Column/コラム

税理士・会計事務所がペーパーレスでDXを加速!成功事例の紹介
2023.09.14
ペーパーレス

税理士・会計事務所がペーパーレスでDXを加速!成功事例の紹介

税理士・会計事務所がペーパーレスでDXを加速!成功事例の紹介

昨今、税理士・会計事務所業界でも注目が高まるDX。DX化を実現する際に欠かせない取り組みの一つがペーパーレスです。

本記事では、実際にペーパーレスへ取り組んだセブンセンス税理士法人や全国の会計事務所による成功事例、「DocuWorks(ドキュワークス)」活用方法、ポイントをご紹介しています。「既にペーパーレスへ取り組んでいる事務所様」から「これからペーパーレスに取り組む事務所様」まで、是非ご覧ください。
[ez-toc]

ペーパーレスで業務効率改善の成功事例


セブンセンス税理士法人は、ペーパーレスの導入により業務効率が大幅に上がりました。

ペーパーレスが業務の見える化に繋がり、ルールを守られているか否かが管理しやすくなったことにより、業務進捗のスピードアップが得られました。ルールが徹底できると標準化に繋がり、業務効率を改善しやすくなったことは、ペーパーレスの導入による明確な効果でした。

また、取り組んだ当初は2拠点での業務形態だったことに加え、少ないながらも在宅勤務を行う者もいましたが、ペーパーレスによるスピーディーな情報共有の実現で、更なる改善効果も得られました。

業務効率が改善された結果、当税理士法人では「年間700万円以上のコストカット」「一人当たり生産性が1.5倍以上」の成果を上げることができました。

膨大な紙資料が業務フロアを圧迫

税理士・会計事務所がペーパーレスを行うきっかけの一つに、場所の確保があります。膨大な資料がフロアを圧迫するため、事務所内の導線を妨げてしまったり、従業員が増やせなかったりする点は、どの会計事務所でも共通の課題として上がるかと思います。

実際に当税理士法人では、ロッカーや書庫・屋根裏部屋までも資料が占拠していたため、従業員を確保するどころか、かなり窮屈な状態で業務を行わなければなりませんでした。

「資料保管場所の移動(電子化)」を定着化

ペーパーレスの導入に成功している会計事務所が取り組んでいることは、「資料保管場所の移動(電子化)」です。これまで紙で保管していた資料を電子上に移動することから始めていきます。

例えば、決算書類は決算年度を確認し、保存期間のリストアップを行い、破棄して良い資料と残しておく資料を選別します。保存が必要な資料のみ、電子上で保管を進めていきます。実際に当税理士法人でも、資料保管場所を移動(電子化)するだけで2部屋分程度のスペースを空けることができました。

但し、一度に全ての紙資料を電子化することは大変な労力を要します。まずは日々の業務で使用する紙資料を電子化する習慣付けを定着させることから始めていき、段階的に完全なる電子化へ移行することが大事です。

ペーパーレス導入後、現場の感想は?

ペーパーレスを導入した当初は、正直どの会計事務所でもやりづらさを感じるものです。従来の保管場所や業務デスクが電子上に変わるために、慣れ親しんだやり方で進めていた現場の方々にとっては慣れない作業に時間もかかり、ストレスを感じるのは当然です。

当税理士法人でも同様であり、導入当初は業務効率が落ち、現場から不満の声も多く出ていました。しかし、導入後1ヵ月が経過した頃より不満の声は減り始め、各職員もペーパーレス業務に慣れていきました。当初より、紙資料を取り扱う感覚(業務フロー)を極力変えず、現場に受け入れてもらいやすいペーパーレスの導入を進めたことが良かったと感じています。

ペーパーレスに欠かせない「DocuWorks」

ペーパーレス化を進める際、専用のシステム・環境構築が必要です。セブンセンス税理士法人では、「紙資料を取り扱う感覚で、電子上で作業ができるツール」という目線で検討した結果、「DocuWorks(ドキュワークス)」というツールと出会いました。

DocuWorksでは、「DocuWorks Desk(電子の机)」と「DocuWorks Viewer(電子の文房具)」の機能を使い、電子上で紙同様の作業が実現可能なツールです。ペーパーレスへ移行する多くの税理士・会計事務所にとって、非常に相性の良いツールであり、当税理士法人では15年経った現在も使い続けています。

具体的に、DocuWorksを使用したペーパーレスの取り組みをご紹介します。

電子上の机を通じた資料のやり取り

まず、DocuWorksを通じた電子上の資料のやり取りを実現させることが重要です。

税理士・会計事務所では、業務指示書の受け渡しや資料のチェック作業、社内ワークフローの回覧等、担当者間の資料のやり取りが非常に多く発生します。これらを電子上で実現するために、職員それぞれの電子の机をDocuWorks上に設け、やり取りが必要な相手の電子上の机に対して資料を送受信する仕組みを構築しました。

特に、現場に浸透させるポイントは「従来の業務と同じフローで構築する」という点です。例えば、チェック書類は上長の席に持っていく、という流れが従来からあったため、同様に電子上へ各人の机を設けることが欠かせません。この点、紙で書類を回していた頃と感覚が変わらないため、実際に多くの会計事務所で大きな違和感なくスムーズに浸透していきます。

顧問先資料の取り扱いに関するルール作り

そして、顧問先資料の保管場所を電子上へ移行する際のルール作りが大切です。

従来より、会計事務所では顧問先であるお客様の紙資料の保管場所として、ロッカー・書棚を使用するケースが多いと思います。そこで、ペーパーレスの導入に伴い、電子上に顧問先資料の保管場所を用意するべきです。その際、保管場所のルールを設けて運用を行うことがポイントです。ルールに基づいて運用することで、資料を探す手間がなく、スピーディーな情報共有を実現できます。

但し、単なる資料の保管場所とすると「業務が完結した後にまとめて紙資料をスキャンする」となりがちなため、業務を電子上で行うためのルールが必要です。例えば、既に申告も終わり、顧問先に成果物を納品し終わったタイミングの場合、各資料をまとめて電子上に補完するモチベーションは沸きづらく、資料の電子化が疎かになります。資料保管に加えて、日々の業務処理も同時に進行可能なルールを設けることがペーパーレスの定着に重要です。

ペーパーレス導入3つのポイント

税理士・会計事務所でペーパーレスを導入する際に、特に注意すべきポイントが3つあります。

ポイント1:現場目線でのやり方を念頭に置く

第一に、現場目線でのやり方を念頭に置くことが欠かせません。

ペーパーレスを導入する際には、新しいツールの使い方、新しいルールの定義等、慣れない環境での業務を現場に強いることとなります。その際、効率のみを求めてフローを複雑化させるのではなく、現場目線でのやり方を意識することが、スムーズな導入に繋がります。

そこで、従来の業務フローをベースに新しいツール・ルールを設定することで、現場にとってもやり慣れた流れを維持しつつ、管理者・設計者にとっても労力を抑えられます。極力、従来のやり方を活かすことが導入時のポイントです。

ポイント2:最初から理想形を落とし込まない

ペーパーレスの導入時に陥りやすい失敗は、最初から理想形を落とし込もうとすることです。

特に、ペーパーレス導入時のプロジェクトリーダーや改善担当に任命される方は相応のリテラシーを持つケースが多いです。それ故に「充実している新しいツールの機能をフル活用しよう」と考えてしまったり、難しい業務ルールを作りがちであり、これらが結果的に業務の非効率さを招きます。

対策として、業務フローやルールを決める前に、新しいツールで使用する機能を絞ることから始めるのが良いでしょう。先に使用する機能を決めることで、限られた機能を前提に仕組みを作ることが可能なため、自然とシンプルな業務フロー・ルールを構築することができます。

ポイント3:「ウチに合わない」と感じる場合は見直す

ここまでご紹介したペーパーレスを導入する有用性やポイントを踏まえて取り組んでみても、いまいち合わないと感じる可能性もあるかと思います。

ペーパーレスはメリットが多い取り組みではあるものの、業務環境次第では大きな効果が得られないことも事実です。例えば、1フロア・2~3名の事務所であれば、情報共有に電子を用いなくても口頭で十分なこともありますし、進捗の管理はホワイトボードを利用した方が利便性は高いかもしれません。

ペーパーレスの導入へチャレンジすることは強く推奨します。しかし、取り組んだ結果「ウチの事務所に合わない」と感じる場合には、敢えて電子的なツールに頼らない方法も良いかもしれません。いずれにせよ、まずは導入時のポイントを押さえて実践し、現在の事務所との相性・可能性を見極める検証を行うことが重要です。

まとめ

ペーパーレスこそ、DXの第一歩!

従来、会計事務所の仕事は紙からのインプットと紙へのアウトプットが非常に多いです。しかし、紙が存在する限り、デジタルの恩恵は享受できません。

拠点間やテレワークを通じた物理的距離が生じる業務連携、データ化された資料によるスピーディーな情報共有等、全てペーパーレス化が前提となります。つまり、紙そのものの保管・管理を排除するペーパーレスこそがDXの第一歩です。

昨今、税理士・会計事務所業界でもDX化の重要性がより高まってきています。今、ペーパーレスを推し進めることが会計事務所のDX化を実現するために欠かせないステップとなると確信をしています。

「ペーパーストックレス」サポートのご案内

ペーパーレス化への移行は会計事務所にとって急務ですが、移行時には問題や失敗する要因が多く潜んでおります。そのため、セブンセンスでは「ペーパーストックレス」という独自のペーパーレス手法を用いて、会計事務所のペーパーレス・DX化をスムーズに進めるためのお手伝いを行っています。

本記事でご紹介した内容は全て「ペーパーストックレス」に基づく考え方であり、当税理士法人をはじめ既に全国各地の税理士・会計事務所で実践し、やり方・ノウハウが確立された成功手法です。

「既にペーパーレスに取り組んでいるものの、期待する成果が得られない事務所様」
「これからペーパーレスに取り組み、生産性を高めたい事務所様」
等、ご興味をお持ちの方はお気軽にご相談ください。