2023年6月 会計不正に関する報告
おはようございます。
金曜日を担当していますセブンセンスグルー
プ(SSG)公認会計士の髙橋です。
金曜担当の私からは、会計、経営、財務、税
務、監査、内部統制関連の基礎・Tips・ニ
ュース等をお伝えします。
169回目の今回は、上場会社における会計不
正に関する報告についてお伝えします。
本日で6月も終わりとなりますが、6月は3月
決算が多い日本の上場会社の株主総会シーズ
ンとなります。
今年の6月においては、会計不正に関する報
告が非常に多くなされている状況です。
例えば、
https://www.yashima-co.co.jp/ja/news/irnews/auto_20230607598976/pdfFile.pdf
https://ssl4.eir-parts.net/doc/9263/tdnet/2294498/00.pdf
https://ssl4.eir-parts.net/doc/1976/tdnet/2296904/00.pdf
https://ray.co.jp/_file/ja/article/826/pdf/2/
などなど。
ザっと調べただけでも10社以上出てきました。
一つずつご紹介する紙幅もないため、最後の
事例について簡単にお伝えすると、
・某会社の中国子会社の総経理(日本の会社
における社長にあたるポスト)が会社の資金
を私的に使用した可能性があり、銀行口座の
残高に不一致が生じた
・調査は進行中で、調査委員会はヒアリング
や文書分析を行って事実と原因を特定し、予
防策を提案している
・総経理は自身の持ち株比率である49%の会
社の資産を自分が自由に使えると主張してい
る
というものです。
このような事態は、企業にとって大きな問題
となります。
特に、海外子会社の管理は難しく、不適切
な資金の使用が発生しやすい環境にあります。
また、オーナー企業ならまだしも、上場企業
の子会社の社長が持ち株比率に応じた資産を
自由に使えると主張する事自体が
当該海外子会社におけるの企業統治、内部統
制が機能していないことを如実に表していま
す。
このような不正や管理体制の不備は、例えば
以下のような予防策を行うことにより防止す
ることが望ましいと言えます。
1.定期的な内部監査や適切な内部統制の設置
:海外子会社の財務状況や管理状況を定期的
にチェックし、不正行為を未然に防止、また
は発生しない状況を整備する
2. 教育とトレーニング:従業員に企業の倫
理規定と法令遵守の重要性を理解させ、不正
行為を防ぐ
また、企業の内部統制ではありませんが、外
部監査人が定期的に訪問し、状況を定期的に
確認することも有用な方法となります。
昨今、海外子会社での不正に関する報道・報
告は非常に多くなってきています。
地理的にも距離があり、目の届かない海外子
会社を以下に適切に管理するかは、
海外子会社を保有する企業にとって非常に重
要な課題となっています。