勤怠管理の「意図せぬ法令違反」を防ぐには | デジタル経営管理の戦略思考

本コラムは、デジタルによる経営管理の成功事例や課題解決ノウハウについて、専門家へのインタビューを通じて分かりやすく紹介するシリーズです。中小企業の経営者や管理業務に携わる皆さまを対象に、プロの視点から、デジタル活用のコツや導入のポイントをお届けします!
今回は、クラウド型勤怠管理システム『KING OF TIME』を提供する株式会社ヒューマンテクノロジーズのご担当者さまにご登場いただき、中小企業における就業規則の整備状況と、勤怠システム導入時に発生しがちな課題について詳しくお話を伺いました。適切な勤怠管理が企業の効率化やコンプライアンス強化にどのように貢献するのか、導入時の注意点とともにご紹介します。
🔍 KING OF TIME・勤怠管理・就業規則
…これらのワードに「おっ‼👀」となった方、必ず最後までご覧ください!!!

今回、インタビューをさせていただいたのは・・・
株式会社ヒューマンテクノロジーズ
士業テック企画開発 アライアンスチーム
出山 隆行 様
KING OF TIMEとは?クラウド型勤怠管理システムの特徴
ーまず『KING OF TIME』とはどのような勤怠管理システムですか? その特徴について教えてください。
『KING OF TIME』は、クラウド型の勤怠管理・人事給与システムで、インターネット環境があればすぐに導入・運用が可能なサービスです。現在、クラウド勤怠管理システム市場において、国内シェアNo.1(※1)を獲得しています。
このシステムの大きな特徴は、1人あたり月額300円(税別)で利用できるだけでなく、追加料金なしで人事労務・勤怠管理・給与等の管理が可能な点です。特に『KING OF TIME 勤怠管理』に関しては、多様な働き方に対応できる充実した機能を備えています。
ークラウド型であることによる具体的なメリットについて教えてください。
クラウド型の最大の利点は、インターネット環境があればどこからでも勤怠管理ができる点です。従来の紙のタイムカードやExcelを使用した管理方法では、打刻データを収集し、集計する作業が必要でした。しかし、クラウド型であればデータが自動的にサーバーに保存されるため、そのような手間がありません。また、導入の手軽さも大きなメリットです。申し込み後すぐに利用を開始できます。

https://www.kingoftime.jp/
中小企業における勤怠管理システムの導入状況
ー勤怠管理システムの導入は、大企業では一般的ですが、中小企業でも普及が進んでいるのでしょうか? 現在の利用状況について教えてください。
データ(※2)によると、100名未満の企業規模では、勤怠管理システムのSaaS製品の導入率は17.5%であるのに対し、規模が100名以上1000名未満となると51.0%まで大きく上昇しています。
これは、特に会社を立ち上げたばかりの段階では、コストをかけられない、そもそも必要性を感じていないケースがありますが、人的な作業でなんとか対応できているケースも多くあります。しかし、規模が大きくなり100名程度になると、手作業での集計や管理が追いつかなくなった結果、システムの必要性が高まり、勤怠管理システムの導入が進んでいく、という流れになる印象です。
ー勤怠管理システムの導入が進む中で、就業規則が問題になるケースがあると聞きました。どのような問題が発生しやすいのでしょうか?
ケースは様々ですが、就業規則に記載されたルールと、勤怠管理システムの設定が一致していないことが原因でトラブルになるケースがよく見 られます。これは、勤怠管理システムを理解していないがゆえに正しく設定できていないケースと、一方で法令や就業規則の内容をきちんと理解できていないケースがあり、規程とシステムの設定のズレが起こります。
規程とシステムの設定にズレが起こることで、給与計算において、未払いや過払いが意図せず起きていることもあり、本来であればきちんと注意して設定する必要があります。
ー実際に法令違反の状態で勤怠管理システムを運用している中小企業も多いのでしょうか?
弊社では、導入企業の勤怠システムの設定を確認する機会が多くありますが、その中で法令に準拠していない設定がされているケースが少なくありません。
例えば、残業時間の計算において、本来であれば、1日8時間を超えた時間と、週40時間を超えた時間の両方を適正に管理する必要があるのですが、週単位での超過が考慮されていないため、残業代の未払いが発生してしまうケースが見られます。
ー社労士が関与している場合でも、勤怠システムの設定が就業規則や法令に即していないケースはあるのでしょうか?
そのようなケースはあります。その背景として、社労士の先生方の中には、勤怠システムの設定には直接関与していない場合もあるため、勤怠システムの設定が就業規則や法令とズレていたとしても、そのまま給与計算を行うことがあります。
就業規則と勤怠管理を一致させる新たなツール『就業規則ナビ』とは?
ー様々な現状をお伺いしましたが、就業規則や法令に適合した形で勤怠管理システムを導入できるような、ツールやサービスも提供されているのですか?
昨年10月に、『就業規則ナビ』というシステムをリリースしました。これまでお話ししたように、就業規則や法令と、実際の勤怠管理システムの設定が一致していないケースが非常に多いのが現状です。その結果、未払い残業代が発生したり、逆に意図せず過払いが生じてしまうこともあります。このような状態は、企業経営にも影響を及ぼしかねません。
こうした問題を防ぐために、就業規則や法令に即した適切な勤怠管理を実現することを目的として、『就業規則ナビ』を開発しました。このシス テムでは、就業規則や給与規程を作成できるだけでなく、その規程に即した勤怠管理システムの推奨設定ガイドを出力する機能も備えています。

https://www.kingoftime.jp/sr/
ー『就業規則ナビ』は、どのような方の利用を想定していますか?
就業規則を作成し、それを企業へ提供できるという点から、主に社労士の先生方にご利用いただくことを想定しているツールです。目的としては大きく2つあります。
1つ目は、顧問先のコンプライアンス体制を確立することです。就業規則、法令、そして勤怠管理システムの設定が一致することで、企業の適正な労務管理が実現されます。
2つ目は、勤怠管理の設定を極力シンプルにすることです。就業規則と給与規程を見直し、整理することで、勤怠管理システムの運用がスムーズになります。これにより、最終的には給与計算までクラウド間で連携し、効率的な運用を実現することが可能になります。
こうした流れを踏まえ、社労士の先生方にコンサルティングの一環として導入いただくことを目指して展開しています。
ーやはり、就業規則やコンプライアンスには社労士の力が必要ということでしょうか。
そうですね。現在の社労士の先生方は、当然ながら法令を意識して就業規則を作成しています。しかし、システムの導入となると、顧問先が独自に進めてしまうケースが多く、その結果、勤怠管理システムの設定と就業規則が一致していないという状況が生じています。そのため、意図せず法令違反が発生してしまっているという点が問題です。
法令に対する意識はあっても、それが勤怠システムの設定に適切に反映されていない。この状況を是正することこそが、新しくリリースした『就業規則ナビ』の目的です。企業が適正な労務管理を実現できるよう、社労士の先生の力を借りて就業規則と勤怠管理の仕組みを一貫して整備できる環境を提供することを目指しています。

【KING OF TIME】について
KING OF TIMEは導入企業数60,000社以上、利用ID数3,800,000人以上(2025年1月時点)の実績を持つ市場シェアNo.1(※1)のクラウド勤怠管理・人事給与システムです。
「KING OF TIME」では出退勤の打刻をPC・スマートフォン(ブラウザ・アプリ)、ICカード、生体認証、入退室連携、アルコールチェック連携など様々な手段から選択でき、休暇の取得、残業の申請承認など、従業員と管理者間でのやりとりもオンラインで行うことができます。変形労働時間制など複雑な勤務集計や最新の法改正にも対応し、企業ごとに異なる就業ルールにも柔軟な設定で対応可能です。
また、同料金内で人事管理システム「KING OF TIME 人事労務」、給与計算システム「KING OF TIME 給与」、勤怠・生産性分析システム「KING OF TIME データ分析」をご利用いただくことができ、バックオフィスの一元管理を実現できます。
▶製品ホームページ https://www.kingoftime.jp/
※1 シェアNo.1表記について
富士キメラ総研「ソフトウェアビジネス新市場 2024年版」 勤怠管理ソフトSaaS/PaaS市場 利用ID数 2023年度実績
※2 利用状況について
富士キメラ総研「ソフトウェアビジネス新市場 2024年版」勤怠管理ソフトSaaS市場 従業員規模別導入社数推移(2023年度実績)