Column/コラム

創業1年で売上ゼロ。不足資金を追加融資で調達した事例
2024.03.13
融資業務

創業1年で売上ゼロ。不足資金を追加融資で調達した事例

創業1年で売上ゼロ。不足資金を追加融資で調達した事例

創業段階では、当初うまくいくと思っていたことがうまくいかず、想定以上に資金が必要になってしまうこともあるでしょう。
何とか追加で融資を受けたいと思っても、ほとんど売り上げがない状態では金融機関からいい返事をもらえそうもない…ということもあると思います。

そんな時でも、専門家のアドバイスのもとに事業計画を作って審査を受けることで、融資を受けることができる場合があります。

たとえ売り上げがほとんどない状態であったとしても、追加の資金によってビジネスが成功する可能性が十分にあれば、金融機関はちゃんと評価をしてくれます。
そのためには、正しく金融機関にその状況を理解をしてもらわなければなりません。

私たち融資の専門家のサポートを受けることで、金融機関が皆さんのビジネスの可能性を適切に理解できる、緻密な事業計画書を作成することができます。

今回ご紹介する事例は、創業からの1年間でほとんど売り上げがない会社が追加融資に成功した事例です。

この記事をご覧いただくことで、金融機関に皆さんのビジネスの可能性を理解してもらうためにはどのようなことが必要なのかが、お分かりになると思います。
現在、資金不足に悩まれている事業者様はぜひ参考にしてみてください。

追加融資を獲得できたポイント

今回の事例で融資を獲得できたポイントは、3つあります。

1つ目は、融資の申し込み前に相談をしていただいたことです。
イチかバチかで申し込みをして一度融資を断られてしまうと、専門家と一緒に動いたとしても、その後しばらくは申し込みを受け付けてもらえない状況となってしまいます。
創業段階で必要な資金の調達が遅れると命取りになりかねません。
申し込み前にご相談いただいたことで、成功確率を上げる十分な対策をとることができました。

2つ目は、しっかりとマーケティング調査を行ったことです。
依頼者が行う予定の事業は成長が見込まれる分野の事業であり、マーケティング調査を行ったうえでその成長性をアピールできたことが成功につながりました。

3つ目は、依頼者自身が熱意をもって金融機関に説明をしたことです。
依頼者は、ご自身の好きなものを対象とした事業をおこなっていることもあり、当該事業に対する強い気持ちがありました。
金融機関との面談において、そのような気持ちをご自身の口で伝えたことがポジティブな評価につながりました。

それでは、実際の事例でこれらのポイントを確認していきましょう。

動物好きが高じて起業も、資金難に。

ご依頼いただいた企業は、創業から1年が経過したC社。代表を務めていたのは、20代女性のXさんでした。
Xさんは在学中から動物に関する勉強をつづけ、様々な関連資格なども取得されている大の動物好き。
ペットの健康をサポートしたいという思いで、関連する商品を販売するC社を立ち上げられました。

C社では自社で企画したオリジナル商品を販売するというビジネスモデルを構想されており、その開発に着手したXさん。
創業融資で銀行から1,000万円を調達し、商品の製造から準備を進めていましたが、当初の計画よりもコストがかかり資金が足りない状況となっていました。

そこで追加融資を依頼すべく、日本政策金融公庫に相談を持ちかけたXさんでしたが、残念ながら窓口の担当者から厳しい言葉が。
「追加融資を受けるには、まずは現在の事業で実績をあげてほしい」とのことで、Xさんは行き詰まっていました。

十分なマーケティング調査と代表の熱意で融資に成功

私たちはC社への融資を実現するために、まず、その事業内容を詳しくヒアリングさせていただきました。
その結果、当該商品の販売ができるような状態になるまでには、その原価や人件費、広告宣伝費などで1,000万円程度が必要になるという試算となりました。

また詳細をうかがうと、C社の提供するオリジナル商品はペット関連商品の中でも市場が大きく、成長が見込まれる分野の商品であることがわかりました。
そこで、融資の申し込みの際にはマーケティング調査をしっかりと行い、事業の成長性をアピールしていただくことをアドバイスさせていただきました。
実際の金融機関との面談では、これらの調査結果に加えてXさんの『ペットの健康をサポートしたい』という強い気持ちを伝えたことがプラスの評価となりました。

くわえて事業計画書には、商品単価と見込みの販売数から売上および原価を算出した、60か月の数値計画を添付しました。Xさんにはこの計画をもとに、金融機関にじゅうぶん返済の見込みがあることを説明していただきました。
金融機関に提出する事業計画はマーケティング面だけでは不十分であり、ビジネスの詳細を財務面からも説明できる緻密な事業計画を作って説明する必要があります。
私たちは、主にこの数値面での事業計画書の作成をサポートさせていただきました。

このような支援を行った結果、C社は最終的に1,000万円の追加融資を受けることに成功しました。
C社はその後、無事商品の販売を開始。ビジネスの革新性もあり、業界内でも注目を集める存在となっています。

まとめ

今回の事例のように、金融機関への相談段階ではあまり良い反応を得られなくても、専門家と一緒に融資にチャレンジすることで、成功の確率を上げることができます。

一見融資を受けることが難しい状況であったとしてもあきらめずに、まずは専門家にご相談することをお勧めします。