2024.12.09
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株価算定とは
いつもメルマガをご覧いただきありがとうございます。
セブンセンス税理士法人の冨永です。
今回は「株価算定とは?」というテーマで、初めての方でも分かりやすく解説します。特に未上場の中小企業や小規模事業者の皆様にとって、株価算定は事業承継や相続、資本政策の場面で重要な役割を果たします。基本的な仕組みを押さえることで、経営の意思決定に役立てていただけると思います。
■株価算定とは何か?
株価算定とは、会社の価値を株式1株あたりの金額として算出することです。特に未上場企業では市場で株式が取引されないため、公正な基準を基に算定する必要があります。
この株価は、次のような場面で重要な意味を持ちます。
- 事業承継: 後継者に株式を引き継ぐ際、適正な価格で譲渡するため。
- 相続対策:株式が遺産として相続される場合に、税務上の評価額を把握するため。
- M&Aや増資:第三者に株式を譲渡したり、新たな資金を調達したりする場合に必要。
株価は企業の収益力、保有資産、業界の状況など、さまざまな要素を考慮して算出されますが、具体的な算定方法は目的によって異なります。
■株価算定の3つの基本的な考え方
株価算定には主に3つの基本的なアプローチがあります。それぞれの特徴を簡単にご紹介します。
- インカムアプローチ(収益価値に基づく方法)
企業が将来的に生み出す収益やキャッシュフローに注目し、それを現在価値として評価する方法です。たとえば、将来の利益を基に「会社がどれだけ稼ぐ力があるか」を反映します。
こんなときに有効:収益が安定している企業や成長性が見込まれる企業の価値評価。 - マーケットアプローチ(市場価値に基づく方法)
同業種の上場企業や過去の売買事例など、市場の取引価格を基にして株価を評価する方法です。他社との比較により、客観的な評価を行うことができます。
こんなときに有効:業界全体や同業他社との比較が必要な場面。 - コストアプローチ(資産価値に基づく方法)
会社が保有する純資産を基に評価する方法です。解散した場合に残る価値(清算価値)を反映するため、利益が安定していない企業や資産価値が大きな企業に適しています。
こんなときに有効:資産を重視した評価を行いたい場合や、利益が不安定な企業。
■株価算定が経営に与えるメリット
株価算定を適切に行うことは、以下のような経営判断に役立ちます。
- 事業承継の円滑化:適正な株価での承継により、後継者への負担を軽減できます。
- 相続税対策:公正な評価額を基に、税務リスクを回避することが可能です。
- 会社の成長戦略に活用:自社の現状を把握し、M&Aや資本政策を進める際の基準となります。
■セブンセンスのサポート体制
我々は、中小企業や小規模事業者向けに株価算定に関するサポートを行っています。
経営の目的や状況に応じて最適な算定方法をご提案し、事業承継や相続、資本政策を成功へ導くお手伝いをしています。初回相談は無料ですので、ぜひお気軽にお問い合わせください。