Column/コラム

【2024年】年末調整の企画担当者にインタビュー(前編)~RPAで電子申告も帳票出力も自動化?!~
2024.11.27
ペーパーレス

【2024年】年末調整の企画担当者にインタビュー(前編)~RPAで電子申告も帳票出力も自動化?!~

【2024年】年末調整の企画担当者にインタビュー(前編)~RPAで電子申告も帳票出力も自動化?!~

年末調整は、会計事務所にとって確定申告と並ぶ大きなイベントです。毎年、この時期が近づくと弊グループでは緊張感が高まりつつも、更なる業務改善を目指してさまざまな新たな企画に挑戦しています。今年も例外ではなく、効率化と業務環境の向上を目指して意欲的な施策を準備しています。
そこで、今回のコラムでは、今年の取り組みについて、実際に計画を練り上げている企画者である二神マネージャーに、どのような工夫をしたのか詳しくインタビューをしました!

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…これらのワードに「おっ‼」となった方、必ず最後までご覧ください!!!

新人や短期職員も採用!総勢12名で挑む!

いよいよ年末調整のシーズンがやってきますね!会計事務所にとっては一大イベントですが、準備は整っていますか?

そうですね。毎年のことですが「いよいよ」という感じがしています。今年も何とか準備を整えました!

今年も二神さんのチームはフレッシュなメンバーが集まっているようですね。

今年の年末調整業務には、経験豊富なベテラン社員をはじめ、今年入社した新人や短期職員、さらにはシステムサポートメンバーも含めた12名が参加しています。例年通り、新人や短期職員が多く加わり、非常に活気のあるチームになっています!こちらのメンバーで550件以上の年末調整業務を行います。

細かなタスク多数!緻密な業務計画とは!?

では早速ですが、具体的な話に移りたいと思います。事前に今年の企画書を確認したところ、「納期の特例で設計したRPAやkintoneを使用した業務フローの構築を行いつつも、定額減税による細かな準備を急ぐ」と書かれていましたね。どのように対応を進められたのでしょうか?
(RPAの活用に関する納期の特例のインタビューはこちら

私たちのチームでは、例年通り、季節業務の準備にあたって細かなタスクを整理し、それをもとにスケジュールを立てて進めました。具体的には、以下のようなタスクを同時並行で進めています。

  • 顧客へのお知らせ
  • 税務申告ソフトへのバージョンアップおよび事業者情報登録( NTTデータ 達人シリーズを使用 )
  • 顧客情報の整理
  • RPAの設計( Microsoft Power Automate を使用)
  • 管理表とチェックリストアプリの作成(サイボウズ kintone を使用)
  • 連絡チャットツールの整備
  • 資料保管用フォルダの準備
  • 業務マニュアルの作成
  • 短期職員のPC作業環境の準備
  • 職員向けの業務研修の実施

これに加えて、今年は定額減税による各種ソフトの仕様変更があったため、その影響を受けてマニュアルやチェックリストアプリの項目を変更する必要がありました。
また、RPAとkintoneも、ベースは納期の特例のものを活かしつつ、活用範囲を更に広げたいという気持ちもありましたので、例年に増してタスクが増えました。

定額減税の対応に追われた2024年!準備に影響を与えた点は?

タスクが多岐にわたっていますが、まず、タイムリーな話題ですと、今年は定額減税への対応が大きな影響を与えたようですね。特に苦労したこと何でしたか?

先ほどお伝えした通り、定額減税の影響で各種ソフトの一部に仕様変更があり、その対応に時間を割きました。私たちのチームでは、経験が浅い処理者でもミスなく業務を進められるよう、実際の操作画面のキャプチャー画像を付けたマニュアルとチェックリストを完備しています。そのため、仕様に変更があった場合は、一通り私が実際にソフトを操作し、変更点を確認した上で、新しい手順をマニュアル化するようにしています。

それは大変な作業ですね…

そうですね。しかし、変更点自体は小さなものであっても、処理の手順が変わる以上、マニュアルの整備が必要になります。特に今年は短期職員や新人メンバーが多いこともあり、少しでも曖昧な部分があると業務全体に支障が出る可能性があるため、慎重に対応しました。

既存タスクと新しいタスクを並行して進めるのは大変そうですね。具体的にスケジュールはどのように調整されたのでしょうか?

まず、9月中にはタスク全体の洗い出しと担当者の割り振りを行い、大枠のスケジュールを決定しました。そして、10月から11月上旬までにはすべての準備が整うように逆算して進めました。通常業務と並行しながらで大変な作業でしたが、チーム全員で進捗を共有しながら、優先順位を明確にして一つずつ対応していきました。

RPAで更なる自動化!電子データ作成も帳票出力も?!

では次に、システム面のお話について。まずはRPAですが、どのように活用されているのでしょうか?

以前のインタビューコラムでお話ししたように、「納期の特例」に関連する業務で電子データ作成・申告や顧客資料のダウンロードをRPAで自動化する仕組みを導入しました。また、kintone上で行う進捗管理の一部もRPAで実装しています。この仕組みを、年末調整の業務にも応用できるように調整を進めました。

今回もRPAの設計は、在宅で勤務されている田子さんに遠隔で対応してもらいました。田子さんとはチャットやZoomで細かいやり取りを重ねながら、必要な要件を伝え、実際の設計を進めました。

なるほど。前回の取り組みをさらに発展させているのですね。今年新たに取り組まれた部分について教えていただけますか?

今年の新たな取り組みは、帳票出力の自動化です。具体的には、達人ソフトで処理者がデータを作成すると、RPAがそのデータをもとに帳票を出力し、自動的にDocuWorks形式に変換。その後、顧客別フォルダに適切な名称に変更して格納する仕組みを導入しました。
※弊グループでは富士フイルムビジネスイノベーション DocuWorks を使用しています。

これまで、帳票出力は手動で行っていましたが、1件あたり早くても5分程度かかる作業でした。「たった5分」と思うかもしれませんが、今年は550件以上の処理を予定しています。単純計算でも約45時間以上の削減につながるため、大きな効果があるのではないかと思います。

550件以上の処理で約45時間もの時間が削減できるのは、業務全体に非常に大きな影響を与えそうですね。

私自身も「45時間」という数字をみて大きなインパクトがありました。また、RPAを活用する理由は他にもあります。これまでの帳票出力は人が行っていたため、処理者が誤った帳票を出力してしまったり、フォルダ保存時の名称設定にミスが多く生じることが課題でした。特に名称設定は、どれだけ注意喚起をしてもタイプミスが生じたり、全く異なる資料の名称で設定されていたり、頭を悩ませていた部分でした。こうしたミスは決裁者のチェックで発見できるため、大きな問題になったことはありませんが、数が多いと時間ロスに直結します。

今回、RPAで自動化することにより、こうしたヒューマンエラーを削減し、作業を正確かつ効率的に進め、決裁者の負担も軽減したいと考えました。さらに、RPAによる自動化で単純作業が減ることで、スタッフがより重要な業務に集中できるようになる点も大きな理由です。時間の削減だけでなく、業務の質を向上させる効果も期待しています。

新しい仕組みが導入されることで、業務の正確性・効率もさらに高まりそうですね。実際の運用はこからかと思いますが、現時点で今回の取り組みへの手応えはいかがですか?

初めての試みなので、本運用でどのような結果が出るかはまだ未知数ですが、準備段階では非常に安定して動作しています。今回のRPAの仕組みがきちんと機能すれば、これまで以上に社員がRPAの有用性を実感する良い機会になるのではないかと考えています。
こうした機会を増やしていくことで、社内で「社員が自発的にRPAの活用アイデアを発案してくれる流れ」が自然発生するのではないかな、と思っています。きっと、実際に処理に当たる社員の方が「もっとここを自動化したい!」「この作業、大変だから自動化したい!!」という熱い想いをRPAにぶつけてくれる、と思うんですよね。特に新人の、そうした想いは切実だと思います。(笑)
今後、さらに人材採用が難しくなってくる業界ですので、そうした意見を出来る限りRPAで形にしていき、更なる属人化脱却を目指していきたいと考えています。
こうした期待を胸に、実際の運用結果がどうなるか、私自身も非常に楽しみにしています!

今回のコラムでは、年末調整に向けた準備スケジュールや、RPAを活用した業務効率化についてご紹介しました。限られた時間の中で、多くのタスクを効率的に進めるための工夫や、RPAの活用がどのように業務改善に結びついているのか、お伝えできたのではないかと思います。

次回、後編ではkintoneの活用に関して、具体的にご紹介します。業務の裏側に隠された仕組みを深掘りし、皆さまの業務にも役立つヒントをお届けできればと思います。

どうぞお楽しみに!