kintone × Excelを連携させた独自の業務システム開発 | 教えて!IT
「教えて!IT」は、ビジネスシーンで役立つITツールを専門家へのインタビューなどを通じて分かりやすく紹介するシリーズです。ITに関心のあるビジネスパーソンの皆さまを対象に、実務経験豊富なプロの視点から活用のコツや導入のポイントをお届けします!
今回は、システム開発を手がける株式会社カイトナカの所長 見崎信也さまにお話を伺いました。kintoneとExcelを連携させた独自の業務システム開発や、ノーコード開発を活用した効率的な業務改善の事例について詳しくご紹介します。中小企業の現場に即した実践的な活用法や、導入後の具体的な成果を交えながら、業務改善の可能性を感じていただけるはずです!
🔍 kintone・Windows・ノーコード・Excel
…これらのワードに「おっ‼👀」となった方、必ず最後までご覧ください!!!
今回、インタビューをさせていただいたのは・・・
株式会社カイトナカ 見崎信也さま
ノーコード開発が変える業務管理の新常識
カイトナカさんでは、一般的なWindowsの業務システムの開発以外に、kintoneのノーコード開発も行っていると伺っています。ユーザーに提案する際に、Windowsシステムとkintoneでのノーコード開発をどのように使い分けてご提案されていますか。
kintoneベースで提案する場合は、シンプルな台帳管理をExcelで行っているお客様が、データが散在してしまい、一元管理ができない状態になっているケースが多いです。そういった場合に、kintoneは非常に大きな効果を発揮するので、「Excelの代わりにKintoneを使ってみてはいかがでしょうか」とご提案することが多いですね。
kintone自体は、承認ルートを作ったり、プロセスを通じてフロー管理やプロセス管理が可能ですので、そういった利点を業務にうまく組み込み、きちんとしたデータがすぐに見られる環境を整えることを心がけて提案しています。
kintoneを導入することで、Excelでは難しい管理が実現できるのですね。他にkintoneならではの魅力は何だとお考えですか?
そうですね。一番の魅力は、社内でkintoneの制作チームを比較的簡単に作れるという点だと思います。その作り方を情報としてお伝えすることで、自走する仕組みが、自発的に構築されていくという感じですね。
kintone自体は、使ってみるとすぐに仕組みを確認できるという特長があります。そのため、自社内で改善チームを作り、運用しながら業務を改善していけるところが魅力だと思います。通常の業務システムだと、小さな改修要件が出た場合でも業者に依頼しないといけないことが多いですが、kintoneではその部分を社内のチームで解決できる点が非常に優れていると思いますね。
Excelとkintoneの連携が実現する柔軟な業務プロセス
kintoneの魅力をお話しいただきましたが、なかにはExcelとkintoneを連携させた案件もあったと伺いました。具体的にどのような要望だったのでしょうか?
kintoneは使いやすいクラウドサービスですが、慣れ親しんだExcelをすぐに手放せないという課題をお持ちのお客様がいらっしゃいました。そこで、私たちの得意分野の一つでもある、Excelのシートにあるデータをkintoneに連携させる仕組みをご提案しました。
このときは、見積もり書を作成するExcelにマクロボタンを配置し、そのボタンをクリックするとkintoneの見積もりアプリにデータが移るという流れを作りました。このような仕組みにより、お客様が慣れた操作感を維持しつつ、kintoneの利便性も活用できるようにしています。
kintone側では送られてきた見積書のデータを使って、どのような運用をしているのですか?
kintoneは、管理者の方が承認フローを回すために運用しています。承認フローは、kintoneの基本機能であるプロセス管理の機能で構築をしました。
現場の方は引き続きExcelを使いながら、管理者はKintoneで承認フローを回せるのですね。
そうです。それに加えて、kintone自体の利便性の向上も意識し、データの値によって承認フローを自動判定される設定を行いました。例えば、50万円以上の場合は課長決裁、100万円以上の場合は部長決裁、さらに1,000万円以上の場合は社長まで決裁が進むような一次決裁や二次決裁の流れです。一方で、50万円未満で社内の規定要件を満たす場合、本人の決裁で見積書を出してよいといった設定です。
最終的に出来上がった見積書はkintoneで印刷されているのですか?
実は、Excelから出力する形になっています。kintoneのデータを逆にExcelに引っ張ってきて、承認前の段階や「承認待ち」の状態などのステータス情報、見積番号、得意先名が一覧で表示されます。その一覧で「詳細」ボタンを押すと、見積内容が表示される仕組みです。
承認された状態を従業員が確認した後、必要に応じて印刷を行う、という流れになっていますね。
営業支援と目標管理を強化するデータ活用
今回は「現場の方は慣れたExcelを使い、承認フローはkintoneで行うという形」をご紹介いただきましたが、システム導入後、どのような変化がありましたか?
営業担当者の方から直接感想を伺う機会はなかったのですが、導入前後を比較すると、明らかに管理がしっかりしたと感じました。特に管理者の方々からは、「データが見やすくなった」と好評でしたね。また、以前は営業担当者さんが作った見積書をまとめ、部門長がExcelで加工して報告していたのですが、kintoneのアプリに登録するだけで全ての見積もりデータがリアルタイムで可視化されるようになりました。
そして、自分も少し面白いなと思ったのが、KrewSheetというプラグインを使って担当者ごとの見積もり金額や発行枚数を集計している点です。こちらを活用することで目標とのギャップを把握できます。その結果、目標達成のために必要な営業活動がより具体的に指示できるようになったとのことでした。
例えば、月々の予算が担当者ごとに設定されていて、「100万円の受注を取る」という目標があった場合、実際の見積金額が90万円や80万円だと目標に対して行動量が不足していることがすぐに分かり、これを基に管理者はすぐにフォローを入れられるようになりました。
営業担当者にとっては、少し厳しい側面もあるかもしれませんね。
確かにそうかもしれません(笑)。ただ、数字を基にした改善検討が手軽にできる環境が整ったため、営業活動の分析が進んだということでした。お客さまの環境に合わせて、システムを構築したからこそ、そのようなお声をいただけたのかと考えております。
今回は、株式会社カイトナカの所長 見崎信也さまにkintoneを活用したノーコード開発や、Excelとの連携を通じた業務効率化の具体例をお話しいただきました。株式会社カイトナカが提案する仕組みは、ITの専門知識がなくても現場で活用できるシステムを目指し、使い慣れたツールと新しい技術をうまく融合させたものです。これにより、データ管理の効率化や営業活動の目標管理が格段に向上していることがわかりました。
これからITツールの導入を検討される方にとって、今回の事例が少しでも参考になれば幸いです。デジタル化が進む中、現場に即したシステム選びや運用の工夫が、業務効率化のカギになるでしょう。
株式会社カイトナカ
〒425-0077 静岡県焼津市五ヶ堀之内678-1
https://kaitonaka.co.jp/
株式会社カイトナカは、中小企業向けに業務の効率化やIT活用を支援する会社です。具体的には、Windowsを使用した業務システムの開発をはじめ、各種ソフトやサービスを活用した業務プロセスの見直し、最適なシステムの導入、さらに導入後の運用サポートまで一貫して提供しています。
同社の特徴として挙げられるのは、お客様の業務フローに寄り添った支援を徹底している点です。単にシステムを導入するだけでなく、日々の業務をどのようにスムーズに進めるかについて具体的な解決策を提案しています。また、各種ソフトやサービスの特長を最大限に活用し、よりお客様の業務フローに適した業務効率化の実現を目指していることが強みです。