2023年のMBOの動向
おはようございます。
金曜日を担当していますセブンセンスグルー
プ(SSG)公認会計士の高橋です。
金曜担当の私からは、会計、経営、財務、税
務、監査、内部統制関連の基礎・Tips・ニ
ュース等をお伝えします。
第187回の今回は、2023年のMBO(Management
Buyout)の動向についてご紹介します。
新聞記事等でも良く見かけると思いますが、
2023年のMBO市場は活況を呈しており、過去
最高の1兆円を超える規模に達しました。
大正製薬やベネッセなど大手企業の非公開化
が目立ち、中長期的な経営改革や株価の割安
感、アクティビストの圧力が背景にあります。
そもそも、MBOとはどのようなものなのでし
ょうか。
簡単に説明すると、経営陣が参加する買収の
ことで、主に上場企業の経営陣や従業員が、
外部の投資家や金融機関と協力して自社の株
式を買い取り、非公開化する手法です。
これにより、会社は短期的な市場の圧力から
解放され、中長期的な経営計画や構造改革を
より自由に進めることができます。
先日も以下のような記事がありました。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC24A6F0U3A121C2000000/
2023年11月26日 日経電子版
引用、要約すると・・・、
・ 2023年、上場廃止となる企業のMBO金額が
1兆円を超え、過去最高に
・ 大正製薬ホールディングスとベネッセ
ホールディングスのMBOが注目される
・ 中長期的な観点での構造改革のため、企
業は上場負担から逃れる動き
・ 東京証券取引所は株価を意識した経営に
取り組むよう要請
・ 株価が割安な企業に対する圧力増加、PBR
に関する東証の要請が影響
・ アクティビストによる要求や、経産省の
企業買収に関する新たな行動指針
・ 金利の先高観を背景に低金利時にMBOを実
施する動き
・ 非上場化の際の買い取り価格決定におけ
る利益相反の問題
というもの。
2023年のMBO増加は、経営陣による企業の長
期的な成長と独立性の追求を示しています。
特に、大正製薬やベネッセのような大規模な
MBOは、企業が短期的な株主価値の追求から
解放され、経営の自由度を高めたいという意
向の表れです。
しかし、利益相反のリスクや少数株主の権利
を軽視する可能性もあるため、適切な価格設
定や株主との透明なコミュニケーションが重
要になります。
東京証券取引所の株価意識の要請や金利の先
高観も、この動きを後押ししています。
企業はMBOを通じて、より戦略的かつ長期的
な経営を目指す必要がありますが、その過程
で株主とのバランスを取ることが重要と言え
るでしょう。
今回は「2023年のMBO動向」についてお伝え
しました。
大手企業の非上場化は、中長期的な経営改革
の手段である一方で、株主との関係や公正な
価格設定に対する課題も浮き彫りにしていま
す。これらの課題にどう対応していくかが鍵
となります。
それでは、今日はこの辺で。
良い週末をお過ごしください。