【事業主必見】今更聞けない会計初心者講座 ~開業費の会計処理~
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「会計って難しそう…」そんなイメージを持っていませんか?
個人事業主や小規模な会社を経営していると、会計のルールや手続きがよく分からず、「何から始めればいいの?」と悩むことも多いですよね。帳簿のつけ方や経費の扱い、確定申告の準備など、知らないまま進めると後で大変なことになってしまうことも…。
でも、実は少しずつポイントを押さえていけば、会計はぐっと分かりやすくなります。本コラムでは、初心者がつまずきやすいポイントをやさしく解説し、「知らなかったせいで損をする」ことを防ぐための知識をお届けします。コラムを担当するのは、得意げに、そして易しく会計について教えてくれるおカネコ先生です!

セブンセンスグループのオフィスに住み着く「おカネ」に詳しい「ネコ」。
会計初心者の個人事業主さんや小規模事業者さんの困った方を見るや否や、自慢のスーツに着替えて先生に大変身!
得意げに、そして易しく会計について教えてくれる…かも?
今回のテーマ「開業費の会計処理ってどうするの?」
「開業費って、いつどうやって処理すればいいの…?」
そんな風に迷ったことはありませんか?
実はこの〈開業費〉、事業を始める人なら誰もが一度は通る大事なポイントなのに、意外と正しい扱い方を知らない方が多いのです。
今回は、「そもそも開業費って何?」「いつ、どうやって会計処理するの?」という基本のギモンを、おカネコ先生と一緒にやさしく簡潔に解説していきます。
「なんとなく処理してたけど、実はよく分かっていなかった…」という方も、ここで一緒に整理しておきましょうニャ!🐾
開業費とは
開業費とは、事業を始める前にかかった準備のためのお金のことです。
✅ 開業費に含められる主な例
・開業前の広告宣伝費(チラシやホームページなど)
・お店や事務所を借りるための手数料や物件の下見費用
・打ち合わせや準備にかかった交通費・飲食費
・名刺や印鑑の作成費
➡「開業のために必要だった」と説明できる支出は、基本的にOKです。
ただし、なんでもかんでも開業費にできるわけではありません。
❌ 開業費に含められない主な例
・開業後に使い始めた経費 ➡ 通常の事業経費として処理します
・10万円以上のパソコンや什器など ➡ 固定資産として扱います
・プライベートな支出 ➡ 開業とは無関係なのでNG

大切なのは、「開業のために使った」とはっきり説明できるかどうかだよ!
迷ったときは、無理に開業費にせず、税理士などの専門家に相談してほしいニャ!
いつ、どうやって計上するの?
開業費は、開業日を基準にまとめて計上するのが基本です。
例えば「4月1日に事業をスタート!」と決めたら、その前日までにかかった費用を「開業費」として整理し、4月1日付けで一括して仕訳入力します。
仕訳例
借方勘定科目 | 借方金額 | 貸方勘定科目 | 貸方金額 | 摘要 | |
2025/04/01 | 開業費 | 100,000円 | 元入金 | 100,000円 | 2025/01/10 打合せ費用 |
2025/04/01 | 開業費 | 20,000円 | 元入金 | 20,000 | 2025/03/10 備品購入 |
なお、開業費は「繰延資産(くりのべしさん)」として取り扱われます。
これは、支出時にすぐに全額を費用として処理せず、
事業開始後に一定の期間にわたって償却(=経費化)できる資産を指します。
具体的には、以下のいずれかの方法により処理することが認められています。
・最長60か月(5年間)で均等に償却する「均等償却」
・必要に応じて任意の金額・タイミングで償却する「任意償却」
つまり、開業費は必ずしもその年に償却しなければならないわけではなく、償却せずに繰り越すことも可能です。例えば、黒字が見込まれる年度にまとめて償却することで、節税効果を高めるといった対応も可能となります。ただし、一度償却処理を行った金額は元に戻すことができないため、償却のタイミングについては慎重に検討することが望ましいでしょう。
👉詳しくはこちら 国税庁「償却期間経過後における開業費の任意償却」
https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/shotoku/04/08.htm
個人のお金を使った場合の会計処理は?
開業準備のとき、つい自分の財布から立て替えて支払うこと、ありますよね。
例えば、「とりあえず印鑑を作っておこう」「開業前に広告を出しておこう」といった出費を、自分のお金で済ませるケースはよくあります。
こうした支出も、事業のために使ったお金であれば「開業費」としてきちんと処理できます。
その際のポイントは、「誰が」「いつ」「何のために」支払ったのかを領収書などにメモしておくことです。レシートの裏に「開業準備のために使用」とメモをしておくだけでも、後から整理しやすくなります。
そして開業日が来たら、それらの立替分をまとめて「開業費」として登録し、あわせて〈事業主借〉として会計に反映させます(自分のお金を使ったことを記録に残すための処理です)。
開業前のお金の流れも、きちんと整理しておくことで、スタート後の経理がスムーズになりますよ。
おカネコ先生のワンポイントアドバイス
「開業費って、なんだかややこしそう…」と思っていた方も、意外と身近な話だったのではないでしょうか?
特に初めての起業では、知らないうちに会計処理を間違えてしまうこともあります。
でも、正しい知識があれば、開業準備のお金だってしっかり経費計上できるのです。
そこで、おカネコ先生からのアドバイスは…🐾
✅ 開業費は「開業のために使ったお金」だけが対象!
→ プライベートの支出や高額なモノは要注意ニャ!
✅ 領収書やレシートは、日付・内容・金額をしっかり記録!
→ 後で「何に使ったか」を説明できるようにしておくと安心ニャ!
✅ 個人のお金を使ったときは「事業主借」で処理を!
→ 事業のお金と自分のお金は分けて考えるのがポイントだニャ!
開業準備は、最初の一歩が肝心。
正しく整理して、スッキリした気持ちで事業をスタートさせましょう!

困った時は、すぐに税理士に相談するのが一番!
セブンセンスグループは、
いつでも、お客さまの最高のパートナーとして相談に乗ってくれるニャン!