Column/コラム

【事業主必見】今更聞けない会計初心者講座 ~「事業主貸」と「事業主借」ってなに?~
2025.07.08
資金繰り

【事業主必見】今更聞けない会計初心者講座 ~「事業主貸」と「事業主借」ってなに?~

【事業主必見】今更聞けない会計初心者講座 ~「事業主貸」と「事業主借」ってなに?~

「会計って難しそう…」そんなイメージを持っていませんか?
個人事業主や小規模な会社を経営していると、会計のルールや手続きがよく分からず、「何から始めればいいの?」と悩むことも多いですよね。帳簿のつけ方や経費の扱い、確定申告の準備など、知らないまま進めると後で大変なことになってしまうことも…。

でも、実は少しずつポイントを押さえていけば、会計はぐっと分かりやすくなります。本コラムでは、初心者がつまずきやすいポイントをやさしく解説し、「知らなかったせいで損をする」ことを防ぐための知識をお届けします。コラムを担当するのは、得意げに、そして易しく会計について教えてくれるおカネコ先生です!

確定申告に向けて帳簿をつけ始めた個人事業主の方から、よく聞かれる質問があります。
それが「“事業主貸”と“事業主借”ってなに?」という素朴な疑問です。

会計ソフトを使って仕訳をしていると、出てくるこの2つの言葉。
「貸した?」「借りた?」という言葉の響きだけで混乱してしまい、
「自分がお金を借りてるの?」「誰かに貸したの?」と不安になる方も少なくありません。

でも安心してください。「事業主貸」や「事業主借」は、
あくまで個人事業主ならではの会計上の表現。会社では使わない、個人事業専用の言葉なんです。

今回は、個人事業の経理をするうえで避けては通れない「事業主貸」「事業主借」の基本について、
初心者の方にもわかりやすく丁寧に解説します!🐾

まず大前提として、個人事業主=自分自身が事業主であり経営者です。
法人(会社)では、会社のお金と経営者個人のお金は別々に扱いますが、
個人事業では「自分の事業」と「自分の生活」は切り分けにくい場面も多いですよね。
そこで会計の世界では、「事業と生活は別物として記録しよう」というルールが設けられていて、
そのために「事業主貸」「事業主借」という仕訳が使われます。

「事業主貸」って?

生活費などで事業用の口座からお金を引き出したときに使います。
つまり、事業のお金を“自分へ貸した”扱いにするわけです。
例)7月1日:生活費のために事業用口座から5万円を引き出した

仕訳例

借方勘定科目借方金額貸方勘定科目貸方金額摘要
2025/07/01事業主貸50,000円普通預金50,000円生活費

「事業主借」って?

「事業主貸」とは反対に、自分のお金を事業に使ったときに使います。
つまり、事業のためのお金を”自分から借りた”扱いにするわけです。
例)7月1日:プライベートのお財布から3千円の事業用の備品を買った

仕訳例

借方勘定科目借方金額貸方勘定科目貸方金額摘要
2025/07/01消耗品費3,000円事業主借3,000円備品購入

はじめは、事業主に「貸した」「借りた」ってわかりにくいけれど、
仕訳を打ってみると、意外とシンプルなことがわかるニャ!

もう少し具体的な例を用いてみましょう。より理解が深まるはずです!

ケース① 事業主のスマホ代を事業用口座から引き落とし(うち半分はプライベート)

今回は、家事按分で50%は事業経費に、50%はプライベート利用分としているとします。
このとき、プライベート利用分については事業主貸で処理します。

仕訳例

借方勘定科目借方金額貸方勘定科目貸方金額摘要
2025/07/01通信費5,000円普通預金10,000円スマホ代
事業主貸5,000円

ケース② 事業で使う材料をクレジットカード(個人名義)で購入した

プライベートで使用しているクレジットカードで立替購入したケース。
このようなときは「個人が事業のために一時的に費用を立替えた」と考え、事業主借を使います。

仕訳例

借方勘定科目借方金額貸方勘定科目貸方金額摘要
2025/07/01仕入8,000円事業主借8,000円○○商店で購入

後日、事業用口座から、立て替えた8,000円を自分の個人口座へ振込むときは…

仕訳例

借方勘定科目借方金額貸方勘定科目貸方金額摘要
2025/07/02事業主借8,000円普通預金8,000円立替精算

このように、「事業主貸」「事業主借」は生活と事業の間で登場する勘定科目です。
記帳ミスを防ぐためには、
「どこまでが事業で、どこからが生活なのか」を意識して、仕訳していくことが重要です。

「事業主貸」「事業主借」は響きがややこしく、初心者がつまづきやすいポイントでもあります。

誤解① 「誰かにお金を貸した」と勘違い

事業主=自分に対する貸し借りです。他人との金銭の貸し借りではありません。

誤解② 「プライベートの口座から支払っても」経費である以上、仕訳は必要

例えば、プライベートの口座から事業の経費を支払った場合、
事業用の口座に動きがなくても仕訳は必要です。
帳簿上で「誰が払ったか」「何のためか」を記録することが大事です。

誤解③ 「どっちが借?どっちが貸?」が毎回混乱

「お金の動きの方向」をイメージするとわかりやすいです!
事業のお金をプライベートに使った → 事業主貸
プライベートのお金を事業に使った → 事業主借

「事業主貸」「事業主借」は、個人事業主だけが使う特別な勘定科目です。

「まだ始めたばかりでよくわからない…」という方でも、取引のたびに
「これはプライベート?それとも事業?」と意識しておくことが、「事業主勘定」マスターの第一歩!

そこで、おカネコ先生からのアドバイスは…🐾

✅ 「事業と生活の線引き」をはっきりさせるニャ!
 → そのために「事業主貸」「事業主借」をしっかり使おうニャ!

✅ よくある誤解「借りた」「貸した」の主語は経営者である自分自身ニャ!
 → 他人との取引じゃないニャ!

✅ 会計ソフトの提案に頼る前に、まずは「意味」を理解するニャ!
 → 理解してると、あとでチェックもしやすいニャ!

仕訳の意味をきちんと理解しておくことが、
正確な帳簿作成・スムーズな確定申告・資金管理の第一歩。
これから事業を続けていくうえでも、ぜひ身につけておきたい感覚ですニャ!🐾

困った時は、すぐに税理士に相談するのが一番!
セブンセンスグループは、
いつでも、お客さまの最高のパートナーとして相談に乗ってくれるニャン!