Column/コラム

法人成りは法人設立届出書等に要注意

法人成りは法人設立届出書等に要注意

法人成りは法人設立届出書等に要注意

おはようございます!
税理士の松嶋と申します。

本メルマガは、皆様が怖い怖い
とおっしゃる税務調査に対し、
勇気をもって戦えるノウハウを
解説しております。

私のパートは【毎週木曜日】です。

税務調査について分かりやすく
解説していきます。

それでは、第三百七十五回目。

テーマは、

「法人成りは法人設立届出書等に要注意」

です。

本連載でも指摘しましたが、個人の
事業所得者は、法人成りのタイミングで
税務調査が実施されることが多くあります。

法人成りをするということは、個人事業を
廃止するということですので、国税の
個人課税部門から法人課税部門に管理が
移転することになります。

こうなると、個人課税部門は税務調査の機会が
なくなり面白くないので、最後の総決算として
税務調査をすることが多くあります。

このような事情がありますので、国税は
どうやって法人成りを把握しているか、
よく疑問を寄せられます。

これは大きく分けて二つあり、
一つは個人の事業廃止届出です。

事業廃止届出をご覧いただくと、
「廃業の事由が法人の設立に伴うものである
場合」
という欄があり、細かく設立法人の情報を
記載することになっています。

もう一つは法人設立届出書です。
ここでは設立形態として、
「個人企業を法人組織とした法人である場合」
という欄があり、個人で申告していた
所轄税務署とその税務署における整理番号を
記載することが求められています。

所轄税務署と整理番号が分かれば、国税の管理は
非常に用意ですので、法人成りしたことをすぐに
把握されることになります。

ところで、事業廃止届出書にしても、
法人設立届出書にしても、その届出書に
記載すべき内容は法律で決まっています。

法律を読んでいただくと分かりますが、
法人成りした事績などを書くことは
求められていません。

言い換えれば、これらの事項については、
国税が納税者に自発的な協力を求めている
にすぎず、仮に記載がもれていたとしても、
法律上の問題は生じないと考えられます。

このことを踏まえると、法人成りしたとしても、
これらの届出書における法人成りに関する
事項を空欄にしておいた方がいい、という
結論になります。

こうすれば、国税としても法人成りした事実を
おいそれと把握できず、個人課税部門から
税務調査される可能性を減らすことができる
と考えられます。

実務で意識することは多くありませんが、
原則として申告書や届出書などは様式を国税庁が
作成していることもあって、気づかないところで
国税にとって都合のいい情報を入手するような
トラップが仕掛けられています。

法律で義務付けられる記載事項は当然書くべき
ですが、それ以外のことは記載する必要は
ありません。

このようなトラップに引っかかることの
ないよう、申告書や届出書の記載内容として
どこまで求められているか、法律を
逐一参照することも重要になります。