40代・女性のご質問

知人は、事情があって独身を通し 1人で生活しています。
知人には、両親もすでになく、兄弟姉妹はいないとのことです。

この場合、知人が死亡したとき、知人の財産は、誰に相続されるのでしょうか。

回答

被相続人の相続開始があったとき、被相続人の相続人がいるかいないか 不明の場合があります。
この場合、「相続人不存在」として、相続財産は「相続財産法人」とされます。

たとえば、被相続人の戸籍謄本のうえでは、被相続人の配偶者、
直系尊属(父母、祖父母等)、直系卑属(子、孫等)、兄弟姉妹とその子どもがいないときは、
相続人不存在であると推定されます。

しかし、戸籍謄本に記載されていない婚姻外の子(非嫡出子)がいれば、
その子は被相続人の相続の開始後3年間は(自分から)認知の請求ができ(死後認知)、
地方裁判所に訴えて認められると、婚姻外の子は相続人となります。

質問のケースでは、あなたの知人は独身で、配偶者、子はおらず、
両親は他界しているとのことですので、相続人不存在と推定されます。

ただし、両親に婚姻外の子がいればあなたの知人にとっては兄弟姉妹となり、
知人の遺産はその子に相続されることになります。

相続人不存在の場合の、相続財産の取扱手続き

① 利害関係人または、検察官による相続財産管理人選任を家庭裁判所に請求
② 家庭裁判所による相続財産管理人の選任及びその公告(官報等、2カ月)
③ 債権者、受遺者に対する請求申出の公告(2カ月以上)
④ 相続財産管理人または、検察官による相続人捜索の公告請求
⑤ 家庭裁判所による相続人捜索の公告(官報掲載等、6カ月以上)
⑥ 相続人不存在の確認
⑦ 特別縁故者(内縁の妻、同居親族、看護師等)からの相続財産の処分申立て
⑧ 特別縁故者の請求に基づく家庭裁判所による相続財産の分与
⑨ 残存相続財産の国庫帰属と引渡し相続財産管理人から不動産や株券については
所轄の財務局長へ、金銭債権、現金その他の動産は家庭裁判所へ引き継ぎます。

以上の①から⑨の流れで、相続人不存在の場合の相続財産処分の手続きが進められます。

質問のケースでも、相続人がいないので、
家庭裁判所が選任した相続財産管理人が上記の相続財産の管理手続きを執行します。

最後に財産が残れば、その分は国庫に帰属します。

ワンポイント

近年、遺言の思想が普及し、相続人がいない方が自己の財産を世話になった友人、
知人、公共団体等に遺言書で「遺贈」するケースが増えています。