Column/コラム

進捗管理システムについてアレコレ調べたら、奥が深すぎた件<前編>
2024.07.09
ペーパーレス

進捗管理システムについてアレコレ調べたら、奥が深すぎた件<前編>

進捗管理システムについてアレコレ調べたら、奥が深すぎた件<前編>

納期の特例の業務も一段落し、セブンセンスの業務フロアも穏やかな空気が流れている今日この頃。

ふと、パソコンのデスクトップを見ていて疑問がわいてきました。

セブンセンスの日常業務で、おそらくDocuWorksと同じくらい使われまくっているシステム…それが月次進捗管理システム。

セブンセンスでは、独自の進捗管理システムをFileMakerで構築して使用しています。

業界内では、Excel、MyKomon、kintoneなどで、進捗管理を行っている事務所が多い中で、なぜFileMakerでシステムを構築することを選択したのか?

その理由が知りたくて夜も眠れなくなってしまったため、調査してみることにしました!

まずは、現在のシステムを採用するに至った経緯を聞きに、セブンセンスグループCTOの山口さんの元へ。

–山口さんがセブンセンスに入られた時、一番初めの進捗管理の方法ってどんな感じだったんですか?

山口CTO(以下山口): 当時はExcelでしたね。Excelのシートにお客さんの一覧が縦にリスト化されていて、横軸に工程や日付を入力する項目が並んでいました。当時は分業制ではなかったので、日付だけを入れていました。作業が終わると、そのExcelを開いて日付を登録していく感じでした。

山口: ファイルサーバーにExcelを置いて、そこにみんながアクセスしていました。Excelは共有シートになっていて、同時に開けるんですが、他の人が色をつけたりすると、たまに壊れて開けなくなることがありました。

あったな…Excelファイルの共有設定…と思いExcel2019で探したら、なんかすごい面倒な所に隠れていた…

–Excelをやめた理由は、ファイルが壊れるからですか?

山口: そうですね。当時、すでに40人弱ぐらいの会計事務所でしたから、限界でしたね。

山口: その後はサイボウズのデヂエに移行しました。kintoneの前身のようなもので、ブラウザベースで使える簡易的なデータベースでした。今のサイボウズOffice※1のカスタムアプリに近いものです。

–デヂエを選ばれた理由は何ですか?

山口: 同時に編集ができて、作るのが簡単だったからです。データベースですが、デザインが楽でした。当時はAccess※2を使うのが一般的でしたが、扱える人が少なかったので、自分たちで作れるレベルのデータベースとしてデヂエを選びました。

山口: ただ、月次と決算はデヂエではなくて、BizBaseというグループウェアの進捗管理表の機能を使っていました。季節業務は大量に処理するので、デヂエを使った管理表にしました。どちらも2008年頃から使い始めていたと思います。

–BizBaseとデヂエを切り分けて使う理由は処理量の問題ですか?

山口: 当時の確定申告はまだ完全に分業的な処理をしていなくて、ある程度(顧客専任の)担当制をとっていました。季節業務は短期間で処理する件数が決まっているので、デヂエで管理したほうがやりやすかったんですね。
一方BizBaseは、カレンダーと連携していつどの作業をやるっていう予定が出てくるんですね。これは月次や決算の工程管理には便利なんですが、確定申告のように1ヶ月に大量にやるものがスケジュールに表示されてしまうと、件数が多すぎて非常にわかりにくくなってしまうんです。
そこで、ルーチン的な契約に基づいている業務はBizBaseを使用し、季節業務はデヂエを使用していたという感じです。

山口さん的には、BizBaseのように進捗管理の情報がグループウェアのカレンダーと連携できるというのはメリットでもあるとのこと。

–なるほど。ただ、この仕組みも変わっていくことになると。

山口: デヂエも導入当初は不満はありませんでした。しかし、使用していくうちに「全体を見たい」という要望が強くなったんですね。

山口: その理由は、今までの担当制から非担当制に変わっていったことが原因で、業務担当者は『今やれる仕事を自分で取ってく』みたいなスタイルに変えていったんですね。つまり、最初から誰がどの顧客の仕事をやるっていう決め打ちはせずに、 担当する業務工程でその時点で処理できる仕事を(顧客に関係なく)処理していくという形です。

山口: そうすると、今どこの工程に何件処理できる仕事ある、みたいな情報を表示できるようにしなければならなかったんですけど、 それがデヂエでは思うような表示ができなくて。
デヂエのデータを1分ごとにcsvで吐き出して、そのcsvデータを元に自分たちが見たい情報を表示するウェブページみたいなものを作ったんですね。これは今の進捗管理表のベースになっています。

左が当時の進捗管理表で、右が現在の確定申告の進捗管理表

山口: そうこうしてる間にデヂエがサービス終了になるという事になって、データベース部分は当時出てきていたkintoneに移行しました。さらに、今度は月次と決算の管理で使っているBizBaseがなくなるという事になって。

デヂエは2017年に販売終了… 
出典:https://cybozu.co.jp/products/old-products/dezie8/

山口: 季節業務で使用していたkintoneにするという事も考えたんですが、もっとインターフェイスが自由に作れて、コストパフォーマンスにもすぐれたFileMakerで再構築することに決めました。

–最終的には月次も季節業務もFileMakerになっていったと。

山口: そうですね。それにあたり、BizBaseにあった機能、たとえば日報機能なんかも参考にしながら、FileMakerでシステムを作っていきました。

山口: ただ、現在もプロジェクトであったりとか、それぞれの現場レベルで作りたい管理表とかは、フレキシブルに構築できるkintoneを使って業務を行っているところもあります。

–ありがとうございます。ちなみに、汎用システムから進捗管理システムを選ぶとしたら、山口さんは何を選びますか?

山口: グループウェアとセットになっているっていうのが良いのかなって思うと、業界的にはMyKomonとかを使う方が楽だろうなとは思いますね。他にも、desknet’sのAppSuiteも気になってはいます。
あと、Flowなんかは工程管理や連絡機能が優れているので、分業する事務所には向いていると思います。

株式会社ココペリが提供するFlow
出典:https://up.flow-ai.app/

山口: 結局管理表って、自分の業務だけを管理するんだったらそこまで重要性はないし、シンプルでいいんですけど、やはり複数の人が一緒に業務を行うってなると、それに見合った管理表が必要になってくるので、そこで選択肢が初めて生まれるのかなと。

–なるほど。1人でやってる分には、そのマネージャーとかが「この人どのぐらい業務やってるのかな?」が見えれば良いという感じですかね?

山口: そうですね。1人でやってる場合は、全体がどれぐらい終わってるのかが集計だけできればいいので、工程とか細かなところはあまり関係ないですよね。極端な話、Excelなどで入力したものを一箇所に集めれば管理できます。

山口: 一方、分業の場合は、今から何の仕事をするのかっていうことを拾い出さなければいけないので、進捗管理表がすごく重要になります。
結果を記録するためだけの進捗管理表っていうのが一般的にはよくあるんですが、分業ではこれからやる仕事を見つけるために管理表を使うので、業務のスタートが管理表になるわけです。

山口: こんな風に、目的に応じて、管理表に何を使うかっていうのが分かれてくるのかなと思います。

–ほかにも、システムを選択するポイントはありますか?

山口: 進捗管理表は作業してる人と管理者で見たい情報が違うので、同じデータから管理者が見たい情報と作業する人が見たい情報の2つの見た目が作れる形が理想だとは思います。

山口: 作業する人はあくまでも作業の工程だったり、1つの案件が分かればいいんですけど、管理者はやはり全体を見たいので。
そんなところを気を付けながら選択すると良いと思います。

<後編へつづく>

※1 サイボウズ社が提供する中堅・中小企業向けグループウェア
※2 Microsoft社が開発し提供しているデータベース管理ソフト