【2024年】年末調整の企画担当者にインタビュー(後編)~kintoneで自動印刷&脱Excel化!~
年末調整は、会計事務所にとって確定申告と並ぶ大きなイベントです。毎年、この時期が近づくと弊グループでは緊張感が高まりつつも、更なる業務改善を目指してさまざまな企画に挑戦しています。今年も例外ではなく、業務環境の向上を目指して意欲的な施策を準備しました。
前回に引き続き、今年の取り組みについて、実際に計画を策定している企画者である二神マネージャーにインタビューを行いました!今回はkintoneの活用についてたっぷりご紹介します🎤
前回のコラムはこちら ➡ 「~RPAで電子申告も帳票出力も自動化?!~」編
🔍kintone・進捗管理・チェックリスト・自動印刷・脱Excel・DX
…これらのワードに「おっ‼👀」となった方、必ず最後までご覧ください!!!
DX支援部 BPO支援課 マネージャー
静岡拠点で勤務。年末調整・確定申告業務の企画を担当している。
【業務管理アプリ】ステータス更新で自動記録!鍵は「最小限の負担」
今回はkintoneの活用に関してお話を聞きたいと思います。kintoneでは業務管理アプリとチェックリストアプリを運用しているとのことですね。まず、業務管理アプリに関して教えてください。
はい!業務管理アプリでは、顧客情報の管理は勿論のこと、ステータス機能を活用して各工程の進捗を管理しています。ステータスを更新することで作業完了日時や対応者が自動で記録される仕組みになっているので、「いつ誰が何の対応を行ったのか」が細かく記録されます。また、顧客に提供する資料の作成もこちらのアプリで行っています。レコード内に登録された情報をもとに、必要な資料を自動印刷できるので、手作業を減らしつつ正確性も向上しています。
1つのアプリで様々なことを行っているんですね!では、まずステータス機能を活用した進捗管理について教えてください。
ステータス機能は、業務状況の把握は勿論ですが、業務履歴の記録にも重点を置いています。ステータス更新と同時に作業完了日時と対応者が自動で記録される仕組みになっているので、対応者が難しい手順を踏まなくても業務の履歴が正確に記録されます。また、これらの情報をもとに「いつ誰が何時台に業務を行ったのか」「通常の就業時間に何件対応できたのか」などを集計することが可能ですので、ピークコントロールは勿論、対応メンバーの業務管理にも一役買っています。
それは良いですね!各工程の対応者は「ステータス更新をするだけでいい」というのがポイントだと感じました。
まさにその通りです。管理者の立場としては、多くの情報から業務分析をして業務改善に繋げたいと考えますが、情報を記録する段階で対応者に負担を強いることになっては、本末転倒です。「対応者の負担を最小限にしながら、より多くの情報を記録するにはどうすればよいか」という意識を持ちアプリの設計を行っています。
また、ステータス機能の設定上の工夫ですが、各工程の進捗を「○○対応待ち」「○○対応中」「✕✕対応待ち」…といった形式で名称設定しています。仮に名称を「処理」「帳票出力」といったように、工程名だけにしてしまうと、現在の状況が分かりづらくなってしまいます。細かなことに思われるかもしれませんが、多くの短期スタッフが関わる業務ですので、各項目の名称や管理表の見やすさも徹底して、誰でも迷いなく業務が進められるように工夫しています。
【業務管理アプリ】手軽に印刷設定!プリントクリエイターの魅力
では次に、資料印刷に関して教えてください。
先ほどお伝えした通り、業務管理アプリには様々な情報が正確に記録されているので、それらを活かして、資料の作成・印刷を行っています。代表的なものは顧客に提供する「送付状」です。この仕組みを採用する前は、対応者がExcelのテンプレートから印刷をかけていました。しかし毎度、顧客情報を書き換える必要がありますし、計算結果(納付有無)によって記載する情報が異なりますので、ミスも多く発生しました。現在はアプリに登録されている情報から作成できるため、手作業がほとんどなくなり、ミスの防止・効率化に繋がっています。
脱Excel化が成功したのですね!ちなみに印刷設定はどのように行っているのですか?
ご存知の通り、kintoneの基本機能でレコードの印刷機能がありますが、こちらはアプリのフィールドを全て印刷する形式になってしまうため、トヨクモ株式会社が提供しているプラグイン「 PrintCreator (プリントクリエイター)」を使用しています。kintoneの資料印刷では代表的なプラグインかと思います。こちらのプラグインでは事前にアップロードしたPDFに対して、アプリ内のフィールドの印刷箇所を指定していくだけで、概ね設定が完了します。
基本的にkintoneの設定は所内のシステム担当者が行いますが、こちらの設定は非常に手軽に出来ますので、軽微な修正であれば現場の管理者が行うことも可能です。
【チェックリストアプリ】業務漏れを防止!修正指示もしっかり記録!
では次のアプリに参りましょう!チェックリストアプリについて教えてください。
はい!チェックリストアプリは、各工程で業務に漏れがないかを確認するために使用しています。具体的には、対応者が業務を進めながら各種チェック項目にチェックを入れ、決裁者がその内容を確認するダブルチェック方式で運用を行っています。
また、決裁者から対応者に対する修正指示もアプリ内でやり取りできるようにしています。こちらもkintoneに移行したことでやり取りが見やすく記録され、後の業務分析においても役立っています。
チェックリストも以前は、Excelを使用して作成していました。当初の移行理由は「誤ってファイルを複製や削除をしてしまうケース」に対応するためでしたが、ご紹介したように、様々なメリットを得られるものになりました。
kintoneの活用(=脱Excel化)で、更なる「DX化」を目指す!
今回はkintoneの2つのアプリに関して詳しく教えていただきましたが、どちらのアプリに関しても共通したのは「脱Excel化」であると思います。その点に関して、二神さんのお考えはありますか?
そうですね。脱Excel化はkintoneを用いた業務設計をしている以上、常に考えています。勿論、業務上Excelを使用する場面はまだ沢山ありますし、今後もExcelを使用することはあると思います。
ただし、「クラウドツールなので場所やデバイスを選ばない」・「多種多様なプラグインで業務自動化が実現できる」・「集計機能が豊富」などのkintoneの強みが活かせる場面においては、積極的にExcelからkintoneへの移行をチャレンジしてみたいと考えています。
特にkintoneに移行したことで、蓄積された情報をもとにリアルタイムで業務分析が可能になったのは大きな変化です。業務処理を進めながらでも改善点を検討し、迅速に反映できるようになっています。これは、以前のようにExcelをフル活用していた頃とは大きく異なる点であり、着実にDX(デジタルトランスフォーメーション)を進められている実感があります。
素晴らしいですね!DXに向けた、更なるチャレンジにワクワクします!では最後に今後の抱負をお願いします!
はい!ここまでお話しした内容も、チャレンジをする段階ではチームのメンバーに負担を強いた部分も多少あるかと思います。ただし、実際に使ってみると、想像以上にスムーズに移行できている印象ですし、実際の業務効率も上がっており季節業務期間内も定時退社できるようになった社員もいます。
業務管理アプリの章でもお話しした通り、「対応者の負担を最小限に」という点を意識しつつ、チャレンジによって得られる具体的な効果を示しながら、チーム全体で積極的なチャレンジをしていきたいと考えています!
今回のコラムでは、年末調整業務におけるkintoneの活用に関して詳しくご紹介しました。どのアプリも、効率化だけでなく、正確性や業務全体の見える化に大きく貢献しています。特に「脱Excel化」を通じて、業務処理中でも改善を検討できる柔軟性や、リアルタイムでの業務分析が可能になった点は、DX(デジタルトランスフォーメーション)を目指すうえで大きな一歩と言えるでしょう。
これからもチーム全体で、新しいツールや仕組みの導入に挑戦し、さらなる効率化と品質向上を実現していきたいと考えています!前後編にわたるコラムをお読みいただき、誠にありがとうございました🌟