DocuWorksに抵抗した税理士がファンになった理由 ペーパーレス事務所の”舞台裏” 第12回
皆さん、こんにちは! 紙無 和也です!
突然ですが、皆さんの事務所ではDocuWorksを利用されていますか?
会計事務所の方とお話ししていると、DocuWorksを導入したんだけどイマイチ活用できていない…という声を良くお聞きします。
その中でも、とくに役職者の方がDocuWorksになじめずに全社的な活用が進まないという事が多いようです。
現在のセブンセンスグループではDocuWorksを開かない日はない!というくらいフル活用していますが、そんな私たちでもDocuWorksの導入段階では、全ての職員が賛同していたという状況ではありませんでした。
今回のコラムでは、そんな当時の様子を知り、ご自身も抵抗感があったというセブンセンス税理士法人の大長税理士にお話をきいていこうと思います。
セブンセンスでどのようにDocuWorksが浸透していったかを知っていただくことで、活用のきっかけとしていただければと思います。
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DocuWorksってなに?紙で作業した方がはやくない?
当時のセブンセンスでは事務所内での情報共有が課題となっていました。
紙での情報共有に限界を感じていた中で、データによる情報共有に切り替える手段としてDocuWorksの採用が決まりました。
導入が決まった時にはその名前すら知らなかったという大長さん。
DocuWorksに対してどのような印象を持っていたのでしょうか?
大長さん
「最初はまったく便利そうだと思わなかったんですよ。どうせ紙をスキャンして所定の場所(フォルダ)に保存してから作業するのであれば、今ある紙を見た方が早いだろうと。」
同じように考える方は多かったようで、特に役職者に関してはその傾向が強かったそうです。
大長さん
「みんな画面より紙に慣れていましたし、合理的になるという事があまりイメージできなかったんでしょうね。」
拠点をまたいでの分業で運用が定着。紙の使用を完全に禁止しなかったこともポイントに。
役職者の抵抗感を払拭できないまま運用がスタートしたDocuWorks。運用が定着したきっかけは何だったのでしょうか?
大長さん
「DocuWorksの導入からしばらくしてから、会計ソフトへの入力を遠隔拠点で一括しておこなうことになったんですね。郵送やFAXでは効率が悪いので、自然と資料を電子化して送ることが定着したんだと思います。」
セブンセンスでは、DocuWorksの導入の少し前から社内体制を分業スタイルに変更していました。DocuWorksの導入や資料の電子化も、この体制を強化することが前提であったといいます。
セブンセンスがこの体制に切り替えたのは2005年のことなので、当時としては拠点をまたいで入力をおこなうというスタイルは珍しかったかもしれません。しかし大長さんによれば、現在会計事務所向けに提供されているBPO(入力代行)サービスのようなものを取り入れることでも、DocuWorksの利用が促進される良いきっかけになるのだろう、とのことでした。
他にも、紙を使うことを完全に禁止しなかったことも成功した要因のようです。
大長さん
「DocuWorksの導入で完全にペーパーレス化するのではなく、合理的なら紙を使っても良いという方針で進めました。決裁をやっていると全部画面で確認するのはつらいところもありましたしね。私の場合は試算表とか決算書だけは紙で出して、調書や申告書は画面でチェックするというやり方をよくやっていましたが、結局これが紙より早いなと。」
当初、紙の方が早い!と思っていた大長さんもこのやり方に気づいてからはDocuWorksを積極的に使うようになっていったそうです。
大長さん
「少数ですが、中途入社の方などはいまだに紙でチェックされている方はいます。税務署もそうですが、業界的にも紙の方が安心と思っている方は多いですからね。」
利用が加速し、社内の様子も一変。
運用が定着していくと、今まで抵抗感を感じていた役職者の方も、徐々にDocuWorksの便利さを体感するようになっていったそうです。
大長さん
「例えば、決裁での確認の最中に顧問先の資料を見ていて、それと同じタイミングで担当者が資料を見たいという時もあるんですよ。紙の時はよく待ってもらってたんですが、DocuWorks導入後は一切なくなりました。」
大長さん
「他にも、関連会社の資料を同時に確認したい時がよくあるんですけど、複数の会社があるとそれだけでデスクがいっぱいになってしまってたんですね。DocuWorkでの作業に慣れてからはモニタに資料を並べて確認しているので、かなりやりやすくなりました。」
これ以外にも
- 定款や登記簿など、ちょっとだけ確認したい資料をわざわざ書庫まで取りに行かずにすむようになった。
- 月次の試算表チェックで、重たい資料をカゴに入れて回さずにすむようになった。(カゴが重たいので、腰痛持ちの人は特に月末は腰が痛かったそうです。)
- とにかくデスク周りはすっきりした。目に見えて紙がなくなった。
- 書類を回すときも、関与先ごとの書類箱に入れて渡していたものが「フォルダに入れました」と一声かけるだけになった。
などなど、DocuWorkが定着してからは社内の様子も一変したようです。
電子化による弊害も発生。試行錯誤の時代も。
DocuWorksの運用が定着すると新たな問題も発生したそうです。
DocuWorksの運用後しばらくは、電子化された書類が誤って削除されてしまう事に不安を感じる人がいたそうです。しかし、これらが復元できることがわかるとそのような不安は解消されていったそうです。
しかしその後に発生したのは電子化された資料の保管に関する問題でした。
大長さん
「DocuWorksの導入前から調書の形式を統一するという事はやっていたんですね。たとえば、売掛金だったらこのExcelを使ってください、というような事ですね。DocuWorksの導入後は、この書類をこういう形で保管するというところまでをルール化していきましたね。」
大長さん
「DocuWorksの定着は短期間で進みましたが、電子化した資料の保管ルールの定着にはその後かなり時間がかかったという印象です。登記簿はここ、決算関連資料はこのフォルダにコレとコレを保管するといったルールですね。」
資料が電子化されると、このようなルールが守られないことが問題となったそうです。これらを定着させるには、フォルダ構成の検討や、業務フローやマネジメントの方法の見直しなど、さまざまな取り組みが行われたようです。
最終的にルールの定着にはDocuWorks導入から数年がかかったそうです。
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DocuWorks導入の大長さん的ポイントは?
DocuWorks抵抗派からDocuWorksのファンになってしまった大長さん。
最後にDocuWorks導入のポイントについてきいてみました。
大長さん
「うちが苦労したデータ保管に関しては定着には時間がかかると思いますが、まずは送受信フォルダのような自由に使えるフォルダから始めるのもいいかもしれませんね。」
個人で管理するファイルや個人間でのファイル取り扱いなどは、あまり細かいルールを設けずに自由に使えるようにしておくことで、電子化された資料に慣れてもらうことにつながったようです。
大長さん
「そういう意味では、上司に作成した資料をチェックしてもらうというところから始めるのも良いと思います。」
自身で作成した資料をDocuWorksファイルで上司に確認してもらうことで、DocuWorksの基本操作を覚えることにつながるのではないかとのことでした。
また、DocuWorksの推進の仕方ついては
大長さん
「コスト削減のためにDocuWorksを導入するという考えもあるかもしれませんが、うちの場合はあまりそこは強調しませんでした。紙を出すな!という事にするとうまくいかないかもしれませんね。」
前述したような完全に紙を出さないという運用にしないためにも、コスト削減を前面に押し出した推進の仕方はおすすめできないそうです。
終わりに
以上、大長さんのインタビューでした!
普段DocuWorksを使いまくっている私、紙無的にもとても興味深い話が多かったです!
ちなみに、このコラム『ペーパーレス事務所の舞台裏』はしばらくお休みとなります。
また皆さんにペーパーレスの裏側をお伝えできる日が来る日を楽しみにして、日々の業務に励んでいきたいと思います。
皆さんも、是非コラムを参考にペーパーレスに進めてみてください!
それではまた会う日まで!さよ~なら~!
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