企業型DC、導入企業のリアルとよくある疑問にお答えします【第3回/全3回連載】

おはようございます。
セブンセンスの冨永です。
最終回となる今回は、実際に企業型確定拠出年金(DC)を導入した企業の事例をご紹介するとともに、導入検討時によく聞かれる疑問にもわかりやすくお答えします。
【導入企業例】
ケース①:地方の建設系中小企業(従業員約15名)
これまで退職金制度が明文化されておらず、退職時に一時金を支給するだけという形でした。
近年は、若手社員から「老後資金への不安」や「他社と比べた福利厚生の物足りなさ」を指摘されるようになり、制度の見直しを決断。
企業型DCの導入にあたり、サポート体制の整った運営管理機関を選定。説明会の実施や導入書類の整備までスムーズに進み、説明会後には9割以上の従業員が加入に前向きだったとのこと。
ケース②:首都圏のIT系企業(従業員約40名)
若手人材の採用強化と福利厚生の見直しを背景に、企業型DCを導入。「自分で運用先を選べる」「資産形成の勉強になる」と、従業員の金融リテラシー向上にも貢献しています。
社内では、制度の概要や運用の基礎を学べる動画・FAQを共有し、「投資は初めてだったけど、わかりやすくて不安がなくなった」といった声も。
【 よくある疑問にお答えします】
① 運用って、難しそうで不安です
→ ご安心ください。
企業型DCでは必ず「元本確保型商品(定期預金など)」が用意されています。また、導入時には運営機関からわかりやすい資料・動画・ツールが提供され、従業員のリスク理解をサポートしてくれます。
② 業績が悪化したときも掛金を出し続けなきゃいけない?
→ 実は、制度設計次第で柔軟に対応可能です。
たとえば、「試用期間後に拠出開始」「役職者のみ対象にする」「マッチング拠出にする」など、掛金の金額や対象者を柔軟に設定できます。
年単位で見直しもできるため、会社の状況に合わせた運用が可能です。
③ 退職金制度とどう違うの?
→ 企業型DCは、「退職金を運用型で積み立てていく」イメージの制度です。従来の退職金制度(確定給付型)では、会社が給付額を決めて保証しますが、企業型DCでは従業員が自ら運用し、結果次第で将来の受取額が変わるのが大きな違いです。
安全性を重視する場合は、確定給付型の制度(例:はぐくみ企業年金)との比較も検討されることをおすすめします。
以上
弊所でも導入支援を行っていますので、気になる方は、お気軽にお問い合わせください。
▼次回(おまけの回)予告
企業型DC、はぐくみ企業年金(DB)、中退共――さまざまな制度の中で、自社に合った制度はどれか?
次回は、これらの制度の違いと選び方のポイントをまとめてご紹介します。