私が法規集を買い続ける理由
おはようございます!
税理士の松嶋と申します。
本メルマガは、皆様が怖い怖い
とおっしゃる税務調査に対し、
勇気をもって戦えるノウハウを
解説しております。
私のパートは【毎週木曜日】です。
税務調査について分かりやすく
解説していきます。
それでは、第三百五十一回目。
テーマは、
「私が法規集を買い続ける理由」
です。
インターネットが社会に浸透してから
長いですが、今では税理士の飯のタネに当たる
税法や通達が、インターネットで無料かつ
手軽に見ることができる時代になりました。
こうなると、法規集や通達をわざわざ
紙で買う実益はないと考える方も多く、
実際のところ業界で著名な弁護士も
法規集を買うことを止めた、と言っていました。
とりわけ、税法は毎年改正されますから、
法規集を買うとすれば毎年購入する必要があり、
コストが馬鹿にならないことはもちろん、
場所も取るため、インターネットで足りる、
というのでしょう。
あくまでも個人的な意見ですが、
このような時代にあっても、私は税法や
通達の法規集を買い続けます。
その理由は、インターネットで条文を読むと、
パソコンという媒体の都合上、読み落としが
多く発生するからです。
とりわけ、税法は条文が長く、かつ
カッコ書きなど読みにくい部分が多いですから、
紙で細かく読まないと致命的なミスに
つながります。
加えて、税理士の責任は無限責任のため、
「知りませんでした」「ミスしました」は
許されない世界です。
近年は税理士のミスに裁判所も厳しいですから、
条文を本当に隅から隅まで読まないと、
そのまま高額の損害賠償請求につながる
可能性があります。
私は臆病な性格なので、
これからも紙ベース法規集を読まないと、
到底安心できません。
とりわけ、消費税法や租税特別措置法に
多いのですが、近年は税法に致命的なミスに
つながる落し穴が増えたという印象があります。
事実、私も記憶していた内容が、
税法の条文に合っておらず、
冷や汗をかいたことがあります。
このため、今まで以上に条文を細かく
読まなければならず、紙の法規集に
マーカーを引き、カッコ書きを区分する
といった、よりアナログで地道に条文を
読むことが求められている時代なのです。
にもかかわらず、法規集を買わなかったり、
税法をそもそも読まなかったりするなど、
条文を甘く見る専門家が多いのには驚かされます。
私が以前勤めていた会計事務所の所長税理士は、
「税法を読むのは生産性が低いため趣味であり、
仕事ではない。
時間があれば会計処理をやりなさい。」
などと宣っていました。
このような、税法を軽んじる専門家が多いのが
残念ですが、これからはこのような
いい加減な対応は通用しなくなるはずです。
こういう訳で、私は毎年法規集を購入し、
気を引き締めています。専門家の方はもちろん、
税法を全く勉強しない、国税職員の方にも、
法規集の定期購入をお薦めします。