Column/コラム

退職金制度、うちにはどれが合う?DC・DB・中退共を比較して見えてくる選び方

退職金制度、うちにはどれが合う?DC・DB・中退共を比較して見えてくる選び方

退職金制度、うちにはどれが合う?DC・DB・中退共を比較して見えてくる選び方

おはようございます。

セブンセンスの冨永です。


ここまで「企業型確定拠出年金(DC)」や「はぐくみ企業年金基金(DB)」をご紹介してきました。


今回は最終案内編として、企業が導入できる代表的な退職金制度を比較しながら、自社に合った制度選びのヒントをお届けします。


■比較①:誰が運用する?結果に責任を持つのは誰?


企業型DCは、企業が掛金を出し、従業員が自分で運用先を選びます。運用の結果(増減)は従業員自身が負うため、“自分で育てる年金”とも呼ばれます。


一方、はぐくみ企業年金などのDB制度では、企業や基金が資産を運用し、あらかじめ定めた給付額を保証します。運用の責任は企業側にありますが、従業員にとっては安心感の高い制度です。


中退共は、外部機関に積み立てるタイプで、掛金に応じた退職金が支払われます。従業員全員を対象にすることが前提で、途中での脱退や勤続年数によって受給額が変動する仕組みです。


■比較②:元本保証?リスクの違い


DCは、リターンもリスクも運用次第です。投資信託などの商品で増える可能性がある一方、元本割れのリスクもあります。


DBは、給付が約束されているため、元本保証+利息付きで受け取れることが大きな特長です。


中退共は掛金に応じて支給額が決まりますが、納付期間が短いと不利になるケースがあり、加入後数年以内に退職すると支給対象外になることもあります。


■ 比較③:制度の柔軟性と導入のしやすさ


DCは、企業型DCは、制度設計の自由度が高く、企業の状況に応じた導入がしやすい点も魅力のひとつです。
たとえば、入社から一定期間を経てから拠出を始める、役職や雇用区分に応じて対象者を限定するなど、柔軟な運用ルールを設定することが可能です。


DB(はぐくみ)は、制度設計に一定の規程や要件が必要ですが、支援会社がサポートする体制が整っており、手続きは比較的スムーズです。


中退共は簡易な仕組みで始められる一方、制度の変更やカスタマイズの余地は少なく、一定の制約があることも理解しておく必要があります。


■ 制度選びのポイントは「自社と従業員に合うかどうか」


若手中心で、資産形成を応援したい → DCが向いている
安定性重視で、元本保証の制度を整えたい → DBが安心
手軽に始めたいが、継続的な勤続が前提 → 中退共が候補に


また、企業によっては「若手はDC、管理職はDB」「新設時は中退共から始める」といった併用・段階的導入も有効な戦略です。


■ 退職金制度に“正解”はありません


制度選びは、「制度そのもの」よりも、導入の目的と社風・働き方に合っているかが重要です。
「社員に長く安心して働いてもらうために、何が一番納得感を持てるか」それが、制度選定の基準になります。


以上
シリーズをご覧いただき、ありがとうございました。
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