岩見先生の採用対策室「小売業の採用編」
企業の採用活動における疑問や課題に、セブンセンスグループの現役採用担当であり、豊富な知識と経験を持つ岩見先生が徹底解説します。毎年の新卒採用を支える実務担当者だからこそ語れる「成功する採用活動」の秘訣や、実践的なアドバイスを通じて、皆さまの採用活動に役立つ情報を提供します!今回はどのような質問に答えてくれるのでしょうか?教えて岩見先生!
セブンセンス株式会社 総務部 採用課
出身地:東京 趣味:魚釣り・キャンプ
大学を卒業後、小売業界へ就職。5年間販売の業務に携わった後、本社へ配属となり採用担当を約10年間経験。2022年からセブンセンスグループの新卒および中途採用の業務に従事。
「小売業の会社を経営しています。営業担当者の新卒採用を行っていますが、
応募そのものが少なく採用の見通しが立ちません。何を見直すべきでしょうか?」
小売業の採用成功には、自社の強みを見直し、
応募者やそのご家族に安心感と将来性を伝えることが重要です!
キャリアアップの可能性を明示する
ご質問の内容は多くの採用担当者が抱える共通の悩み。特に小売業はかねてから「キャリアパスが不透明で、スキルアップの機会が少ない」というイメージを抱かれがちです。そこで、改めて自社の特徴を見直し、入社後の明確なキャリアステップをしっかりアピールする必要があります。
例えば、現場の経験を活かして将来的に本社勤務に転換した事例や、管理職へのステップアップが可能であれば具体的に示すことをお勧めします。企業説明会では社員が自分自身のキャリアを説明する時間を取ったり、採用情報には具体的な事例を分かりやすく明記することで、応募者は将来のキャリアビジョンを描きやすくなります。また、他社にはない独自の福利厚生があれば、存分にアピールをしましょう。
企業が成長をサポートする体制が整っていることを示すことで、他社との差別化を図り、応募者にとっても魅力的な職場として認識されやすくなるでしょう!
コミュニケーション教育による職場環境改善がカギ
アルバイトから社員への登用が多い小売業では、日々の社員の言動や姿勢が会社のイメージ作りに大きな影響を与えます。
もし社員が日常的に職場への愚痴をこぼしていれば、アルバイトから見て「入社したくない職場」になってしまいます。現にアルバイト先で卒業後に正社員として働きたくない一番の理由は「つまらなそうに働く社員を見ているから」なのです。したがって、経営者は社員とコミュニケーションをとり、前向きに働ける環境を整えることがカギとなります。
職場のポジティブな雰囲気を維持するため、まずは職場で「挨拶がしっかりできているのか」を確認することが大切です。時にはコミュニケーションに関するセミナーを受講することも良いでしょう。また、定期的なメンタルケアを導入することも効果的です。アルバイトスタッフが「将来この会社で働き続けたい」と思えるような環境づくりは、職場環境の改善にもつながり一石二鳥です!
「採用が難しい業界」だからこその自社見直し
採用に苦戦する中で自社の魅力や強みを改めて評価することも重要です。日常的に行われている職場環境の些細な改善や施策が「ここで働く理由」になることも多々あるのです。ぜひ、ポジティブな目線で自社を見つめなおし、採用活動に活かしていきましょう。
また、自社の魅力がまとまったら、実店舗やSNSや地域のイベントなど、幅広い媒体を活用し、自社の魅力をより多くの方に知ってもらいましょう。競争が激しいからこそ、出来ることからコツコツと努力を重ね、採用活動を成功に導きましょう!
実は親を納得させることが一番重要?!内定通知後も気を抜かず!
最後は、採用活動の大詰めである「内定通知を出した後」のお話です。初めにお伝えしたように、小売業には「キャリアパスが不透明で、スキルアップの機会が少ない」というイメージが根強くあります。そのため、たとえ応募者本人が入社を希望していても、親御さんの理解が得られずに結果的に内定辞退となってしまうケースも少なくありません。特に新卒採用では、親御さんが子どもの将来を不安に感じることが多いため、親御さんの理解を得るための細やかな対応が欠かせません。
そのひとつとして、親御さんに対して、内定通知後に会社資料を送付すると良いでしょう。自社の特徴、入社後のキャリアパスを親御さんに理解していただく機会を作り、小売業界でキャリアを築くメリットや働きやすい職場環境を具体的に示すことで、安心感を与えることができます。また、親御さんからの賛同を得ることで、応募者自身も就職に対する安心感を抱き、内定承諾へとつながりやすくなるでしょう!
いかがでしょうか。
採用に苦戦する小売業界ですが、視点を変えた工夫や施策によって、応募者やその家族に「ここで働きたい、働いてもらいたい」と感じてもらうことが可能です。地道な取り組みが、採用成功への一歩となります。