確実な印紙税の判定方法
おはようございます!
税理士の松嶋と申します。
本メルマガは、皆様が怖い怖い
とおっしゃる税務調査に対し、
勇気をもって戦えるノウハウを
解説しております。
私のパートは【毎週木曜日】です。
税務調査について分かりやすく
解説していきます。
それでは、第四百二十回目。
テーマは、
「確実な印紙税の判定方法」
です。
印紙税は税理士法上、税理士の担当税目でないこと
もあり、多くの税理士が苦手としています。
私自身国税OBとして印紙税の担当に従事したこと
もあり、税理士から印紙税が課税されるのか、課税
されるとしていくらの印紙を貼るべきなのか、とい
った相談を多数受けています。
しかし、私などの国税OBに相談するまでもなく、
無料で確実に印紙税の判断ができる方法があります。
それは、税務署に印紙税の過誤納確認申請を行う、
というやり方です。
過誤納確認申請とは、簡単に言えば印紙税の還付の
申請です。印紙税は契約書などを作成した場合に課
税されますので、作成前であれば印紙を貼る必要は
ありません。
ここでいう作成とは契約書で言えば甲乙の両者がハ
ンコを押して、契約書について合意した場合を意味
します。
このため、例えば甲が契約書のひな形を作成し、乙
にハンコをもらう前に印紙を貼ったものの、契約書
の内容に間違いがあるため書き直した、といったケ
ースは、乙の印鑑をもらっていないため、印紙税は
課税されず、申請すれば印紙税が還付されます。
その他に、印紙税が還付されるケースとしては、2
00円の印紙を貼ればいいのに1万円の印紙を誤っ
て貼ったり、印紙税が課税されない建物賃貸借契約
書に印紙を貼ってしまったりした場合が挙げられま
す。
このため、印紙税の取扱いがわからない書類につい
ては、ちょっと多めの印紙を貼って印紙税の過誤納
確認申請を行えば、税務署が印紙税の取扱いを調べ、
課税されないものは印紙税が還付されます。
つまり、余計なコストがかからず、税務署に印紙税
の取扱いを調べてもらえるのです。
ところで、印紙税の税務調査では、一見すると印紙
税がかかりそうにない書類について、印紙税の対象
に当たるとして、多額の印紙税が課税されることが
あります。
この理由は、印紙税の対象になる契約書は、「顧客と
の意思の合致」を証する書類とされているからです。
一例として、修理業者が顧客に発行していた修理伝
票について、請負契約書として多額の印紙税が課税
された事例もあります。
伝票なので契約書ではなく、印紙税が課税されるな
どあり得ない、といった理解だったと思いますが、
このようなことがあり得るのです。
このような事態を防ぐ上でも、上記の過誤納確認申
請は使えます。すなわち、印紙税が課税される恐れ
がある書類について、過誤納確認申請を行うと、課
税されるか否か、税務署のお墨付きももらえて好都
合なのです。
なお、どのような書類を対象にすべきかですが、
「顧客との意思の合致」が問題になる以上、
少なくとも顧客に交付する書類になります。
このため、顧客に交付する書類のうち、日々の業務
で大量に作成するものは、実際に交付する前に過誤
納確認申請を受けておくと、都合がいいでしょう。