Column/コラム

死亡保険金の一部を分けた場合の税金について知りたい
2020.09.30
相続

死亡保険金の一部を分けた場合の税金について知りたい

60代・女性のご質問

夫の死亡により私(妻)が死亡保険金を受け取りました。
子供にはまだマンションの住宅ローンが残っているので、
保険金の一部を返済用にと思い分け与えました。
この場合は贈与税の対象になるのでしょうか。

回答

ご質問のケースにおける死亡保険金は受取人である妻固有のものですから、
妻から子へ分け与えると贈与税の対象となります。
夫が保険契約者かつ被保険者で受取人が妻という一般的なケースの場合、
妻の有する保険金請求権は、契約の当初から(途中変更でも可)保険契約に基づいて
定められているものです。

よって、この保険金請求権は相続によって取得するものではなく、
妻(保険金受取人)固有の財産であり、相続財産とはなりません。
(ただし、相続税法上は「みなし相続財産」となります。)
したがって、妻が受け取った死亡保険金を子供たちへ分け与えた場合は、
相続税ではなく贈与税の対象となります。

ただし、贈与となる場合であっても、必ずしもすべてに贈与税が課されるわけではありません。
次のいずれかの非課税対象枠以内であれば税金を支払う必要はありません。

⑴贈与税の基礎控除
通常の贈与では、年間贈与額110万円までは非課税となります。

⑵贈与税の配偶者控除婚姻期間が20年以上の夫婦間でマイホームの家屋やその敷地である土地、
あるいはマイホームの取得資金を贈与して、翌年3月15日までにマイホームを取得した場合には、
通常の110万円の基礎控除の他に2,000万円の配偶者控除が受けられます。

⑶相続時精算課税制度の選択
65歳以上の親から満20歳以上の子(推定相続人)への贈与については、2,500万円までは
その時点で贈与税が課されずに、相続時に他の遺産とあわせて相続税として一括して精算する制度です。

なお、2,500万円を超えた分については一律20%の贈与税が課されます。
また、この制度を適用した後は(1)の年間110万円の基礎控除は利用できなくなるため注意が必要です。

※平成27年1月1日以降の贈与から、相続時精算課税制度の対象者の範囲が拡大されます。
現行の受贈者に20歳以上の孫が加わり、贈与者の年齢要件も65歳以上から60歳以上に変更されます。

なお、上記の他にも住宅取得資金贈与の特例などがあり、制度を上手に利用することによって
贈与税が課されないよう工夫することができます。
これらの特例は時限立法であることがほとんどですので、制度の利用については専門家へ相談して下さい。

ワンポイント

子供の生活費や養育費、教育費などに充てるために仕送りした場合や
結婚資金の一部を出してあげた場合などは、社会通念上妥当な金額であれば
贈与税はかからないこととなっています。

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