2025.07.30
メルマガバックナンバー
賞与の所得税について

おはようございます。
セブンセンス社会保険労務士事務所の中谷です。
私たちからは、労務に関する最新情報やお役立ち情報、事業主の皆様に注意していただきたいことなどをお届けします。
今週のテーマは、多くの従業員の方が「なぜか賞与の所得税が高い」と感じやすい、その賞与の所得税計算方法についてです。
毎月の給与から源泉徴収される所得税と、賞与から源泉徴収される所得税は、実は計算方法が異なります。
- 毎月の給与の場合
毎月の給与所得税は、基本的に以下のステップで計算されます。
非課税通勤手当などを除いた給与から、社会保険料(厚生年金保険料、健康保険料、雇用保険料)を控除します。この金額を「①」とします。
「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出している方は、上記の「①」を基に、国税庁の源泉徴収税額表(月額表)の「甲欄」にある扶養親族等の数に当てはめた税額が適用されます。
提出していない方は、同じく月額表の「乙欄」に当てはめた税額が適用されます。
- 賞与の場合
一方、賞与から源泉徴収される所得税は、原則として以下の方法で計算されます。
賞与の金額から、社会保険料(厚生年金保険料、健康保険料、雇用保険料)を控除します。
上記の金額に、国税庁の源泉徴収税額表にある「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」に当てはめた税率を乗じて計算します。
この「賞与に対する源泉徴収税額の算出率」は、前月の給与から控除した「①」の金額を基に、税率表に当てはめて決定されます。
このように、毎月の給与と賞与では所得税の算出方法が異なります。
さらに、賞与の金額は毎月の給与よりも高額になることが多いため、結果として賞与から差し引かれる所得税も高く感じられることがあるのです。