【人材育成に活用】指定講座が拡大!3つの「教育訓練給付金」

おはようございます。
セブンセンス社会保険労務士法人の那須です。
スギ花粉の飛散が本格化し、花粉症の方には少し辛い季節となってまいりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
私からは、労務に関する最新情報やお役立ち情報、事業主の皆様に注意していただきたいことなどをお届けします。
今回は、新たに指定講座が増加した「教育訓練給付金」について、その傾向と、企業の人材育成に役立つ3つの給付金(一般教育訓練・特定一般教育訓練・専門実践教育訓練)の概要や目的の違い、実務上の注意点をさらに詳しく解説します。
■ 新たに指定された講座の傾向
先日、厚生労働省より新たに指定される教育訓練給付金の対象講座が公表されました。
特定一般教育訓練では、介護支援専門員実務研修や大型自動車第一種免許などの資格取得を目標とする課程が多数追加されています。
一方で専門実践教育訓練では、データサイエンティストなどの第四次産業革命スキル習得講座が多数新規指定されました。
IT・デジタル分野の高度なスキル習得やリスキリングを国が強く後押ししている傾向が伺えます。
なお、対象となる指定講座の一覧や詳細については、厚生労働省ホームページよりご確認いただけます。
■ 3つの給付金の違いと詳細
従業員のスキルアップを支援する制度ですが、それぞれの「目的」と「給付内容」に以下のような明確な違いがあります。
● 一般教育訓練給付金
労働者の「主体的なスキルアップ」を幅広く支援する制度です。
・給付割合:受講費用の20%(上限10万円)を支給します。
・対象講座例:簿記検定、TOEIC、宅地建物取引士、Webクリエイターなど、身近な資格取得を目指す講座。
● 特定一般教育訓練給付金
労働者の「速やかな再就職」や「早期のキャリア形成」を支援することを目的とした制度です。
・給付割合:受講費用の40%(上限20万円)を支給します。
・追加支給:訓練修了後に資格取得等し、修了日の翌日から1年以内に雇用保険の被保険者として雇用された場合などには、費用の10%(上限5万円)が追加支給されます。
・対象講座例:介護職員初任者研修、大型自動車第一種免許、ITSSレベル2の情報通信技術関係資格など。
● 専門実践教育訓練給付金
労働者の「中長期的なキャリア形成」を支援するため、より高度で専門的・実践的な教育訓練を対象とした制度です。
・給付割合:受講費用の50%(上限年間40万円)を支給します。
・追加支給:資格取得等をして訓練修了日の翌日から1年以内に雇用された方などには、費用の20%(上限年間16万円)を追加支給します。
・賃金上昇による追加支給:2024年10月1日以降の受講開始で、訓練前後で賃金が5%以上上昇した方には、さらに費用の10%(上限年間8万円)が追加されます。
・対象講座例:看護師や介護福祉士などの養成課程のほか、ITSSレベル3以上の資格取得を目指す第四次産業革命スキル習得講座など。
■ 実務で注意したい「支給申請のタイミング」
給付を活用するうえで、申請のタイミングに違いがある点にご注意ください。
一般教育訓練給付金や特定一般教育訓練給付金は、原則として「教育訓練が修了してから」支給申請を行います。
一方で専門実践教育訓練給付金は、長期間にわたる訓練の費用負担を軽減するため、訓練期間中「6か月ごと」に支給申請を行います。
これにより、教育訓練期間中から段階的に支給を受けられる仕組みとなっています。
手軽なスキルアップを目指すのか、中長期で高度な専門性を養うのか。従業員のキャリアプランに合わせて制度を使い分けることで、企業の生産性向上や優秀な人材の定着に大きく貢献するはずです。
春に向けた人材育成計画の策定や、制度活用に関するご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

