“企業型DC”って何?じぶんで育てる新しい年金制度【第1回/全3回連載】

おはようございます。
セブンセンスの冨永です。
本メルマガでは今回から金曜日に3週にわたり、全国で導入が進む「企業型確定拠出年金(企業型DC)」についてご紹介します。
前回までご案内していた「はぐくみ企業年金」とはまた違った特徴がありますので、適宜比較しながらご紹介できればと存じます。
弊所でも導入支援を行っていますので、気になる方は、お気軽にお問い合わせください。
老後資金の準備――それは今や、国の年金制度だけに頼る時代ではありません。
本連載では、企業が従業員の資産形成を支援する制度、企業型確定拠出年金(企業型DC)について、まずは概要から、以下わかりやすく解説していきます。
■企業型DCとは?「自分で育てる年金制度」
企業型DCとは、企業が毎月拠出する掛金を、従業員が自ら選んで運用していく年金制度です。
2001年にスタートし、すでに数万社以上の企業が導入(2024年時点)、中小企業でも多く採用しています。
公的年金(国民年金・厚生年金)に加え、“もう一つの柱”として、将来の年金額を自分の努力と運用で増やすことができるのが特長です。
■ 老後に向けた「じぶん年金」を会社と一緒に積み立てる
この制度の最大のポイントは、従業員が運用の主役になること。運用先(投資信託・定期預金など)を従業員自身が選択します。
積み立てたお金は60歳以降に年金や一時金として受け取ることができ、長期で運用するほど、資産形成の可能性が高まります。
■ 企業側にも従業員側にも「成長の余白」がある制度
企業にとっては、ただの退職金制度ではありません。
・掛金は全額損金算入
・社会保険料もかからず、人件費を抑えながら福利厚生を充実できる
・自律的な資産形成を支援することで、従業員の定着率や満足度向上にもつながる
一方、従業員側も税制優遇を受けながら、自分の将来に対して主体的に向き合う機会になります。
■ 「はぐくみ企業年金」との違いは?
「はぐくみ企業年金基金」のような制度では、企業側が給付を約束し、掛金の運用や管理も基金側が行うため、“安全性重視”の仕組みです。
一方、企業型DCは、“成長性と自律性”を重視した制度。
将来の年金額は運用成果によって変動するため、元本割れのリスクもありますが、その分、積極的に資産を増やす可能性もあります。
以上
本連載では、企業型DCのしくみ・メリット・実例を順を追ってご紹介します。
次回は「企業型DCの仕組みと、企業・従業員それぞれのメリット」について深堀していきます!