【事業主必見】今更聞けない会計初心者講座 ~「事業主貸」と「事業主借」ってなに?~
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「会計って難しそう…」そんなイメージを持っていませんか?
個人事業主や小規模な会社を経営していると、会計のルールや手続きがよく分からず、「何から始めればいいの?」と悩むことも多いですよね。帳簿のつけ方や経費の扱い、確定申告の準備など、知らないまま進めると後で大変なことになってしまうことも…。
でも、実は少しずつポイントを押さえていけば、会計はぐっと分かりやすくなります。本コラムでは、初心者がつまずきやすいポイントをやさしく解説し、「知らなかったせいで損をする」ことを防ぐための知識をお届けします。コラムを担当するのは、得意げに、そして易しく会計について教えてくれるおカネコ先生です!

セブンセンスグループのオフィスに住み着く「おカネ」に詳しい「ネコ」。
会計初心者の個人事業主さんや小規模事業者さんの困った方を見るや否や、自慢のスーツに着替えて先生に大変身!
得意げに、そして易しく会計について教えてくれる…かも?
今回のテーマ「事業主貸と事業主借』」
確定申告に向けて帳簿をつけ始めた個人事業主の方から、よく聞かれる質問があります。
それが「“事業主貸”と“事業主借”ってなに?」という素朴な疑問です。
会計ソフトを使って仕訳をしていると、出てくるこの2つの言葉。
「貸した?」「借りた?」という言葉の響きだけで混乱してしまい、
「自分がお金を借りてるの?」「誰かに貸したの?」と不安になる方も少なくありません。
でも安心してください。「事業主貸」や「事業主借」は、
あくまで個人事業主ならではの会計上の表現。会社では使わない、個人事業専用の言葉なんです。
今回は、個人事業の経理をするうえで避けては通れない「事業主貸」「事業主借」の基本について、
初心者の方にもわかりやすく丁寧に解説します!🐾
事業主貸と事業主借は、いわば「自分とのやりとり」
まず大前提として、個人事業主=自分自身が事業主であり経営者です。
法人(会社)では、会社のお金と経営者個人のお金は別々に扱いますが、
個人事業では「自分の事業」と「自分の生活」は切り分けにくい場面も多いですよね。
そこで会計の世界では、「事業と生活は別物として記録しよう」というルールが設けられていて、
そのために「事業主貸」「事業主借」という仕訳が使われます。
「事業主貸」って?
生活費などで事業用の口座からお金を引き出したときに使います。
つまり、事業のお金を“自分へ貸した”扱いにするわけです。
例)7月1日:生活費のために事業用口座から5万円を引き出した仕訳例
借方勘定科目 借方金額 貸方勘定科目 貸方金額 摘要 2025/07/01 事業主貸 50,000円 普通預金 50,000円 生活費
「事業主借」って?
「事業主貸」とは反対に、自分のお金を事業に使ったときに使います。
つまり、事業のためのお金を”自分から借りた”扱いにするわけです。
例)7月1日:プライベートのお財布から3千円の事業用の備品を買った仕訳例
借方勘定科目 借方金額 貸方勘定科目 貸方金額 摘要 2025/07/01 消耗品費 3,000円 事業主借 3,000円 備品購入

はじめは、事業主に「貸した」「借りた」ってわかりにくいけれど、
仕訳を打ってみると、意外とシンプルなことがわかるニャ!
具体例でわかる「こんなときどう仕訳する?」
もう少し具体的な例を用いてみましょう。より理解が深まるはずです!
ケース① 事業主のスマホ代を事業用口座から引き落とし(うち半分はプライベート)
今回は、家事按分で50%は事業経費に、50%はプライベート利用分としているとします。
このとき、プライベート利用分については事業主貸で処理します。
仕訳例
借方勘定科目 | 借方金額 | 貸方勘定科目 | 貸方金額 | 摘要 | |
2025/07/01 | 通信費 | 5,000円 | 普通預金 | 10,000円 | スマホ代 |
事業主貸 | 5,000円 |
ケース② 事業で使う材料をクレジットカード(個人名義)で購入した
プライベートで使用しているクレジットカードで立替購入したケース。
このようなときは「個人が事業のために一時的に費用を立替えた」と考え、事業主借を使います。
仕訳例
借方勘定科目 | 借方金額 | 貸方勘定科目 | 貸方金額 | 摘要 | |
2025/07/01 | 仕入 | 8,000円 | 事業主借 | 8,000円 | ○○商店で購入 |
後日、事業用口座から、立て替えた8,000円を自分の個人口座へ振込むときは…
仕訳例
借方勘定科目 | 借方金額 | 貸方勘定科目 | 貸方金額 | 摘要 | |
2025/07/02 | 事業主借 | 8,000円 | 普通預金 | 8,000円 | 立替精算 |
このように、「事業主貸」「事業主借」は生活と事業の間で登場する勘定科目です。
記帳ミスを防ぐためには、
「どこまでが事業で、どこからが生活なのか」を意識して、仕訳していくことが重要です。
よくある誤解・間違いパターン
「事業主貸」「事業主借」は響きがややこしく、初心者がつまづきやすいポイントでもあります。
誤解① 「誰かにお金を貸した」と勘違い
事業主=自分に対する貸し借りです。他人との金銭の貸し借りではありません。
誤解② 「プライベートの口座から支払っても」経費である以上、仕訳は必要
例えば、プライベートの口座から事業の経費を支払った場合、
事業用の口座に動きがなくても仕訳は必要です。
帳簿上で「誰が払ったか」「何のためか」を記録することが大事です。
誤解③ 「どっちが借?どっちが貸?」が毎回混乱
「お金の動きの方向」をイメージするとわかりやすいです!
事業のお金をプライベートに使った → 事業主貸
プライベートのお金を事業に使った → 事業主借
おカネコ先生のワンポイントアドバイス
「事業主貸」「事業主借」は、個人事業主だけが使う特別な勘定科目です。
「まだ始めたばかりでよくわからない…」という方でも、取引のたびに
「これはプライベート?それとも事業?」と意識しておくことが、「事業主勘定」マスターの第一歩!
そこで、おカネコ先生からのアドバイスは…🐾
✅ 「事業と生活の線引き」をはっきりさせるニャ!
→ そのために「事業主貸」「事業主借」をしっかり使おうニャ!
✅ よくある誤解「借りた」「貸した」の主語は経営者である自分自身ニャ!
→ 他人との取引じゃないニャ!
✅ 会計ソフトの提案に頼る前に、まずは「意味」を理解するニャ!
→ 理解してると、あとでチェックもしやすいニャ!
仕訳の意味をきちんと理解しておくことが、
正確な帳簿作成・スムーズな確定申告・資金管理の第一歩。
これから事業を続けていくうえでも、ぜひ身につけておきたい感覚ですニャ!🐾

困った時は、すぐに税理士に相談するのが一番!
セブンセンスグループは、
いつでも、お客さまの最高のパートナーとして相談に乗ってくれるニャン!