50代・女性のご質問

夫が先月死亡しました。私は、事情があって婚姻届を出しておりません。
私は夫の遺族年金を受給することができるでしょうか。

回答

内縁の妻(婚姻届は出していないが、事実上の夫婦である妻)は、
生計維持関係等事実上の夫婦関係を証明することによって、
遺族年金の受給権を得る可能性があります。

相続財産に含まれないもの

相続財産に含まれないものには、相続人固有の財産として次のものがあります。

① 生命保険金
② 死亡退職金(受給権者が定められている場合)
③ 遺族年金
④ 香典

したがって、公的年金の遺族年金は、
各年金法において年金受給権者が誰であるかが規定されており、
相続という概念にはなじまないものですが、被相続人の死亡に起因するという意味で解説します。

なお、私的年金の年金権の相続や年金保険料の解約返戻金等については、
相続税法の適用がある場合があります。

被相続人が公的年金の被保険者または受給権者であった場合、死亡届と遺族年金の請求が必要です。
この場合、通常は遺族である戸籍上の妻または子が受給権者として裁定請求を行います。

実際には夫婦の状態でありながら、戸籍上の届出をしていない(内縁の)妻が遺族となった場合、
被相続人によって生計が維持されていたこと、届出をすれば法律上の夫婦になれる状態であったこと
(重婚など法律上許可されない婚姻状態でないこと)などを立証することができれば、
遺族年金の受給権が認められる場合があります。

詳しいことは、社会保険労務士または所轄の年金事務所に相談するとよいでしょう。

遺族厚生年金の請求

被相続人が厚生年金の被保険者または受給権者であった場合は、
所轄の年金事務所に「遺族厚生年金裁定請求書」を提出します。

年金は偶数月の支給となっており、
死亡時には被保険者は年金を受給したり未支給年金が発生します。
「未支給年金請求書」の提出によって、未支給年金が支給されます。

なお、この未支給年金は、受け取る人の一時所得となり、相続税の対象とはなりません。

遺族共済年金の請求

被相続人が共済年金の被保険者または受給権者であった場合は、
国家公務員共済組合連合会等に、「遺族共済年金」を請求することになります。

遺族厚生年金、遺族共済年金の額は、
被相続人が受けていた(または受けるであろう)厚生年金・共済年金の額の3/4です
(被相続人の基礎年金は遺族年金の対象外となり、本人の基礎年金は受給されます)。

遺族年金は、受給権者が法定されているので相続の対象外であり、課税相続対象にもなりません。

寡婦年金、死亡一時金の請求

被相続人が第1号被保険者として老齢基礎年金の受給資格を満たしており、
かつ、1回も年金を受給しないで死亡した場合、1
0年以上の婚姻期間がある妻には「寡婦年金」が60歳から65歳までの間支給されます。

年金の額は、被相続人が受給すべきであった額の3/4の額です。
上記に該当しない場合で、保険料納付済期間が36カ月以上ある人が死亡したケースでは、
遺族の請求により最低120,000円から最高320,000円までの「死亡一時金」が支給されます。
課税関係その他、遺族年金に同じです。

ワンポイント

年金事務所で手続きして、遺族年金が支給されるまで3~4カ月かかります。
できるだけ早めの手続きをお勧めします。

除住民票・除籍の記載がある戸籍謄本等手続きに必要な書類がいろいろあります。
多くの市町村で死亡届提出の際にアドバイスしてくれるようですが、
詳細は年金事務所にご相談ください。