【事業主必見】今更聞けない会計初心者講座 ~事業用とプライベートの口座混在リスク~
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「会計って難しそう…」そんなイメージを持っていませんか?
個人事業主や小規模な会社を経営していると、会計のルールや手続きがよく分からず、「何から始めればいいの?」と悩むことも多いですよね。帳簿のつけ方や経費の扱い、確定申告の準備など、知らないまま進めると後で大変なことになってしまうことも…。
でも、実は少しずつポイントを押さえていけば、会計はぐっと分かりやすくなります。本コラムでは、初心者がつまずきやすいポイントをやさしく解説し、「知らなかったせいで損をする」ことを防ぐための知識をお届けします。コラムを担当するのは、得意げに、そして易しく会計について教えてくれるおカネコ先生です!

セブンセンスグループのオフィスに住み着く「おカネ」に詳しい「ネコ」。
会計初心者の個人事業主さんや小規模事業者さんの困った方を見るや否や、自慢のスーツに着替えて先生に大変身!
得意げに、そして易しく会計について教えてくれる…かも?
今回のテーマ「事業用とプライベートの口座混在リスク」
「個人事業を始めよう」と思ったとき、最初に必要になるのは
事業の届け出や道具の準備、名刺作成、ホームページ作成など、さまざまな手続きや準備です。
その中で意外と後回しにされがちなのが「お金の管理の仕方」です。
特に、事業用の銀行口座を開設せず、普段使っているプライベートの口座をそのまま流用してしまうケースは非常に多く見られます。
たしかに開業当初は取引件数も少なく、経費も限られているため「わざわざ口座を分けなくても…」と思うかもしれません。
しかし、事業が軌道に乗り、売上も仕入れも増え、経費の支払いも増えてくると、プライベート口座に事業用取引がどんどん混在していきます。
すると、帳簿を付けるたびに「これは事業の入金?プライベートの出金?」と
取引の内容をひとつひとつ確認する作業が必要になり、経理の手間が倍増してしまうのです。
こうした状況がつづくと混乱が生じやすくなり、帳簿付けにも影響が出てしまいますので、ここで一緒に整理しておきましょう!🐾
混在によるトラブル事例
では、事業用とプライベートの口座を混在させたままでいると、実際にどんなリスクがあるのでしょうか。
よくある問題点を具体的に紹介します。
(1)記帳ミスが発生しやすい
口座を混在させると、日々の帳簿付けの際に「この入金は事業?」「この出金は経費?」と毎回判断しなくてはならなくなります。
近頃では、クラウド型会計ソフトとネットバンキングを自動連携し、自動で仕訳を行ってくれる機能も普及しています。
ただし、こうした自動機能も「仕訳ルールを正しく設定する」といった準備があってこそ効果を発揮します。
準備が不十分なまま使い始めると、プライベートの入出金まで自動で取り込まれてしまい、
取引内容の区別がつきにくくなるため注意が必要です。
(2)税務署からの説明を求められる可能性
税務署が税務調査を行う際、帳簿や通帳の内容について確認を受けます。
ここでプライベートと事業が混在していると、ひとつひとつの取引について説明を求められる場面が多くなります。
たとえば、通帳の入金欄に「○○銀行からの振込 100,000円」と記載されていた場合、
それが本当に事業の売上なのか、誰からの入金なのか、プライベートの入金ではないのか、といった説明が求められるのです。
税務署としても、プライベートとの混在は「経費水増し」や「所得隠し」を疑われやすいポイントになります。
もちろん意図的な不正でなくても、説明に苦慮するケースは少なくありません。
(3)資金管理が不透明になり資金繰りに影響
事業資金と生活資金が混ざってしまうと、
「今手元に事業用資金がいくら残っているのか」「来月の仕入れ資金は足りるのか」といった資金繰りの管理が難しくなります。
このような状態では、損益の把握だけでなく、日々の資金の増減=キャッシュフローの流れも見えづらくなってしまいます。
どれくらいの資金が事業に使えて、どれくらい出ていっているのかが把握できなければ、
適切な経営判断や資金繰りの対策を立てるのも困難になります。

取引の混在は、思わぬトラブルを生むことになるニャ!
きちんとリスクを理解して、対策をする必要があるニャ!
そもそも事業用口座は必要? 作る/作らない場合の整理
ここまで見てきたように、事業用とプライベートの口座が混在していると、
記帳ミスや税務調査での説明負担、資金管理の煩雑さなど、様々なリスクが生じることをご理解いただけたのではないでしょうか。
そもそも、こうした混在によるリスクを避けるための最も基本的な対策が、「事業用口座を分けておくこと」なのです。
そこで次は、事業用口座を「作った場合」と「作らなかった場合」の違いを見てみましょう。
事業用口座を作った場合
■メリット
・事業の取引が自動的に整理され、帳簿付けが圧倒的に楽になる
・クラウド会計ソフトと連携しやすく、仕訳ルールもシンプルに設定可能
・税務調査の際に説明がしやすい(事業用・プライベートの区別が明確)
・資金繰りや利益管理がしやすい
■注意点
・新規で口座を開設する手間がある
・プライベートの引き落としなどを事業口座に混ぜない意識が必要
事業用口座を作らなかった場合(プライベート口座を併用するケース)
■メリット
・新たに口座を作る手間が省ける
・生活費とまとめて管理できるため一時的にわかりやすく感じる
■注意点
・毎回「この入出金は事業?プライベート?」を仕訳時に確認する必要がある
・クラウド会計ソフトの自動連携でも、正しい仕訳ルールの設定が必要
・経費や売上の計上漏れ・誤計上が起きやすい
・税務調査で取引の説明が煩雑になる
事業が本格化する前の段階から、できれば早めに事業用口座を用意しておくのがおすすめです。
特にクラウド会計ソフトを活用する場合や、売上・経費の件数が増えてきた段階では、口座が混在していると管理が一気に難しくなります。
開業直後の口座整理は、将来の帳簿管理・税務対応・資金繰りまで含めて非常に大きなメリットをもたらします。
そもそも「事業用口座」はどう作れば良い?
ここまでで「事業用口座を用意した方が良い」という理由はおわかりいただけたかと思います。
では、実際に事業用口座を作るにはどうすれば良いのでしょうか?
まず、個人事業主の場合は法人とは違い、「事業用専用の法人口座」という仕組みはありません。
あくまで個人名義の口座を事業専用として運用する形になります。
新たに個人口座を開設する
一番シンプルなのは、普段使っているプライベート口座とは別に、新たに個人口座を開設し、「これを事業用として使う」と決める方法です。
大手銀行、ネット銀行、地方銀行など、どの金融機関でも開設可能です。
なるべく他の生活資金とは完全に切り分け、売上の入金・経費の支払いなど、事業に関係する取引だけを通すようにしましょう。
屋号付き口座を作る方法もある
金融機関によっては「屋号+氏名」の名義で口座を作ることが可能な場合もあります。
例えば「○○商店 代表 田中太郎」といった表記です。
屋号口座は事業らしさが出るため、取引先や仕入先に口座情報を渡すときに信頼感が増すケースもあります。
ただし、屋号口座の開設可否や必要書類は金融機関ごとに異なるため、事前に確認が必要です。
既存の口座を使い回さない意識が大切
開業前から使っていたプライベート口座をそのまま事業用に流用することは避けた方が無難です。
最初から分けておくことで、帳簿付け・仕訳設定・資金管理すべてが整理され、経理作業も格段にスムーズになります。
おカネコ先生のワンポイントアドバイス
事業用口座を分けることは、経理初心者でも取り組みやすい最初の一歩です。
帳簿付けが簡単になり、クラウド会計ソフトも活用しやすくなり、税務調査の際にも安心できます。
ただ、開業初期は「どの取引が事業用?」「どんな仕訳を切れば良い?」と迷う場面も出てきます。
そんなときは、早めに会計事務所など専門家に相談しておくのがおすすめです。
専門家のアドバイスを受けながら整理を進めておくことで、将来の不安を未然に防ぎ、経営にも集中できる体制を整えることができます。
そこで、おカネコ先生からのアドバイスは…🐾
✅ 口座は「事業用」と「プライベート」に分けて使い分けるのが基本ニャ!
→ 取引の整理がラクになって、帳簿ミスも防げるニャ!
✅ クラウド会計ソフトを使うなら、最初の設定がとても大事ニャ!
→ 事業用の取引だけを連携するように整えておくと安心ニャ!
✅ 事業用口座は、個人名義の新規口座でもOK!屋号口座も検討ニャ!
→ 取引先に渡すときの印象アップにもつながるニャ!
事業のお金は、最初から「分けて管理する習慣」を作っておくのが安心。
後で困らないためにも、早めの準備を心がけてニャ!🐾

困った時は、すぐに税理士に相談するのが一番!
セブンセンスグループは、
いつでも、お客さまの最高のパートナーとして相談に乗ってくれるニャン!