2022年6月の日銀短観
おはようございます。
金曜日を担当していますセブンセンスグルー
プ(SSG)公認会計士の髙橋です。
金曜担当の私からは、会計・財務、税務、監
査、内部統制関連の基礎・Tips等をお伝えし
ます。
123回目の今回は先週発表された2022年6月の
日銀短観についてお伝えします。
<大企業製造業の景況感、2期連続悪化 6月日銀短観>
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB309NF0Q2A630C2000000/
2022年7月1日 日経電子版
要約すると・・・、
・日銀が1日発表した6月の短観で、大企業製
造業の業況判断指数は前回から5ポイント悪
化のプラス9となり、2四半期連続で悪化
・原材料コストの高止まりと中国のロックダ
ウン(都市封鎖)による供給制約の強まりが
景況感を押し下げた
・大企業非製造業は新型コロナウイルスの感
染状況の落ち着きを背景に、2期ぶりに改善
しプラス13となった
というもの。
おさらいになりますが、日銀短観は以下のよ
うなものです。
①日銀が全国の企業約1万社を対象として、3
か月ごとに実施しているアンケート調査
②調査項目は、
(1)「企業が自社の業況や経済環境の現
状・先行きについてどうみているか」などの
項目(判断項目)
(2)「売上高や収益、設備投資額といった
事業計画の実績・予測値など」(年度計画)、
(3)物価見通し
(4)新卒者採用状況等々
③ ②(1)の「自社の業況」についての回答
から作る「業況判断DI」((注)DI=diffusi
on index)が最も注目されている
④「業況判断DI」は「自社の業況」につき
『良い』から『悪い』と答えた企業の構成比
(%)を引き算した数値
⑤景気が良いとプラス方向に、景気が悪くな
るとマイナス方向に振れる。
⑥このため、業況判断DIを3か月ごとにつな
いでグラフ化すると、景気の波が読み取れる。
短観は3カ月に1度、日銀が全国の約1万社に
景況感や収益見通し、設備投資計画などを聞
き取る調査で、
対象が幅広く速報性も高いことから、景気の
現状や先行きを読む材料として注目されてい
るものです。
前回2022年4月1日発表の短観時点では、ロシ
アによるウクライナ進行後、初の日銀短観と
いうこともあり、
地政学リスクの高まりや資源価格の高騰で企
業マインドが急速に冷えこみ、
大企業・製造業の景況感を示す業況判断指数
が7四半期ぶりに悪化していました。
今回も、前回に引き続き低下し、二期連続の
悪化となっています。
今回の短観の特徴としては、製造業は概ねマ
イナスで、非製造業がプラスという点にあり
ます。
エネルギーを中心とした資源高と円安の進行
による原材料コストの増加が、製造業の収益
を悪化させている一方、
非製造業では、3月下旬にまん防が解除され
たことで、対個人サービスや宿泊・飲食サー
ビスが改善したことがわかります。
今後の先行きは大企業では横這いですが、企
業の事業計画の前提となる2022年度の想定為
替レートは
全規模全産業で1ドル=118円96銭となってお
り、足元の1ドル=135円台との乖離が大きい
点は今後の指標にも影響を及ぼしそうです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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