Column/コラム

専従者と他の職業

専従者と他の職業

専従者と他の職業

おはようございます!
税理士の松嶋と申します。


私のパートは【毎週木曜日】です。
税務調査について分かりやすく解説していきます。


それでは、第四百九十回目。


テーマは、「専従者と他の職業」です。


個人事業主の事業所得の申告において、青色申告をしている場合、その事業に従事する家族に対する給与を経費にできる、青色専従者給与という制度があります。


所得税の原則として、家族に対する支払いはそれが事業に必要であっても経費にはできません。


しかし、予め、自分の事業に従事する妻などの家族の氏名と給与額などを税務署に届けた上、その給与額が適正な金額の範囲であれば、彼らに支給した給与は、その事業主の事業所得の経費とされます。


この制度において、問題になることは大きく二つで、一つは適正額です。


法人が支給する役員給与も、安易な節税を防止するため適正な金額でないと経費にならないとされていますが、家族に支給する給与も同じように適正額の範囲しか経費にできません。


しかし、適正な金額など誰にも分かりませんので、役員給与と同じように、税務署とトラブルになります。


もう一つは、「専従者」という要件です。文字通り、青色専従者給与は、事業主が営む自分の事業に、専ら従事している家族に対する給与についてしか認められません。


例えば、奥様が平日サラリーマンとして別会社で勤務して、土日だけ事業主である自分の事業を手伝う、といったケースは対象外で、働いた土日分の給与を経費とすることはできません。


とは言え、これにも例外があって、個人事業主の事業に専従するのに妨げられない範囲なら、他の仕事をしても問題ない、とされています。


しかし、税務でいつも見られるように、どの程度なら妨げにならないのか明確な基準はなく、結果としてトラブルになります。


裁判例などから振り返りますと、もっとも重視されるべきポイントは、勤務日数です。


言い換えれば、家族である事業主の事業に従事する期間が短く、他の仕事の時間が長い場合には、専従者として認められない可能性が大きいです。


一方で、出勤状況については、絶対的な要件にはなりません。


とりわけ、近年はテレワークが一般化していますので、なおさらでしょう。


もちろん、業種によっては出勤しないと仕事にならないものがありますので、出勤しなくても問題ない業務か否かは問われます。


この点、一例として、飲食店を営むご主人の下で、直接接客に従事しているような場合には、当然出勤しなければなりませんので、このような場合には出勤状況は問題になります。


その他、他の職業から得る報酬額なども重要と言われます。


事業主である家族からもらう給与よりも、多額の報酬をその他の職業から貰っているようなケースは、家族が営む事業はメインとは言えません。


結果として、その事業に専従しているとは言えないことになります。


最終的には、これらの要素を総合的に見て判断されますので、注意してください。


追伸、

わたくし松嶋洋の詳しいプロフィールは以下のサイトからどうぞ!!

↓↓↓

Facebook:https://www.facebook.com/motokokuzei

Twitter:@yo_mazs