Column/コラム

節税・脱税・租税回避の違いを説明できますか!?

節税・脱税・租税回避の違いを説明できますか!?

節税・脱税・租税回避の違いを説明できますか!?

おはようございます!
セブンセンスグループ(SSG)の徐です。

6月に入り進行中だった税務調査が続々と
エンディングを迎えています。
何故かというと、税務署の税務調査官は
毎年7月10日が定期人事異動の日だから。

人事異動の日までに滞りなく税務調査を
終わらせないと上司に怒られてしまいます。
このあたりは税務署もフツウの会社も同じ。

7月10日までに業務を完了させるとなれば、
そろそろ片を付けないといけないのです。

さて、今年も色々な結末がありました。
個人情報保護の観点からここでは当然に
詳しいことは言えないのですが、

見解の相違やそもそもアウトなど盛り沢山。
またSSGに税務調査事例が積み上がりました。

さて、世の賢明な経営者は、当たり前ですが
ルールの下でビジネスをし、アイデアを捻り、
知恵を絞って会社を経営しています。

その努力の結果、会社が発展し、利益を出し、
社員へ還元、社会へ貢献しているわけです。

そして、これも当たり前ですが、大儲けを
すれば当然に税金を払わなければなりません。

だから、

【節税】を考えるのは当たり前。

でも、

【脱税】は当たり前に違法です。

さて、この【節税】【脱税】以外にもう1つ、
税務の世界で使われる魔法の言葉があります。

それは・・・

【租税回避】

です。

こんな不等式を使うのが正しいか否かはさておき、
イメージ的にはこんな感じです。

【節税】≧【租税回避】≧【脱税】

○×方式にするとこんな感じ。

○【節税】(合法)(シロ)

△【租税回避】(グレー)

×【脱税】(違法)(クロ)

そう、租税回避はグレーゾーンです。

【租税回避】というと、ニュースでは
否定的なニュアンスで報道されること
がかなり多くあります。

そのため、違法だと認識される方も多いの
ですが、必ずしもそうではありません。

【節税】はもちろん合法で、法律の想定する
範囲内の処理ですから、問題になることは
まずありません。

【脱税】は完全な違法行為。問題になるとか
ならないではなく、明らかに問題アリです。

さて本日の主役の【租税回避】ですが、これは
法律が想定していない、つまり、通常では行われ
ない、考えられないスキームや取引形態によって
税負担を軽減させようとするものです。

つまり、国側(法律)が予期していない想定外
のスキームを生み出し、意図的に税額を軽減
させようとする行為を【租税回避】といいます。

税金の世界では

「租税法律主義」

という考え方があります。

法律の定めがなければ課税されることはないと
いう大原則です。

つまり、現行の法律で違法と規定されていない
取引は全て合法だということです。

法の網をかいくぐる、という言い方がしっくり
きますかね。

ただし、国税側は【租税回避行為】を理由として
追徴課税を行うケースが多々あります。

それが「見解の相違」というやつです。
(注:「音楽性の違い」とは異なります…)

ここで納税者と国の争いが起こります。

数年前までは、納税者側が、

「見解の相違がありましたが、
 素直に認めて税金払います。」

「ちっくしょ~!」

というケースが多かったのですが、
近年は納税者が国側と堂々と裁判で渡り合う
ケースも少なくありません。

そして、国が敗訴する事例も増えています。

ただし!

実際に税務訴訟となった場合の
納税者の勝率はどれくらいか??

国税庁発表のデータによれば、
なんと、納税者側の勝率は10%弱・・

もちろん全てが【租税回避】の案件とは限り
ませんが、この数字を高いとみるか低いと
みるかはかなり重要です。

ちなみに私の友人弁護士さんは、

「国を相手に勝率が5%以上あるのならば
 仕事として十分に検討できる数字ですね~」

と言っていました。

有名な「武富士贈与税訴訟事件」では、国側が
最高裁で敗訴して2000億円もの税金を還付しました。

参考:日経新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXNASDG17022_Y1A210C1000000/

最高裁はこのスキームについて、

「あれは完全な租税回避行為だったね…。」

と認定しつつも、

「現行法では何も決まってないんでしょ?
 んじゃ、決めてない国が悪いってことよ。」

「法律を勝手に拡張解釈して課税するなんてメッ!!」

と言って課税を取り消しました。

リスクを冒して挑戦するか、安全策を取るかは、
もちろん納税者の自由です。

が、王道の正しい【節税】は当然に行ったうえで、
残りの利益に対して税金をきちんと払うという
姿勢が大切です。

日本と言う国で商売をさせてもらってるおかげで
儲かってるんだから、多少の税金は必要経費です。

そう!

ある程度の税金=必要経費

と考えれば気持ちがスッキリします。

スッキリしたかな…???

来週もお楽しみに!!

セブンセンスグループ(SSG)には、
相続・贈与・遺言をはじめ様々な分野に
強い専門家が多数在籍しています。

いつでもご相談ください!(^^)!