税務署の回答どおりにしても課税処分される!?
おはようございます!
セブンセンスグループ(SSG)の徐です。
GWのお休み中に劇団四季のライオンキングを
有明まで見に行ってきました。
想像していたより遥かにいいですね~。
また見てもいいなと思える公演でした。
お子様のいる方にはオススメです!(^^)!
ところで、開演前にランチをした店にトイレが
無かったので店員さんに「トイレどこですか?」
と聞いたら「あのカフェの隣です!」と言われ、
探したのですが全く見つからず…。
う~む、なぜだ?
店員にしか見えないトイレがあるのか?
もちろん素直な心は大切です。
素直に人の話を聞きなさい!と幼少時に教わりました。
が、人の言うことを全て鵜呑みにしてはいけません。
そういえば、税務の世界でもこんなコワイ話が…。
税務署の言うことを鵜呑みにしてはいけません…。
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法人Xは医薬品製造販売業を営む会社でした。
Xはインドに所在する外国法人との間で共同研究
開発契約を締結しましたが、この契約対価の支払
に関する源泉所得税の取扱いに悩みます。
「う~む…。源泉徴収の必要がある?ない?」
迷ったXは取引内容を詳細に記した文書を持って
税務署に【文書】と【口頭】で照会しました。
「この支払いは源泉徴収が必要ですか?」
相談を受けた税務署担当者も悩みます。
「う~む…。源泉徴収の必要がある?ない?」
迷った税務署担当者は上級官庁である国税局に
照会文書を送付したところ、
「源泉は不要だよ~♪」
と【口頭】で回答を受けました。
これを受けて税務署担当者は納税者Xに対して
「大丈夫!源泉は不要だよ~♪」
と【口頭】で回答しました。
さて、それから4年後…。
法人Xは税務調査を受けます。
「この対価支払いは源泉徴収が必要だね!」
「前に相談した税務署の回答は間違いだね!」
税務調査官はあっけらかんと過去の間違いを
認めた上で、ソレとコレとは関係なし!
と強行に課税処分(納税告知処分)。
納税者Xは当然に怒り争います。
そして舞台は国税不服審判所へ…。
Xは主張します。
「ちゃんと【文書】と【口頭】で確認したぞ!」
「税務署からも源泉なしでOKと【口頭】だが
回答を受けたぞ!その事実も認めてるはず!」
「ひっくり返すのは信義則違反じゃないか!」
信義則の法理の適用については、
「税務官庁が納税者に対し【信頼の対象となる
公的見解を表示】し…その表示を信頼し、
その信頼に基づいて行動した…」
場合は考慮すべきとの最高裁判決があります。
(最高裁昭和62年10月30日第三小法廷判決)
さて、採決は…。
「税務相談は、…相談者の納税申告及び納付
の際の参考のために、行政サービスとして、
税務署の一応の判断を示すものであって、
仮にその相談が課税に関わる個別具体的な
ものであったとしても、…その申告及び納付
内容を是認することまでを意味するものでは
なく、…税務相談における助言は、それが
税務署長等の権限のある者の公式の見解の
表明と受け取られるような特段の事情のない
限り、【信頼の基礎となる公的見解の表示】
には当たらない…。」
(国税不服審判所2021年2月16日裁決)
簡単に言うと、
●税務相談は単なる行政サービス
●税務署回答はそれが税務署長等の公印付きの
回答書でない限りは公的見解の表示ではない
●だから課税処分は適法
(週刊税務通信No.3696 2022.3.21より)
税務署を信じたアナタが悪いのよ。
なんだか演歌の歌詞のようです。
トホホ…。
ま、皆さんも気を付けましょう~