【事業主必見】今更聞けない会計初心者講座 ~個人事業主のこれは経費計上NG!~ その2
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「会計って難しそう…」そんなイメージを持っていませんか?
個人事業主や小規模な会社を経営していると、会計のルールや手続きがよく分からず、「何から始めればいいの?」と悩むことも多いですよね。帳簿のつけ方や経費の扱い、確定申告の準備など、知らないまま進めると後で大変なことになってしまうことも…。
でも、実は少しずつポイントを押さえていけば、会計はぐっと分かりやすくなります。本コラムでは、初心者がつまずきやすいポイントをやさしく解説し、「知らなかったせいで損をする」ことを防ぐための知識をお届けします。コラムを担当するのは、得意げに、そして易しく会計について教えてくれるおカネコ先生です!

セブンセンスグループのオフィスに住み着く「おカネ」に詳しい「ネコ」。
会計初心者の個人事業主さんや小規模事業者さんの困った方を見るや否や、自慢のスーツに着替えて先生に大変身!
得意げに、そして易しく会計について教えてくれる…かも?
今回のテーマ「個人事業主のこれは経費計上NG!その2」
👉第一弾はコチラ!
「この出費も経費にできたら、節税になるのに…」
そんなふうに思ったことはありませんか?
でも実は、どんな支出でも経費にできるわけじゃないんです。
事業に関係ないものや、法律で認められていない支出は、しっかり区別しておかないと、あとで税務署に指摘されることも…!
今回は、「これは経費にしてOK?NG?」と迷いがちな経費計上できない項目を、おカネコ先生と一緒にわかりやすくチェックしていきます。
うっかり経費にしてしまいがちな落とし穴、見逃さないでニャ!🐈
間違いやすい!これは経費計上NGリスト
① 家族への給与(生計を一にする場合)

「ウチの奥さんも毎日手伝ってるし、ちゃんと給料出してるよ?!」
家族にお給料を出していても、そのままでは経費にはなりません。
というのも、家族とは“同じお財布”で生活している=生計を一にしているため、基本的には給与を経費として認めてもらえないのです。
📝 知っトクPOINT
ただし「青色事業専従者給与」という制度を活用すれば、家族への給与も経費にすることができます!
この制度を使うには、以下の条件を満たす必要があります。
- 青色申告をしていること
- 家族が15歳以上で、1年のうち6か月以上、事業に専従していること
- 「青色事業専従者給与に関する届出書」を事前に税務署へ提出していること
- 給与額が仕事内容に見合った“常識的な金額”であること
また、支給額は求人情報などを参考に決めたり、源泉徴収が発生しない範囲(月額88,000円未満)に抑えるケースも多いです。
👉 詳しくはこちら 国税庁「青色事業専従者給与に関する届出手続」
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/shinkoku/annai/12.htm

家族への給与も、経費になる場合があるニャン!条件確認をお忘れなく!
② 自宅の家賃全額

「家の一部を仕事に使ってるから、家賃はまるっと経費でしょ?」
個人事業主が自宅を仕事場として使っている場合でも、家賃の全額を経費にすることはできません。
なぜなら、自宅は事業とプライベートの“共用スペース”だからです。
このようなケースでは、「按分(あんぶん)」という方法で、仕事に使っている割合だけを必要経費として計上します。
按分の基準としては主に以下の2つがあります。
- 面積按分:事業に使っている部屋の広さ(㎡)÷ 自宅全体の面積
- 時間按分:一日のうち、仕事で使用している時間の割合
たとえば、4LDKのうち1部屋を日中だけ業務に使用している場合、
面積按分25% × 時間按分50% → 家賃の12.5%を経費にする、というような計算が一般的です。
按分の考え方は前回のコラム②「所得税・住民税」の項でも詳しく解説しています!
📝 知っトクPOINT
住宅ローンの元本返済部分は経費になりませんが、利息部分については按分のうえで経費にできる場合があります。また、固定資産税や減価償却費も事業に使っている部分のみ按分が可能です。
※正しく処理するためには、客観的な根拠(間取り図や使用状況の記録など)を残しておくと安心です。
👉 詳しくはこちら 国税庁「必要経費の知識」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2210.htm

確定申告で家賃を経費にする場合、
「地代家賃」という勘定科目を使って記帳するのが一般的ニャン。
もちろん、按分して「使ってる分だけ」の金額を計上するのがポイント!
③ 飲み会や会食の費用

「取引先と会食したんだから、これは経費になるよね?」
取引先や顧客との打ち合わせ・商談を目的とした会食や飲み会の費用は、事業に必要な支出と認められる範囲内で経費にできます。ただし、どんな会食でも経費になるわけではなく、「誰と・何のために」行ったのかが説明できることが大前提です。
経費区分としては、主に次の2つに分けて処理します:
- 会議費:取引先との商談や会議に伴うお茶代や飲食代
- 交際費:得意先との接待・懇親目的の飲食代(金額が高額な場合や夜の飲食を含むケースが多い)
また、プライベートな飲み会や友人との会食など、業務との関連が薄いものは当然ながら経費にはできません。
📝 知っトクPOINT
経費になるポイントは…
- 領収書を保存(誰と・どこで・何の目的での会食かをメモ)
- 会議費か交際費かの区分を明確にして仕訳
- 自己使用(例:1人ランチ)や家族との食事はNG
- 按分の必要がある場合は、事業と私用の比率を記録
※税務調査では、「接待交際費」は特にチェックされやすい項目です。記録と合理性がカギになります。
👉 詳しくはこちら 国税庁「交際費等と福利厚生費との区分」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5261.htm

「誰と何のために」がはっきりしないと経費にできないニャン!レシートの裏にメモが吉!
④ 子どもの学費や教育費

「子どもを将来の後継者に育ててるんだから、塾代や学費は経費でいいでしょ?」
残念ながら、子どもの学費や塾代は経費にすることはできません。
たとえ「将来的に家業を継がせるつもり」であっても、現時点では事業活動に直接関係する支出とは認められないためです。
税法上、教育に関する費用は“生活費”や“個人的な支出”とみなされるのが基本。
たとえば以下のようなものは、すべて経費にはなりません。
- 学校の学費、入学金
- 塾や習い事の月謝
- 教科書・参考書などの購入費
- 家庭教師代
📝 知っトクPOINT
注意したいポイントは…
- 事業との関連性が“将来的にある”だけではNG
- 家族の支出は“生活費”とみなされやすく、税務上の経費性は非常に低い
- 法人化しても、役員の子どもに対する支出は基本的に同様の扱い
つまり、「今この支出が、事業の売上にどう貢献しているか」が説明できない限り、経費にはできないということになります。
👉 詳しくはこちら 国税庁「必要経費の知識」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2210.htm

「うちの子は将来、事業を継ぐ予定だから学費は経費にできるはず!」
…って思う方もいるかもしれないけど、それはNGニャン!
教育費はどんなに想いが強くても、原則は生活費として処理するのがルールだよ!
⑤ 視察・海外出張費

「出張ついでに観光も少ししたけど…旅費は経費で大丈夫だよね?」
海外出張や視察にかかる費用は、業務に必要であることが明確であれば経費として認められます。
ただし、“ついでの観光”や“家族旅行を兼ねた出張”のように、プライベートな要素が含まれている場合は、全額を経費にするのはNGです。
ポイントは、「旅費が本当に事業のための支出かどうか」を説明できるかどうか。
以下のような内容を準備・記録しておくことが重要です。
💡経費にできる条件の一例:
- 現地での訪問先・視察先・商談先が具体的に決まっている
- スケジュール表や旅程、業務報告書を残している
- 宿泊費・交通費・飲食費が明確に分かれており、事業分だけを計上している
- 家族同伴分や観光費用は除外している
📝 知っトクPOINT
また、出張の一部が業務で一部が私用という場合は、按分(あんぶん)して、業務に関係する分だけを経費とする必要があります。個人事業主の場合でも法人の場合でも、税務署は「観光との境界線」をとても重視しています。
👉 詳しくはこちら 国税庁「必要経費の知識」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2210.htm

“行き先”より“目的”が大事ニャン!観光と出張、ちゃんと区別しておこう!
おカネコ先生のワンポイントアドバイス
いかがでしたでしょうか?
「これも経費にできるはず!」と思っていた支出が、実はルールを守らないとNGだった…! というケースもたくさんあります。
特に、家族への給与や自宅の家賃、会食費、出張・教育費など、事業とプライベートが混ざりやすい支出は、税務調査でもよくチェックされる項目です。
あとで修正や否認が起きないように、「ルールを知って、正しく処理する」ことがとても大切です!
そこで、おカネコ先生からのアドバイスは…🐾
✅ 家族へのお給料は、届け出を出さなきゃ経費にならない!
→ 青色事業専従者給与の条件を確認しよう!
✅ 自宅を事務所にしている場合も、家賃は“使っている割合”だけ!
→ 面積や時間で按分して記録を残すのがポイント!
✅ 会食費は「誰と・何の目的か」を記録に残そう!
→ 領収書の裏にメモ、仕訳は“会議費or交際費”で判断!
✅ 教育費はどんなに良い理由でも経費にはできない!
→ 学費・塾代は「生活費」として扱われるニャン!
✅ 海外視察は“目的”と“スケジュール”が命!
→ 出張と観光をしっかり分けて、按分&記録が基本!
✅ 会計ソフトを活用して、帳簿の精度も管理コストもアップデート!
→ セブンセンスグループでは、「マネーフォワード クラウド会計」活用法についてのセミナーも随時開催中です!ご興味がある方は、こちらから詳細をご覧ください!
今回ご紹介したものは、ほんの一例です。
次回以降も「個人事業主のこれは経費計上NG!」シリーズを配信いたしますので、ぜひチェックしてくださいね!

困った時は、すぐに税理士に相談するのが一番!
セブンセンスグループは、
いつでも、お客さまの最高のパートナーとして相談に乗ってくれるニャン!