IFRS導入企業が大幅に増加
おはようございます。
金曜日を担当していますセブンセンスグルー
プ(SSG)公認会計士の髙橋です。
金曜担当の私からは、会計、経営、財務、税
務、監査、内部統制関連の基礎・Tips・ニ
ュース等をお伝えします。
149回目の今回は国際会計基準(IFRS)を導入
している企業が増加している、という記事が
ありましたのでご紹介します。
今週、以下のような記事がありました。
https://nnp.y-ml.com/cs/Daily/9047/3631
2023年1月18日 日経電子版
要約・引用すると・・・、
・国際会計基準(IFRS)導入企業の存在感が
日本で高まっている
・社数ベースでは市場全体の7%にとどまるが、
合計時価総額では全体の44%に達する
・グローバル企業の適用が相次ぎ、主要企業
で構成するJPX日経インデックス400ベースで
は時価総額の5割を超えた
というもの。
東証上場企業のうちIFRS適用企業は2022年6
月末時点で247社と1年前から21社増えたとい
うことです。
記事にもありますが、導入の理由は以下のよ
うな点にあると思われます。
①グループ管理のしやすさ
②のれんの会計処理
「①グループ管理のしやすさ」については、
海外展開している企業にとっては、海外子会
社等が適用するIFRSと合わせることにより
管理会計上もなにかと便利であると言えるで
しょう。
日本基準を採用してる日本のグローバル企業
の海外子会社は、IFRSや現地基準で記帳をし
ており、
四半期や年度末のみIFRSや現地基準から日本
基準への調整仕訳を行うことにより、海外子
会社等の数値を
日本の会計基準に合致するように修正するの
が一般的です。
そのため、親会社である日本の本社がIFRSを
適用することにより、海外子会社等の数値を
そのまま取り入れることが可能となり、
月次での管理会計もスムーズに実施すること
が可能となります。
「②のれんの会計処理」については、ご存じ
の方も多いと思いますが、日本基準ではのれ
んを20年以内に償却する必要がありますが、
IFRSの場合には償却は不要であり、毎期減損
テストを行い、のれんの現在価値が大きく下
がっている場合以外には費用化する必要はあ
りません。
そのため、巨額ののれんが発生するような企
業結合を行った場合には、IFRSを採用してい
るか否かにより、
毎期の費用・損失額は大きく変わってくるこ
ととなり、費用化が必須となる日本基準より
もIFRSの方が好まれる傾向にあります。
このように、IFRS導入は様々なメリットがあ
りますが、導入するには基準差となる部分を
網羅的に把握する必要があり、
また、基準差にあわせて数値の管理体制も修
正する必要があるため、かなりの負担が発生
するのも事実です。
そのような負担を考慮してでもIFRS導入のメ
リットがあると考える企業が増えているとい
うことが、導入企業増加の要因となっている
と言えます。