はぐくみ企業年金基金、そのしくみと導入メリットとは?【第2回/全3回連載】

おはようございます。
セブンセンスの冨永です。
本メルマガでは金曜日に3週にわたり、全国で導入が進む「はぐくみ企業年金基金」についてご紹介します。
先週に続き、今回のテーマは「はぐくみ企業年金基金のしくみと導入メリット」です。
中小企業でも導入しやすく、税・社保の両面で効果を発揮する制度の全体像を、わかりやすくご紹介します。
■ はぐくみ企業年金はどんな制度?
はぐくみ企業年金基金は、「確定給付企業年金(DB)」の一種で、企業が掛金を拠出し、基金が資産を一括で管理・運用する制度です。
大きな特長は、給与の一部を選択給(前払い退職金)として拠出できる仕組みにあります。従業員は、掛金を1,000円単位で自由に選択可能であり、60歳前の退職時でも年金として受け取れます。
しかも、掛金には税金・社会保険料がかかりません。
■ 企業側にとってのメリット
・掛金は全額損金算入となり、法人税対策に有効
・社会保険料の対象外のため、給与コストを抑えながら福利厚生を整備可能
・退職金制度の“制度化”で採用力・定着力がアップ
・掛金運用は基金が代行、自社での資産管理は不要
また、導入支援を担うベター・プレイス社が設計から書類作成、説明会まで一貫サポート。業務負担を最小限にしながら制度導入が可能です。
■ 従業員側にとってのメリット
・元本保証+利息付きで積み立てられる
・社会保険料や税負担が軽減され、実質的な手取りアップも可能
・掛金や将来受取額の確認は、PC・スマホから簡単に操作できる(専用システム「はぐONE」)
・育休・介護休業・退職時など、柔軟な受取タイミングに対応
■ シミュレーション例(給与26万円/掛金2万円の場合)
たとえば、月給26万円の従業員が、毎月2万円を「はぐくみ企業年金」の掛金として積み立てるケースを見てみましょう。
この2万円を通常の給与として支給すると、所得税や住民税、社会保険料が差し引かれ、実際の手取り額は2万円を大きく下回ります。
一方、はぐくみ企業年金を通じて積み立てた場合、その掛金には税金も社会保険料もかかりません。
その結果、年間で57,120円も手取り額が増えながら、同時に退職金の積立もできるという、資産形成と手取り改善の“いいとこ取り”が可能になります。
■ 制度を検討する上での注意点も
一方で、制度上の留意点もあります。
掛金に社会保険料がかからない分、将来の老齢厚生年金や出産手当金などの給付額が一部減少する可能性があります。
ただしこの点については、制度加入時にシミュレーションを実施し、本人に説明を行う体制が整っており、安心して検討いただけます。
また、導入には一定の規程整備(就業規則・給与規程など)も必要ですが、必要あれば、これらのサポートもさせていただきます。
■ 次回予告
次回(最終回)は、実際に制度を導入している社会福祉法人・中小企業の事例等をご紹介します。
導入の背景や効果、現場の声を通じて、「はぐくみ企業年金基金」の実像に迫ります。