Column/コラム

2022年3月期決算の開示すべ き重要な不備

2022年3月期決算の開示すべ き重要な不備

2022年3月期決算の開示すべ き重要な不備

おはようございます。

金曜日を担当していますセブンセンスグルー
プ(SSG)公認会計士の髙橋です。

金曜担当の私からは、会計、経営、財務、税
務、監査、内部統制関連の基礎・Tips・ニ
ュース等をお伝えします。

146回目の今回は2022年3月期決算の上場会社
が提出した内部統制報告書における開示すべ
き重要な不備についてお伝えします。

経営財務のNo.3584に以下のような記事があ
りました。

<開示すべき頂要な不備、2022年3月期は24社>
https://www.zeiken.co.jp/keieizaimu/article/no3584/index.php
2022年12月12日 経営財務(リンク先は会員のみ閲覧可)

抜粋すると・・・・、

・2022年3月期決算の上場会社が提出した内
部統制報告書において、24社が「開示すべき
重要な不備があり、内部統制は有効でない」
旨を開示していた

・不備の内容は、「会計処理等の誤り等」が
12社で最も多い

・具体的には、リベートに係る収益認識基準
の理解不足や、IFRS第16号「リース」適用に
おける賃貸借契約の会計処理漏れ、法人所得
税注記のための収集データ漏れ等があった

・その他に「不適切な取引・不正行為等」が
8社、「不適切な会計処理等」が4社あった

・また、海外子会社等に関連する不備は、24
社のうち4社あった

というもの。

内部統制報告書における開示すべき重要な不
備とは、発見された内部統制の不備のうち、

財務報告に重要な影響を及ぼす可能性が高い
財務報告に係る内部統制の不備の事を言いま
す。

ざっくり言えば、影響が大きい重大な内部統
制の不備の事になります。

通常、企業における内部統制確認、及び会計
監査人による内部統制監査は期中に行われる
ことが多いため、

開示すべき重要な不備が発見されたとしても、
期末までにその不備が是正されれば内部統制
報告書に開示されません。

その為、開示すべき重要な不備として開示さ
れる不備は、是正することが出来ないほど根
本的な不備か、

期末までに是正が間に合わなかった場合等に
開示されることとなります。

2022年3月期に係る「開示すべき重要な不
備」の内容は、「会計処理等の誤り等」が12
社で最多で、

「不適切な取引・不正行為等」は8社、「不
適切な会計処理等」は4社だったとのことで
す。

不備の主な発生原因としては、

①必要かつ十分な会計専門知識を有する人材
の増員強化が間に合わなかったため、社内チ
ェック体制が不十分だった事

②適切な決算資料や開示書類作成に必要なグ
ループ会社間の情報共有が一部不足

③リモートワーク移行によりオンラインでの
コミュニケーションが不足

④担当者の病欠や退社等が相次ぎ、決算財務
報告に対応できる十分な経理人員体制を構築
することが出来なかった

等があげられています。

昨今のコロナの状況や人手不足の業界という
点で③や④の理由は他人事ではありませんが、

上場会社となると、どのような理由であれ重
要な不備があれば公表されてしまう点は辛い
ところです。