『世界の贈与税 –春は “馬に恋する税!”-』
Topic 『世界の贈与税 –春は “馬に恋する税!”-』
熱い春がやってきた！
人気1位はタイトルホルダー、2位ジャスティンパレス、3位ボルトグフーシュ、4位シルバーソニックト…
…と、私の知人（女性20代）はこのところ新聞やら雑誌やら予約券など手に丸めて持ち話がつきません。
そうなのです、知人は大の競馬好き‼（汗）、勝った負けたと日々夢中なのです。
熱くなっているのです！（笑）
4月は、桜花賞、皐月賞、そしてついに週末30日には、
“強者たちによる春の最強馬決定戦 天皇賞（春）” が京都で開催される予定です。
ますます馬と一緒に熱がこもっています。（上の名前は天皇賞の人気登録馬です）
みなさまは競馬に行かれることはありますか？
筆者はあの負けたときに馬券をパッーとレース場にばら撒く瞬間をみる‼
それだけで気持ちがさっぱりします！
・・という事で知人の奮闘伝を聞くだけで満足しています^^
この私の知人は、将来一攫千金を狙って馬主になることが夢なんですね。
♪夢、燃えて熱いですねー ^^
・・すこし競馬について・・
競馬の起源は古代中東にあるとされていて、紀元前4,500年頃にメソポタミア地方で馬が家畜化された後、
紀元前3,000年頃には馬に乗って競技が行われていたようです。
その後イギリスで18世紀に競馬は始まり、貴族の社交行事として発展してイギリスの競馬は世界的に有名です。
さらに世界中に広がり、現在では多くの国で競馬が行われています。
・・そして日本の天皇賞と言えば・・・
4月30日にレースが行われる＜天皇賞＞は、日本の競馬では最も権威ある競走の一つで、春と秋にあるそうで、3歳以上の馬が出走します。
天皇陛下が創設された天皇杯競走を優勝馬に授与することから、その名前が付けられてるのですね。
＜天皇賞＞は日本の競馬界においても特別な存在なのです。
―♪ 馬主の要件 ♪―
しかしながら・・・馬主になるには、まずは高い登竜門があったのです（汗）
（筆者作成、参照：馬主になるための要件：馬主になるには JRA）
～誰でも簡単にサラブレットの馬主にはなれない訳ですね ^^。
競走馬は過酷な “競争の使命” だけを背負った生まれてきた血統書付きの動物ですから、
これなら馬主さんも選別され、大切にしていただけるのだと思うと少し安心です。
★という流れから、
今回は、私の若き知人が夢を実現させて馬主になった場合の税金のお話になります。
日本で馬を保有する場合の税金
（※賭けた方ではなく馬の保有者です）
★まずは、知人が日本で馬主になったら。。
（所得税）
競走馬保有に関する課税は原則は雑所得となり、他の所得と損益通算(赤字と黒字の相殺)はできないですが、
以下の条件にあてはまると事業所得として他の所得と通算可能です。
①保有頭数による判定（基本的に5頭以上）
②出走回数による判定（基本的に年5回以上出馬）
雑所得では損益通算ができませんので、1頭もっていても節税には繋がりにくいと言えますね。。
＝所得区分フローチャート＝
（チャート筆者作成）
参照：馬主税務情報 | 一般社団法人東京馬主協会 (toa.or.jp)
競走馬の保有に係る所得の税務上の取扱いについて（通知）｜国税庁 (nta.go.jp)
所得税基本通達 27-7 競走馬の保有に係る所得が事業所得に該当するかどうかの判定 | 法令集 (zeiken.co.jp)
（馬産業振興に関する税制措置）
競走馬の生産に必要な種牡馬や繁殖牝馬の購入に対しては「繁殖用牛馬等等減価償却資産の特例」などの税制優遇措置が適用される場合がありますが、詳細は専門家にお尋ねください。
（相続税）
競争馬については、被相続人の死亡日の血統書、鑑定書又は証明書などを参照した鑑定評価額（＝時価）が相続財産とされます。
世界の馬に関する税
★もし知人が外国で馬主になったら。。
（米国）
アメリカ合衆国の馬に関する遺産税については、馬の所有者が亡くなった場合、その所有する馬は遺産の資産となり、遺産税がかかります。
ただし、馬の遺産税については、特別な優遇措置があります。
例えば、馬産業に従事している場合、所有する馬を業務用として認められることがあり、その場合には遺産税の対象から除外される場合があります。
また、競走馬に関しては、相続人が馬を競走馬として販売する場合には、遺産税の負担を軽減するために、競走馬に対して優遇措置が適用されることがあります。
競走馬の評価方法には、馬の実績、馬の血統、種牡馬または繁殖牝馬としての価値などが考慮されます。
その他に、アメリカ合衆国では競走馬に対する減価償却費の取り扱いが特殊で、競走馬は通常、3年から7年で償却されますが、償却の方法や期間が競走馬は限定されたルールに従う必要があります。
（see:”Internal Revenue Code” (IRC) のSection 2031(c), Section 2032A）
（イギリス）
イギリスにおいて、馬に関する税金にはいくつかの種類があります。
まず、馬の所有者が支払う可能性がある税金に、“Horse Racing Betting Levy” があり、これは、イギリスにおいて競馬に賭ける場合に課せられる税金で、競馬に関する賭け事業から徴収されます。競馬の賭けに関わる馬主やトレーナー、調教師などは、この税金を支払う可能性があるのですね。
また、馬の所有者が支払う税金としては、”Value Added Tax” (VAT) があります。
イギリスでは、馬の販売や輸入に対してVATが課されます。
しかし、競走馬の販売に関してはVATが免除されているようなので、状況によって異なります。
また、イギリスにおいては、”Inheritance Tax”（遺産税） があり、
競走馬や繁殖牝馬などの高価値な馬については、相続税の課税対象になることがあります。
馬の評価方法には、血統、実績、繁殖価値、保険価格などが考慮されます。
（オーストラリア）
オーストラリアにおいて、馬に関する税金には以下のようなものがあります。
まず、競馬に関する税金として、”Goods and Services Tax” (GST) があります。
競走馬の売買や血統書の発行などにGSTが課されるようですが、
一般的な競走馬に関する取引にはGSTが10%かかります。
また、オーストラリアにおいて、馬の所有者が支払う税金に、
“Land Tax” があり、これは、馬を保有する土地に課せられる不動産税で、
土地の価値に基づいて課税されるようです。ただし、馬の保有によって土地が農業用地として認定される場合には、Land Taxが免除されることがあります。
（フランス）
フランスは、 馬に対する付加価値税（VAT）が非常に低く、競走馬の売買においては競走馬の売買価格の0.75%程度の税金になるようです。
（その他の国：馬と関係から）
★馬との歴史が古い国
馬と繋がりが最も深い地域には中東地域が挙げられます。
中東地域では、古代メソポタミア文明や古代エジプト文明などが栄え、馬は古代から広く利用されています。
現在、中東地域で相続税があるのがわかっている国は、アフガニスタン、アラブ首長国連邦、イエメン、イスラエル、イラン、オマーン、リビアなどです。
★宗教上で馬と深い繋がりがある国
海外に進出する場合は、その国の宗教を知っておく必要もありますが、馬に投資する時も、馬と宗教が密接な国で馬に投資すると評価が高い場合があります。
例えば、インドでは、ヒンドゥー教やジャイナ教などの宗教において、古代から馬が利用され、馬文化が発展し馬が神聖な存在とされていて、特に、ヒンドゥー教では、馬を神格化したアシュヴィン神が存在し、馬は輪廻転生を通じて神聖な存在として崇拝されています。
アラブ首長国連邦では、イスラム教が国教とされていますので、馬に対する信仰や文化が根付いています。
特に、競走馬やアラブ種馬などは高い評価を受け、国内外で多くのレースが開催されています。
チベット仏教においても、馬が重要な存在で、仏教における聖獣として崇拝されています。特にダライ・ラマの乗馬は、精神的な意味合いがあるとされています。
この国々の中では、アラブ首長国連邦以外は相続税制度はありません。
(参照；各国の課税庁、JETRO,OECD等）
★以上のように、競走馬や馬に関して特殊な税金をする国はいくつかありますが、国によって異なりますので、詳細については、各国の税務当局や税務専門家に相談することが重要です。
馬の価格
それでは実際に馬を購入するとした場合、いったいいくら位なのでしょうか。。
★今 世界一高額な馬をご存じでしょうか？
現時点で公表されている、世界一高額な馬は、
「エッセンシャルクオリティ（Essential Quality）」という競走馬だそうです。
2021年3月のケンタッキーダービーで優勝し、所有者のシェイク氏が約2600万ドル（約28億円）でオークションで落札したのです。
～ 競馬ファンでなくても、このカッコよさには惚れ惚れしませんか？落札価格（＝評価）28億円です‼～
通常でも、競走馬1頭あたりの値段は、その種類や血統、育成環境や調教師の評価などによって大きく異なるようです。
また、競走馬の年齢や成績によっても価格に差が出ることがあります。
例えば、日本の競走馬市場においては、新馬戦に出走する2歳馬の平均価格は数千万円程度で、
中央競馬で重賞レースを勝利した3歳馬の価格は1億円以上になることもあります。
一方、引退した競走馬の場合、種牡馬や繁殖牝馬としての価値が重視され、その価格は10億円を超えることも珍しくないんですね。
・・こうして冷静に考えると、
20代の競馬大ファンの私の知人が競争馬を購入できる日はいつ来るのだろうか？
★★ 馬を楽しむ・・ ★★
競争馬の品種はサラブレットですが、実は競馬が好きな人は “儲け人” だけではないようです。
中にはサラブレッドの美しさに興味を抱き、写真を撮っている馬ファンも多くいるそうです。
たしかに、サラブレッドは競馬で勝つことのみを目的とし淘汰が繰り返されてきた特殊な動物！
いわばプロアスリートのような動物です。
そんな特殊な動物の肉体美が走る姿に魅了されるファンが多いのも納得ができそうです。
競馬は馬主にはならなくても、そして馬券を買わなくても何の問題もなく、むしろ買わないで競馬を楽しめることは経済的で素晴らしい趣味とも思えますね。
★GWには競馬場でみんなで歓声あげてサラブレットに熱くなるのも楽しそう‼
他に、みなさまはミニチュアホースという馬はご存じでしょうか？
原産国はアルゼンチンで小さい馬同士を意図的に交配させて作ったこちらも特殊馬です。
この馬は、最近はペットとしての需要も増えているらしく、日本でも30万円程度～のリーズナブルな価格で購入できるようですよ♪
https://nnp.y-ml.com/cs/Daily/9692/3781
こんなかわいい瞳にじっとみつめられると、ホント馬に恋して心が熱くなりそうですね^^
筆者は知人に、先にこちらの馬を飼うように勧めようかと思っています。
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