Column/コラム

令和6年能登半島地震の災害に伴う雇用調整助成金の特例措置について

令和6年能登半島地震の災害に伴う雇用調整助成金の特例措置について

おはようございます。
セブンセンス社会保険労務士法人の山崎です。

私からは、労務に関する最新情報やお役立ち情報、
事業主の皆様に注意していただきたいことなどを
お届けします。

今週のテーマは、
令和6年能登半島地震の災害に伴う
雇用調整助成金の特例措置についてです。

雇用調整助成金とは、経済上の理由により
事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が、
労働者に対して一時的に休業等を行い、
労働者の雇用の維持を図った場合に、
休業手当、賃金等の一部を助成するものです。

令和6年能登半島地震に伴う経済上の理由により
休業等又は出向を行う事業主を対象に、
休業等又は出向の初日が令和6年1月1日から
令和6年6月30日までの間にある場合に
雇用調整助成金の特例措置を実施しています。

①新潟、富山、石川、福井の各県内の事業所を
 対象にした休業等または出向を実施した場合
 の助成率が引き上げられます。
 【大企業】 1/2 ⇒ 2/3
 【中小企業】 2/3 ⇒ 4/5

②新潟、富山、石川、福井の各県内の事業所を
 対象に支給日数が「1年間で100日」から
 「1年間で300日」に延長されます。

③新規学卒採用者など、雇用保険被保険者とし
 て継続して雇用された期間が6ヶ月未満の
 労働者についても助成対象になります。

④過去に雇用調整助成金を受給したことがある
 事業主であっても、
 ・通常、支給日数は3年間で通算150日までの
  ところ、今回の特例の対象となった休業等
  については、この制限は適用されません。
 ・前回の対象期間の満了日の翌日から1年を
  経過していなくても助成対象になります。

⑤新潟、富山、石川、福井の各県内の事業所を
 対象に休業等規模要件が緩和されます。
 対象労働者の所定労働日数に対する休業等の
 延日数の割合(休業等規模要件)
 【大企業】1/15以上 ⇒ 1/30以上
 【中小企業】1/20以上⇒1/40以上

⑥新潟、富山、石川、福井の各県内の事業所を
 対象に残業相殺が撤廃されます。
 残業相殺とは、支給対象となる休業等から
 所定外労働の時間を相殺して支給することを
 いいます。

⑦生産指標の確認期間を3ヶ月から1ヶ月に短縮
 最近1ヶ月の販売量、売上高等の事業活動を
 示す指標(生産指標)が、前年同期に比べ
 10%以上減少していれば、
 生産指標の要件を満たすこととなります。

⑧最近3ヶ月の雇用量が対前年比で増加して
 いても助成対象となります。
 通常、雇用保険被保険者及び受け入れている
 派遣労働者の雇用量を示す雇用指標の最近
 3ヶ月の平均値が、前年同期比で一定程度
 増加している場合は助成対象となりませんが、
 その要件が撤廃されます。 

⑨地震発生時に事業所設置後1年未満の事業主に
 ついても助成対象となります。
 地震発生時において雇用保険適用事業所設置後
 1年未満の事業主については、
 生産指標を地震発生前の指標と比較します。

⑩計画届の事後提出が可能になります。
 通常、助成対象となる休業等又は出向を行うに
 あたり、事前に計画届の提出が必要ですが、
 計画届の提出日が令和6年3月31日までの間
 である場合は、計画届を事前に提出したものと
 みなします。
 これにより、令和6年1月1日以降に
 開始された休業等や出向についても
 遡及して助成対象となります。

それでは、来週もよろしくお願いいたします。