Column/コラム

借地権の会計処理とリース基準の改正

借地権の会計処理とリース基準の改正

借地権の会計処理とリース基準の改正

おはようございます。

金曜日を担当していますセブンセンスグルー
プ(SSG)公認会計士の髙橋です。

金曜担当の私からは、会計、経営、財務、税
務、監査、内部統制関連の基礎・Tips・ニ
ュース等をお伝えします。

139回目の今回は借地権の会計処理に変更が
出そうなため、こちらについてお伝えします。

今週の経営財務に以下のような記事がありま
した。


https://www.zeiken.co.jp/keieizaimu/article/no3578/ZA00035780301.php
2022年10月31日 経営財務No.3578

内容を簡潔にお伝えすると「借地権に係る権
利金は、使用権資産の取得原価に含め、リー
ス期間にわたり減価償却を行う」というもの
です。

借地権の内容や会計処理については以前もお
伝えしました(No.121 2022/6/24)。

ザックリおさらいすると・・・、

・借地権とは、いわゆる土地を借りる権利で
あり、建物の所有を目的とする地上権または
土地賃借権を表す借地借家法上の概念

・借地権の付着した土地の所有権は底地
と呼ばれる。

・土地を借りる地代とは別に支払う権利金

・メリットは比較的に立地の良い場所が多く、
借地権上の建物を安く購入出来る場合があり、
また固定資産税がかからない

・デメリットは地代の負担が必要で、さらに
更新料が必要な場合もあり、また、将来返還
する必要がある

・借地権上の建物を売却する際には地主の承
諾がいる点もデメリットの一つ

・会計処理としては、購入価額で計上し、時
価が相当程度下がった場合には減損処理を行

というものでした。

今回、企業会計基準委員会(ASBJ)リース会
計専門委員会において現在進行中であるリー
ス基準の改正作業に伴い、

リースの一種である借地権についても審議さ
れたようです。

車やオフィスの賃貸も土地の賃貸に係る借地
権も同様の賃貸借取引であるため、整合的な
会計処理にする必要があるのでしょう。

そのため、今までは償却することはなく取得
原価で計上し、時価が下がった場合のみ減損
処理を行っていましたが、

新基準においては使用権資産(借地権の場合
には土地のリース料×リース期間の額を割引
計算して算定)に含めて、

リース期間にわたり減価償却を行う必要が出
てくることになりそうです。

適用前に計上された借地権については、その
ままの会計処理を継続出来る等の経過措置も
提案されていますが、

原則として遡及適用となるようですので、今
後の基準の改正が注目されるところですので、
進展がありましたら、随時お伝えします。