税理士の利権を考慮してくれれば税制はここまで酷くなっていない

おはようございます!
税理士の松嶋と申します。
私のパートは【毎週木曜日】です。
税務調査について分かりやすく解説していきます。
それでは、第五百三十二回目。
テーマは、「税理士の利権を考慮してくれれば税制はここまで酷くなっていない」です。
数年前、とある元首相の長男が日本中の税理士を激怒させた事件があります。
この方は自身のSNSで、給与明細書の記載を義務化させるなど、膨大な手間が生じた定額減税について、税理士の利権のために複雑になっていると主張しました。
定額減税は岸田政権で採用された減税策ですが、内容が複雑で大きな手間がかかり、非常に批判が大きかった制度でもあります。
実際、税理士も定額減税の手間に苦しめられていました。
このため、この元首相の長男の指摘は正に事実無根の指摘であり、所属する党の代表からも「事実に反する指摘」と糾弾されています。
結果、この方はSNSで元の投稿を消すとともに税理士にも謝罪をしていました。
しかし、失言が多く日本の国難を招いた父親のDNAを踏まえても、謝罪して許される問題ではないように考えます。
政治家の失言は今に始まったことではありませんが、その原因のほとんどが現実を正しく認識していないことにあります。
実際、税理士に利権があれば、税制はここまで悪くなっていないはずで、役員給与税制や電子取引のデータ保存の義務化なども撤回されているはずです。
前者の役員給与税制ですが、何故、毎月同じ金額を支給しないと経費として認めない、といった馬鹿げた状況になっているのでしょうか。
役員である以上、きちんと業績を反映させるべきですから、むしろ報酬は毎月一定とすべきではないように考えられます。
おそらく、税務調査で税務当局が簡単に役員報酬を否認しやすいようにするため「毎月一定」としたと思います。
しかし、言うまでもなく、税法とは税務当局だけでなく、納税者も納得できる内容でなければなりません。
後者の電子取引のデータ保存ですが、紙保存をしていれば、何故電子取引のデータをほぼ無条件で電子保存できるのでしょうか。
ほぼ無条件で電子保存できるなら、改ざんしようと思えばできることになりますので、電子データを保存せず、紙だけを保存する以前の取扱いと大差なはずです。
令和3年度改正で誤って電子取引のデータ保存を義務化した、財務省主税局の税法の作成ミスを隠ぺいするために、このような意味不明な条文を作ったとしか思えません。
このような税制の不備についても何とか実務と辻褄を合わせなければなりませんから、税理士は非常に疲弊しています。
元首相の長男が言うような利権があれば、こんな不適切な制度はとっくの昔に廃止されているはずです。
しかし、現在に至るまで残っているということは、政治家は税理士の苦労に、ろくに目を向けていないということを意味します。
話を戻しますが、税制はシンプルであるべき、という意味もあって、この元首相の長男は上記の発言をしたと言い訳したようです。
役員給与税制も電子取引のデータ保存も、まさにシンプルでない複雑な税制であり、かつ定額減税と異なり恒久的な措置で納税者に迷惑をかけ続けています。
早急に廃止となるよう尽力して欲しいものです。
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