Column/コラム

『海外の相続税』

『海外の相続税』

『海外の相続税』

Topic『海外の相続税』

前回、国際相続で特に問題になるのは、世界各国の私法が違うために遺産の承継に時間がかかることをお伝えしました。
今回は日本と海外の分割手続きの違いのうち、最も違う「プロベート」についてその特徴や課題点について簡単にご案内いたします。
プロベートは裁判手続きですので税務ではなく法務的な視点になりますが、遺産を承継するにあたっては重要な点になります。

プロベ―トがある国の例

さて、皆様はどちらの国に財産をお持ちでしょうか?
日本やドイツ、フランスなど大陸式の国にはプロベートはほとんど存在しませんが、米国や英国などの英米式の国には、比較的多い相続手続きです。
下表はそれがある国々です。

プロベ―トがある国の例

プロベートとはいったいどんなことでしょうか

プロベート手続きとは、日本のように相続人間で遺産分割協議を行い、分配することをせずに、まず裁判所で相続財産を確定し財産債務、遺産税納税までを精算し残った財産を相続人に配分する手続になります。

★この際、各国での相続人は遺言書通りですので、日本の法定相続人とは異なるカウントをします。
見るとびっくりするくらいたくさんの相続人が現れたりします。

①まず遺産を一度財団に入れます。
②その後裁判所が「人格代表者」を任命します。
③その人格代表者が遺言書の有効性をチェックし、相続人を確定します。
④そして遺産から債務を精算し、納税手続きを行うなどの遺産管理を行い、最終的に遺産を相続人に分配します。
※ご参考のために下図をご参照ください。

こうして、裁判所の許可と税務申告終了確認通知書や移転証明書を受領した後に、ようやく亡くなった方の遺産の分配が可能となります。
プロベート手続きが終わる前に公告があり、その「クレーム期間」が過ぎ閉鎖時期(4か月~)が終了するまで時間はかかり長い時になり、10年以上かかることも稀にあります。
かのマリリンモンローやマイケルジャクソンも10年以上かかって、財産が分配の段階に入りました。
このプロベート手続きは(管理清算主義)と言われています。

【プロベート手続きの流れ】

プロベート手続きの流れ

日本にはない相続手続きであるため、海外に財産がある場合は、この制度を知らなかったために思わぬ困難に遭遇することがあります。

日本の相続手続き

日本の相続手続きは、亡くなった方の財産・債務はすべて相続人の共有財産となり、裁判所が入らず当事者の間で分割する手続きです。
相続税も、各相続人が申告納付します。
日本の相続手続きの流れは次のようになります。
これは包括承継主義と言われています。

【プロベート手続きがない場合の流れ】

プロベート手続きがない場合の流れ

プロベートの課題点

プロベート手続きはいくつもの段階を経る必要があり、プロベート手続きが始まったあとで「遺産分割ができない」などの事態にならないように、理解を深めるおく必要がありそうですね。
代表的には次のような課題が挙げられます。
* 相続財産の利用が処分が制限されます。
* 時間がかかります。
* 専門家や裁判費用などかかります。
* プライバシーが確保できません(広告が行われるため)。
* プロベ―トは地域ごとに州ごとに行われます。
* 物納ができません。

国際相続を短期間でうまく運ぶには、その国の法務的手続きを事前におさえておく必要があります。

最後までお読みくださってありがとうございました!

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