レベル2:資産または負債について、直接ま
たは間接的に観察可能なインプットのうち、
レベル1以外のもの

レベル3:資産または負債について観察でき
ないもの

という時価の算定に使用した数値(インプッ
ト)にレベル分けがなされました。

上記のレベルについて、具体的な例をあげる
と以下のようなものとなります。

レベル1:上場会社の株価をそのまま(調整せ
ずに)使用して算定

レベル2:上場会社の株価を調整して使用して
算定

レベル3:一般的には観察できない、企業の
予算等の将来CFから現在価値を割引計算して
算定

このように、企業が時価を算定して評価等を
行った際に、どのようにして算定されたのか
の比較を簡単に行うにする

というのが時価算定基準の趣旨の一つとなっ
ています。

次回、②以降についてお伝えします。