Column/コラム

労基署の指導傾向と対策!厚労省発表から読み解く要注意ポイント

労基署の指導傾向と対策!厚労省発表から読み解く要注意ポイント

労基署の指導傾向と対策!厚労省発表から読み解く要注意ポイント

おはようございます。

セブンセンス社会保険労務士事務所の那須です。


私たちからは、労務に関する最新情報やお役立ち情報、事業主の皆様に注意していただきたいことなどをお届けします。


今回は、7月30日に厚生労働省が公表した「長時間労働が疑われる事業場に対する令和6年度の監督指導結果」に基づき、労働基準監督署が特に注意している労務管理のポイントについて解説します。


  1. 労働基準監督署の最新指導傾向

2024年4月から2025年3月までに、長時間労働が疑われる26,512の事業場が監督指導を受けました。
その結果、約8割にあたる21,495事業場で労働基準関係法令違反が認められています。
特に違反が多かった項目は以下の通りです。
違法な時間外労働:42.4%の事業場で確認されました。
過重労働による健康障害防止措置の未実施:21.5%の事業場で未実施でした。
賃金不払残業:8.0%の事業場で確認されました。


  1. 最も多い違反は「違法な時間外労働」

違法な時間外労働があった事業場において、時間外・休日労働が最も長かった労働者の時間数は、月100時間超が3,191事業場に上りました。
月200時間超も124事業場で認められました。


  1. 監督署が指摘する「労働時間の適正な把握」

特に注目すべきは、労働時間の適正な把握に関する指導です。
4,016事業場が、労働時間の把握が不適正であるとして指導を受けました。
ある事例では、勤怠管理システム上の残業申請時間と、ICカードの打刻記録との間に大きな乖離が見つかりました。
監督署は、過去に遡って実態調査を行い、差額の割増賃金の支払いを指導しました。
自己申告制を導入している企業は、「実態と乖離がないか」、「過少申告をさせていないか」を改めて確認する必要があります。


  1. まとめ:労務管理は企業成長の鍵

労働基準監督署の監督指導は、企業の労務管理体制を再確認する重要な機会です。
違法な長時間労働や賃金不払いといった違反は、コンプライアンスリスクだけでなく、従業員のモチベーション低下や離職にも繋がります。


この機会に、貴社でも労働時間管理の体制を見直し、より良い職場環境づくりを進めていきませんか?
ご不明な点やご相談がございましたら、お気軽にお問い合わせください。