40代・男性のご質問

父と一緒に生果店を営んでおります。
自宅の1階部分が店舗となっており、土地は父名義の借地です。
最近、父が著しく体調を崩しており、万が一の場合に借地権が
どのような取り扱いとなるのかが不安です。

回答

賃貸借契約に基づいて貸借人が目的不動産を使用収益できる権利を貸借権といいます。
このうち、借地権とは、建物の所有を目的とするために他人の土地の上に設定された貸借権や
地上権のことをいい、この権利は借地借家法により保護されています。

借地権は、権利として財産的価値があるため相続の対象となります。
その相続税評価は、財産評価基本通達により「更地の評価額×借地権割合」で評価されます。
ちなみに、都市部における借地権割合は7割程度であることが一般的です。

相続の際は、被相続人の法律上の地位がそのまま相続人に承継されます。
よって、被相続人の借地権者としての地位は相続開始の際の現状において
そのまま相続人に承継されることとなります。

この場合、承継に際して地主の承諾は不要で、相続人は名義書換料を支払う必要もありません。
この点は、借地上の建物を第三者に対して譲渡する場合には必ず地主の承諾が必要となることとは異なります。

ただし、相続した借地権が定期借地権の場合には注意が必要です。
定期借地権とは、契約期間の満了とともに、建物を取り壊して更地にして返還する必要が
ある借地権のことで、契約期間の延長がなく、立退料の請求もできません。

定期借地権も当然に相続することができますが、既述のとおり契約期間が満了すると同時に
借地権は消滅し、建物を解体して土地を地主に返さなければなりません。
念のため、父親と地主との間で交わされた当初の契約書を調べてみるとよいでしょう。

ワンポイント

借地人(借地権者)の死亡を知った地主から、相続人に対して賃貸借契約書の名義書換や
名義書換料の支払いを要求してくるケースも散見されるようですが、
契約書名義の書換えや名義書換料支払の法的な義務はありません。